試合前に子どもを勇気づける声かけのコツ
試合前の子どもは、楽しみな気持ちと同時に、緊張や不安も感じています。
そんなとき、コーチや保護者の一言が、心を落ち着かせたり、自信を後押ししたりします。
ここでは、試合前に子どもを勇気づける声かけの例と言葉の工夫について、やさしく具体的に整理します。
1. 声かけの基本的な考え方
- 結果よりプロセスをほめる:「勝ち負け」だけでなく、「チャレンジしようとする気持ち」や「走り切る姿勢」に注目する。
- 安心感を伝える:「失敗しても大丈夫」「思い切ってやっておいで」と、ミスをしても受け入れる姿勢を示す。
- 具体的に伝える:「頑張れ」だけでなく、「ボールを受けたら前を見てごらん」など、イメージしやすい言葉を使う。
- 短く・わかりやすく:試合前は緊張しているので、シンプルで覚えやすい言葉が効果的。
2. 試合前の声かけの具体例
2-1. ウォーミングアップ前の声かけ
まだ時間に余裕がある場面では、リラックスしつつ自信を持たせる言葉が効果的です。
| 場面 | 声かけの例 | ねらい・ポイント |
|---|---|---|
| 集合したとき | 「今日もみんなとサッカーできるのが楽しみだな。」 | コーチ自身が楽しんでいる姿勢を見せることで、子どもも気持ちがほぐれる。 |
| 個別に声をかけるとき | 「○○の強みは、ボールを受けてからの一歩目の速さだよね。今日もそこを出していこう。」 | 子ども一人ひとりの良さを具体的に伝え、自信を引き出す。 |
| 少し不安そうな子に | 「緊張してる?それは“本気”の証拠だよ。最初のプレーだけ思い切っていこう。」 | 緊張を否定せず、前向きなものとして受け止めさせる。 |
2-2. キックオフ直前の声かけ
ピッチに出る前は、短くて力になる言葉が有効です。
| 場面 | 声かけの例 | ねらい・ポイント |
|---|---|---|
| 円陣の前 | 「今日の目標は“最後まで走り切る”こと。結果はあとからついてくるから、思い切ってやってこよう。」 | チーム共通の目標をシンプルに伝えることで、意識をそろえる。 |
| ピッチに送り出すとき | 「楽しんでこい!うまくいかなくても、ここからまた一緒に練習すればいい。」 | 楽しさを最優先にし、失敗への恐れをやわらげる。 |
| キャプテンに対して | 「プレーも声も、いつものようにチームを引っ張ってくれれば十分だよ。」 | 責任感で重くなりがちな気持ちを、信頼のメッセージで支える。 |
2-3. 相手が強そうで不安なときの声かけ
| 場面 | 声かけの例 | ねらい・ポイント |
|---|---|---|
| 相手チームを見て不安が出たとき | 「相手がどんなにうまくても、ボールはひとつ。まずは“自分のプレー”に集中しよう。」 | 相手ではなく、自分たちがコントロールできる部分に意識を向けさせる。 |
| 守備の選手へ | 「1対1で抜かれても、チームで守れば大丈夫。最初の一歩だけ強く出てみよう。」 | ミスを恐れすぎず、チャレンジを促すメッセージにする。 |
| 攻撃の選手へ | 「ゴールを決めるかどうかより、“ゴールを狙う回数”を増やそう。」 | 結果ではなく、挑戦の回数に目標を置くことでプレッシャーを軽くする。 |
3. 言葉をかけるときの工夫
- 名前を呼んでから伝える:「○○、今日はさ…」と始めるだけで、相手は大切にされていると感じやすくなる。
- 否定形を避ける:「失敗するなよ」ではなく、「思い切ってやってみよう」「チャレンジしておいで」と前向きな言葉に置き換える。
- 比べない:「あの子みたいにやれ」よりも「昨日の自分より一歩前に進もう」の方が、子どもの成長につながる。
- 目を見て、落ち着いた声で:言葉そのものだけでなく、表情や声のトーンも安心感を与える大切な要素になる。
4. 試合後につながるひと言
試合前の声かけは、試合後のフィードバックとセットで考えると、より意味のあるものになります。
試合が終わったあと、次のような振り返りの言葉をかけると、前向きな学びにつながります。
- 「今日チャレンジした場面で、特によかったプレーはどこだった?」
- 「次の試合で試してみたいことは?」
- 「うまくいかなかった場面も、次の練習で一緒にやってみよう。」
子どもたちは、大人の一言で大きく気持ちが変わります。
その力を、プレッシャーではなく「勇気」と「安心」に変えるために、言葉の選び方を少し意識してみてください。