サッカーで学ぶイライラ・怒りのコントロール術

投稿日:2025年11月22日  カテゴリー:メンタルトレーニング

サッカーで学ぶイライラ・怒りのコントロール術

審判の判定、ミス、相手のラフプレー…。
サッカーの中では、イライラや怒りを感じる場面がたくさんあります。
ここでは、サッカー選手として心を成長させるための「イライラ・怒りのコントロール方法」を、具体的にまとめます。

1. まず知っておきたい「怒り」の正体

怒りは「ダメな感情」ではありません。
怒りは本来、自分を守るためのサインです。 ただ、コントロールできない怒りは「イエローカード」「レッドカード」につながり、プレーの質も下げてしまいます。

  • 怒りは「感じてもいい」けれど「行動は選ぶ」ことが大事
  • 怒りは一瞬で爆発しやすいので、「間(ま)をつくる」スキルが必要
  • 感情をコントロールできる選手ほど、最後まで冷静にプレーできる

2. 試合中にすぐ使える「イライラをおさえる行動」

① 3回深呼吸する(呼吸でクールダウン)

イライラした時、呼吸は浅く速くなります。
そこで、あえてゆっくり深く呼吸することで、心拍数を落とし、頭を冷やすことができます。

  1. 鼻から4秒かけてゆっくり息を吸う
  2. 2秒キープする
  3. 口から6秒かけてゆっくり息を吐く
  4. これを3セット行う

ファウルされたあと、判定に不満がある時、プレーが切れたタイミングでやると効果的です。

② 視線を変える(ピッチ全体を見る)

イライラしている時、人の視線は「近く」や「嫌なもの」に固定されがちです。
あえてスタジアム全体やピッチ全体を見ることで、気持ちが少し客観的になります。

  • ボールから一度目を離し、ピッチ全体をサッと見渡す
  • 空やスタンドを一瞬見るのもOK(プレーに支障のない範囲で)
  • 「今、自分はどこで何をすべきか?」を頭の中で整理する

③ 自分のポジションの役割に意識を戻す

イライラしている時は、頭の中が「相手」「審判」「ミスをした味方」でいっぱいになります。
そこで、一度「自分の役割」に意識を戻します。

  • DFなら:「今、ラインの高さはどうする? カバーに入るべきか?」
  • MFなら:「次のパスコースは? プレスバックは間に合うか?」
  • FWなら:「どこにポジションを取ればチャンスになるか?」

「怒り → 役割」に意識を切り替えることで、プレーの質を落とさずにすみます。

3. イライラをため込まないための「考え方」

① 「完璧な試合は存在しない」と知る

プロの試合でも、ミスや理不尽な判定は必ずあります。
「ミスも判定も含めてサッカー」と考えることで、心の負担は軽くなります。

② 「コントロールできること」と「できないこと」を分ける

イライラの多くは、「自分では変えられないこと」に心を使いすぎている時に起きます。

  • コントロールできないこと:審判の判定、相手チームの態度、ピッチコンディション、天気
  • コントロールできること:自分のプレー、自分の声かけ、自分の準備、自分の感情への向き合い方

怒りを感じたら、「これは自分で変えられる?変えられない?」と一瞬だけ考えてみてください。
変えられないなら、早めに手放す練習をしましょう。

③ 失敗を「成長の材料」としてメモする

試合後、イライラした場面をそのままにしておくと、次の試合でも同じことで怒りやすくなります。
ノートやスマホに、次の3つを書き出して整理しましょう。

  1. どんな場面でイライラしたか?(例:相手のラフプレー、パスミス、審判の判定)
  2. その時、自分はどう反応したか?(例:暴言、下を向いた、プレーが雑になった)
  3. 次はどうしたいか?(例:深呼吸してから声かけ、審判に冷静に伝える、すぐに切り替える)

これを続けることで、「イライラしやすいパターン」が見えてきます。
パターンが分かれば対処も上手になります。

4. 仲間やコーチとの関わり方で怒りをやわらげる

① 信頼できる「一言」を決めておく

イライラしている時、自分一人で気持ちを切り替えるのが難しいこともあります。
そんな時のために、仲間と「合図になる一言」を決めておくのも効果的です。

  • 「切り替えよう!」
  • 「まだ時間あるぞ!」
  • 「次のプレー集中!」

お互いにその言葉をかけ合うことで、チーム全体の感情コントロール力が上がります。

② コーチには「正直な気持ち」を伝えておく

練習の時から、「自分はこういう場面でイライラしやすいです」とコーチに共有しておくと、 試合中に声かけやポジション調整などでサポートしてもらいやすくなります。

5. 状況別・イライラ対処法まとめ

よくあるシーンごとの対処法を表にまとめました。練習や試合前に一度見返しておくと役立ちます。

状況 ありがちな反応 オススメの考え方・行動
審判の判定に不満がある 文句を言う、プレーが荒くなる 深呼吸を3回。
「判定は変わらない。次のプレーで取り返す」と頭の中で言い聞かせる。
味方のミスで失点した 怒鳴る、無言で不機嫌になる まずは自分の立ち位置・マークの確認。
その後で「次はこうしよう」と前向きな声かけをする。
相手がラフプレーをしてくる やり返す、ヒートアップしてカードをもらう 審判に冷静にアピールしつつ、自分はプレーで勝つことに集中する。
「カードをもらった方が損」と意識する。
自分の連続ミス 下を向く、チャレンジしなくなる ミスを1回ごとにリセットするイメージ。
「次のワンタッチだけに集中」「次の守備だけに集中」と、目の前のプレーだけを見る。
ベンチに下げられた時 ふてくされる、無表情になる ベンチからの観戦を「学びの時間」と考える。
相手の弱点・味方の良い動きを観察し、次に出るときに生かすメモを頭の中で作る。

6. 練習でできる「怒りコントロールトレーニング」

試合だけでなく、普段の練習から感情コントロールの練習をしておくと、本番で力を発揮しやすくなります。

① わざとプレッシャーをかけた練習

  • 時間制限をつけてパス回しをする
  • ミスしたら小さなペナルティ(腕立てなど)を入れる
  • その中で「表情を崩さない」「声を出し続ける」ことを意識する

② ミスしたあとの「ルーティン」を決める

毎回同じ行動をすることで、感情の切り替えがスムーズになります。

  • ミス → 深呼吸1回 → 顔を上げる → 声を出す
  • ミス → 両手で軽く太ももを叩いて気持ちをリセット → 次のポジションに走る

自分なりのルーティンを一つ決めて、毎回同じように実行してみてください。

7. まとめ:怒りを味方につける選手になろう

イライラや怒りは、サッカーの中で完全になくすことはできません。
しかし、

  • 深呼吸や視線のコントロールで「間(ま)」をつくる
  • コントロールできることに意識を向ける
  • ミスや不満を「成長の材料」として整理する
  • 仲間やコーチと協力して、感情コントロールの合図や声かけを共有する

こうした工夫を積み重ねることで、怒りに振り回される選手ではなく、怒りをエネルギーに変えられる選手になっていけます。
心を整える力は、技術やフィジカルと同じくらい、大きな「武器」になります。

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