サッカーで「仲間と協力する気持ち」を育てる心のトレーニング

投稿日:2025年11月20日  カテゴリー:メンタルトレーニング

サッカーで「仲間と協力する気持ち」を育てる心のトレーニング

サッカーはひとりでは勝てないスポーツです。テクニックやフィジカルがどれだけ高くても、仲間と協力する気持ちが弱いと、チーム全体の力は十分に発揮できません。ここでは、仲間と協力する気持ちを育てるための心の持ち方や、日常でできる具体的な工夫をくわしく解説します。

1. なぜ「仲間と協力する気持ち」がそんなに大事なのか

まず、協力する気持ちがあるチームと、そうでないチームの違いを整理してみます。

  • パスの選択が変わる
    自分だけで打開しようとするのか、よりよいポジションの仲間を使うのかで、攻撃の質が大きく変わります。
  • 守備の強さが変わる
    ひとりで守るのではなく、「カバー」「スライド」「声かけ」があると、相手の攻撃はかなりやりづらくなります。
  • チームの雰囲気が変わる
    ミスした仲間を責めるチームと、支え合うチームでは、プレーの思い切りやチャレンジの数が違ってきます。

つまり、仲間と協力する気持ちは、戦術・技術以前にチームの土台になるメンタルだといえます。

2. 協力する気持ちの「心の土台」をつくる考え方

2-1. 「自分 vs 仲間」ではなく「自分たち vs 相手」

イライラしたり、思い通りにいかないとき、つい意識が「仲間」に向いてしまいます。

  • 「なんであそこでパスしないんだ」
  • 「なんで自分だけ走ってるんだ」

この状態は、無意識のうちに「自分 vs 仲間」という構図になってしまっています。意識したいのは、

「自分たち(チーム) vs 相手チーム」 という視点です。

仲間はライバルではなく、同じゴールに向かう「味方」です。まず、この大前提を何度も自分に言い聞かせておくことが、協力する気持ちのスタートになります。

2-2. 役割の違いを理解する

サッカーにはポジションごとの役割があり、人によって得意・苦手も異なります。

  • 守備が得意な選手
  • パスセンスに優れた選手
  • 運動量でチームを支える選手
  • メンタル面で声をかけ続ける選手

「自分と同じようにできない仲間」を責めるのではなく、違いを生かし合うことでチームは強くなると考えてみてください。

2-3. 「勝つために、自分は何ができるか?」という問いを持つ

協力する気持ちを育てるシンプルな問いがあります。

「チームが勝つために、今の自分にできることは何か?」

この問いを持っていると、

  • 「不満」より「行動」に意識が向く
  • 「自分だけ良ければいい」から「チームのために」に変わる
  • 自然と仲間の助けになりたい気持ちが出てくる

3. 日常からできる「協力する気持ち」を育てる習慣

3-1. あいさつ・声かけを大切にする

協力の土台は、シンプルなコミュニケーションです。

  • 練習や試合の前後に、目を見てあいさつをする
  • アップのときに「今日もよろしく」「がんばろう」と一言声をかける
  • 帰るときに「おつかれ」「また次の練習で」と声をかける

こうした小さな積み重ねが、「一緒に戦う仲間」という感覚を強くします。

3-2. 仲間の良いところをメモしておく

協力したい気持ちは、「仲間の良さ」に気づくほど強くなります。おすすめは、ノートやスマホのメモに、仲間の良いプレーや特徴を書いておくことです。

  • 「○○は守備の戻りが速い」
  • 「△△は声かけがうまい」
  • 「□□はトラップが正確」

イライラしたときほど、このメモを思い出すことで、「一緒にやってきた仲間」だと再確認できます。

3-3. 自分から「ありがとう」を先に言う

協力する気持ちを育てるうえで、「感謝」は非常に強い力を持っています。

  • 良いパスを受けたとき:「ナイスパス!」
  • カバーしてもらったとき:「助かった、ありがとう」
  • 練習後にボールや道具を片付けている仲間に:「いつもありがとう」

自分から感謝を伝えることで、相手も「この人の役に立ちたい」と感じるようになります。

4. 練習・試合で使える具体的な声かけと行動

4-1. 注意するときの「言い方」を工夫する

仲間に何かを伝えるとき、内容よりも言い方でチームの雰囲気は大きく変わります。

意識したいポイントは、

  • 人格ではなく「プレー」に対して話す
  • 責めるのではなく「提案」にする
  • 短く・具体的に伝える

例:

  • ×「なんでそこで取られるんだよ!」
    ○「次は、もう少し早めにシンプルに行こう」
  • ×「マークちゃんとしろよ!」
    ○「次のコーナーは、○番を一緒に見よう」

4-2. ミスした仲間へのリアクションを決めておく

ミスした仲間にどう接するかは、チーム全体の協力の雰囲気を左右します。

  • 両手を軽く上げて「ドンマイ!」とジェスチャーする
  • 走りながら「次一緒に取り返そう」と声をかける
  • ハーフタイムや試合後に「さっきの場面、次こうしてみようか?」と冷静に話す

ミスした後、仲間に責められるか、支えてもらえるかで、その選手の思い切りは大きく変わります。

4-3. ナイスプレーは「すぐに」「具体的に」ほめる

協力する気持ちを強くするには、良いプレーを見逃さず、すぐに伝えることが大切です。

  • 「今の戻り、めちゃくちゃ助かった」
  • 「今のカバー、ナイス!」
  • 「さっきのターン、うまかったね」

「ナイス!」だけでも良いですが、具体的に伝えることで、相手も「またやろう」と思いやすくなります。

5. よくある場面別:協力する気持ちを保つための心の持ち方

場面 ありがちな心の動き おすすめの心の持ち方・行動
自分はがんばっているのに、仲間が走っていないように見える 「なんで自分だけこんなに走らないといけないんだ」と不満がたまる ・「チームが勝つために、今の自分にできることは何か?」と問い直す
・プレーが切れたときに、「一緒に戻ろう」「次、前から行こう」と声をかける
・後で、落ち着いたタイミングで具体的に相談する(責め口調は避ける)
自分のミスを仲間に責められた 「もうパス出したくない」「あいつとはやりたくない」と心を閉ざす ・いったん深呼吸して、感情と事実を分ける
・「自分のプレーのどこを直せば良くなるか?」に集中する
・あとで冷静になったときに、「さっきの言い方面は少しキツく感じた」と伝える
自分がスタメンで、仲間がベンチにいる 「自分が試合に出られればそれでいい」と思いやすくなる ・ベンチの仲間にも「一緒に戦っている」と意識を向ける
・交代で入ってきた仲間に「頼む、思い切って行こう」と声をかける
・試合後に「ナイス交代だったよ」「途中からのプレー助かった」と伝える
ベンチスタートになった 「どうせ自分は必要とされていない」と感じてしまう ・「ピッチの外からチームを助ける役割もある」と考え直す
・相手の特徴や味方の動きを観察し、「出たときに何をするか」を整理する
・ピッチにいる仲間にポジティブな声をかけ続ける
意見がぶつかる戦術の話し合い 「自分の考えが正しい」「相手は分かってない」と感情的になる ・最初に「チームとしてどうしたいか?」を共通ゴールとして確認する
・相手の意見を最後まで聞いてから、自分の意見を短く伝える
・結論が出ない場合は、監督やコーチに判断をゆだねて従う

6. キャプテンでなくてもできる「チームを良くする行動日常」

協力する気持ちを育てる役割は、キャプテンだけのものではありません。どの立場の選手でも、次のような行動はすぐに始められます。

  • 練習の準備や片付けを、黙って率先して行う
  • 新しく入ってきた選手や、調子の悪い仲間にさりげなく声をかける
  • 試合中に「よし、次行こう」「まだ行ける」と前向きな言葉を出し続ける
  • ミスして落ち込んでいる仲間のそばに行き、一言でいいから支える

こうした小さな行動の積み重ねが、チーム全体の「協力する空気」をつくります。

まとめ

サッカーで仲間と協力する気持ちは、自然に生まれるものではなく、意識と習慣によって育てていくものです。

  • 「自分 vs 仲間」ではなく「自分たち vs 相手」という視点を持つ
  • 日常のあいさつ・感謝・具体的な声かけを大切にする
  • ミスや意見の食い違いがあっても、プレーと人を分けて考える
  • キャプテンでなくても、小さな行動でチームに貢献できる

今日からできる一つの行動を決めて、少しずつ「協力し合うチーム」を一緒につくっていきましょう。

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