サッカー選手のためのポジティブ思考トレーニング
試合でうまくいかない時、ミスが続いた時、ベンチスタートになった時。
サッカーをしていると「落ち込みやすい場面」はたくさんあります。
ここでは、ポジティブな考え方を身につけるための具体的な習慣や工夫を、サッカーに結びつけてまとめていきます。
1. ポジティブ思考は「才能」ではなく「習慣」
ポジティブに考えられるかどうかは、性格だけで決まるものではありません。
「どんな言葉を自分にかけているか」、「どんな行動を毎日くり返しているか」が大きく影響します。
- ネガティブになるのは「悪いこと」ではない
- 大事なのは「そこからどう立て直すか」を習慣にしておくこと
- ポジティブ思考は、毎日の小さな練習で少しずつ身についていく
2. 朝と夜の「セルフトーク習慣」を作る
① 朝のスタートをポジティブにする
1日の最初にどんな言葉を自分にかけるかで、その日の心の状態は変わります。
以下のような「朝の一言」を決めて、毎日同じ言葉を自分にかけてみてください。
- 「今日も成長できる1日にしよう」
- 「ミスしてもOK。その中で学べばいい」
- 「自分のプレーでチームを助けよう」
学校に行く前、家を出る前、ストレッチをしながらなど、タイミングを決めて習慣化すると続けやすくなります。
② 夜に「今日の良かったこと」を3つ書き出す
1日の終わりに、「できなかったこと」だけを見ると気持ちは暗くなります。
ポジティブ思考を育てるには、「小さな良かったこと」を見つける習慣が大切です。
- ノートかスマホのメモを用意する
- 「今日の良かったこと」を3つ書く
- サッカーのことだけでなく、日常のこともOK
例:
- 練習でいつもより守備の戻りが速くできた
- コーチに「あいさつがいい」とほめられた
- 友達がシュートを決めた時に、一緒に喜べた
毎日これを続けると、「うまくいっていること」に目が向きやすくなり、自然とポジティブな考え方が身についていきます。
3. ミスを「自分への攻撃材料」にしない
① ミスをした時によくあるネガティブなセルフトーク
ミスをした時、心の中でこんな言葉を言っていないでしょうか?
- 「自分はダメだ」
- 「また失敗した。もう無理だ」
- 「チームの足を引っ張っている」
こうした言葉は、自信をどんどん削ってしまいます。
大切なのは、ミスをした時に自分に何と言うかを「決めておく」ことです。
② ミス後に使えるポジティブなセルフトーク
ミスをしても、自分を攻撃するのではなく、「次への準備」をする言葉を使っていきます。
- 「今のはナイスチャレンジ。次はこうしよう」
- 「まだ時間はある。ここからだ」
- 「ミスはOK。大事なのは次の1プレー」
ポイントは、事実よりも「次にどう動くか」に意識を向けた言葉にすることです。
4. ポジティブな「口ぐせ」を持つ
ポジティブ思考は、「どんな言葉を普段から口にしているか」で強くなっていきます。
自分なりの「口ぐせ」をいくつか決めておきましょう。
おすすめのポジティブ口ぐせ例
- 「やってみよう」
- 「まだ伸びしろがある」
- 「うまくいかなくても、経験になる」
- 「ここからが本番だ」
- 「自分ならできる」
練習中、試合前、苦しい走りのラストなどで、あえてこの言葉を口に出すことで、心のギアを「前向き」側に入れ直すことができます。
5. ポジティブな人と関わる時間を増やす
周りの人の口ぐせや雰囲気も、自分の思考に大きく影響します。
できるだけ、次のようなタイプの人と関わる時間を増やしてみてください。
- ミスしても責めずに「次いこう」と声をかけてくれる仲間
- チャレンジしたことを評価してくれるコーチ
- 試合後、悪いところだけでなく良かったところも教えてくれる人
逆に、いつも悪口や不満ばかりの話になる時は、少し距離を取ったり、話題を変えたりする工夫も必要です。
6. ゴールシーンだけではなく「良いプレー」をイメージする
ポジティブ思考は、頭の中にどんなイメージを流しているかでも変わります。
試合前や寝る前に、短い時間でいいので、自分の「良いプレー」をイメージしてみましょう。
- 守備の選手なら、相手のパスを読み取ってインターセプトするシーン
- 中盤の選手なら、ワンタッチで前向きの味方にパスを通すシーン
- 攻撃の選手なら、冷静にコースを見てシュートを決めるシーン
大事なのは、「完璧なスーパーゴール」だけでなく、自分らしい良いプレーをイメージすることです。
7. 状況別・ポジティブ思考の切り替え例
よくあるサッカーの場面ごとに、「ネガティブな考え」と「ポジティブな考え」の例をまとめます。
| 状況 | ネガティブな考え方 | ポジティブな考え方の例 |
|---|---|---|
| スタメンから外れた | 「自分は信頼されていない」 |
「今は成長の途中。ベンチから学べることを全部吸収しよう」 「次にチャンスが来た時に、結果を出せる準備をしよう」 |
| 決定機を外した | 「自分は肝心なところで弱い」 |
「きちんとゴール前まで動き直せていた。そこは良かった」 「決めるために、次の練習でシュートの形を増やしておこう」 |
| 相手が自分より上手に見える | 「どうせ勝てない」 |
「レベルの高い相手と戦えるのはチャンス」 「今の自分の課題がはっきり見える試合にしよう」 |
| 監督に厳しく指摘された | 「嫌われている」 |
「直せばもっと良くなる部分を教えてもらえた」 「具体的に何を変えればいいか聞いてみよう」 |
| チームが連敗中 | 「このチームは弱い」 |
「苦しい時に、どんな声かけや姿勢を見せられるかが大事」 「自分のプレーとメンタルで、流れを少しでも変えていこう」 |
8. ポジティブ思考を身につけるための「1週間トレーニングプラン」
具体的に行動に落とし込めるよう、1週間の例を示します。
- 月曜日: 朝のポジティブな一言を決めて声に出す
- 火曜日: 練習後、「今日の良かったこと」を3つメモ
- 水曜日: 寝る前に、自分の良いプレーのイメージを1つ思い浮かべる
- 木曜日: ポジティブな口ぐせを1つ決めて、練習中に5回は口に出す
- 金曜日: ミスをした時に使うセルフトークを1つ決めておく
- 土曜日: 試合前に「今日のテーマ(例:最後まで声を出す)」を心の中で宣言
- 日曜日: 1週間の振り返りをして、「成長したポイント」を3つ書き出す
完璧に全部できなくても問題ありません。
大事なのは、「何もしない週」を減らし、「少しでも心のトレーニングをした週」を増やしていくことです。
9. まとめ:プレーと同じように「心」も鍛えていく
ポジティブな考え方は、一度身につければ終わりではなく、サッカーの技術と同じように、何度もくり返し練習していくものです。
- 朝と夜のセルフトークで、1日のスタートと終わりを整える
- ミスを責めるのではなく、「次へのヒント」として受け取る
- ポジティブな口ぐせとイメージを、自分の味方につける
- 周りの人との関わり方も含めて、前向きな環境を少しずつ増やす
技術、フィジカル、戦術理解に加えて、ポジティブなメンタルを手に入れることで、 サッカーそのものも、日常生活もより豊かで楽しいものになっていきます。