試合後に子どもとポジティブに振り返る会話の進め方(サッカーコーチの視点から)
試合後の数分間は、子どもにとって「成長のゴールデンタイム」です。
ここでどんな言葉をかけるかで、サッカーへのやる気や自己肯定感が大きく変わります。
このページでは、試合後に子どもとポジティブに振り返るための会話の流れを、年齢に応じてわかりやすく整理します。
1. まず共通の大事なポイント
年齢に関係なく、次の3つを意識すると、振り返りの時間がぐっと良くなります。
- 結果より「チャレンジ」と「プロセス」をほめる
「勝った・負けた」「点を取った・取れなかった」よりも、
「最後まで走り切った」「ボールを奪いに行った」「味方に声をかけた」などの行動を具体的にほめる。 - 子どもが先に話す時間をつくる
すぐにアドバイスをせず、「今日どうだった?」と子どもの言葉を引き出す。 - 反省は「次にどうする?」までセットで話す
「あそこはダメだったね」で終わらせず、「次はどうしようか?」と前向きな話で締める。
2. 年齢別・試合後のポジティブな会話の流れ
| 年齢 | 会話のポイント | 良い質問の例 | 避けたい声かけ |
|---|---|---|---|
| 幼児〜小学低学年 |
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| 小学中学年 |
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| 小学高学年〜中学生 |
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3. 幼児〜小学低学年向け:とにかく「楽しかった」を共有する
3-1. 会話の入り口はシンプルに
小さな子どもにとって、試合は「遊び」と「真剣さ」が混ざった特別な時間です。
まずは結果よりも「楽しかった気持ち」を一緒に味わうことが大切です。
おすすめの会話の流れ
- 「おつかれさま。がんばって走っていたね」とねぎらう
- 「今日は楽しかった?」と気持ちを聞く
- 「一番うれしかったプレーはどこ?」と良かった場面を引き出す
- 最後に「また一緒にがんばろうね」と前向きな一言で締める
3-2. ミスを責めず、「チャレンジしたこと」をほめる
たとえばシュートを外してしまった場面があっても、
「シュートを打とうとした勇気」「ゴールに向かって走った姿勢」を言葉にしてほめます。
声かけの例
- 「シュート外れちゃったけど、思いきって蹴ったのがよかったね」
- 「転んでもすぐに立ち上がってボールを追いかけていたのが素敵だったよ」
4. 小学中学年向け:一緒に「良かった点」と「次への一歩」を見つける
4-1. 良かったプレーを具体的に言葉にする
この年齢になると、自分のプレーを少し客観的に振り返れるようになります。
親やコーチの側からも、具体的に良かった点を伝えると、自信につながります。
会話の例
- 「右サイドでボールを奪ってから、味方にパスを出した場面、覚えてる?あれはとても良かったよ」
- 「守備のとき、何回も相手を追いかけてたね。ああいう動きはチームを助けているよ」
4-2. 反省は「1つだけ」に絞って、次の行動とセットにする
弱点や課題はいくつも見つかりますが、あれもこれも言うと子どもは混乱します。
「今日はここだけ意識しよう」と1つに絞ることで、前向きな振り返りになります。
流れの例
- 「良かったところ」を2〜3個一緒に出す
- 「次、もう少し良くしたいところ」を1つだけ挙げる
- 「じゃあ、次の練習で何をしてみようか?」と具体的な行動に落とし込む
質問の例
- 「今日の試合で、『ここはもっとこうしたかったな』ってところはある?」
- 「そのために、練習でできそうなことは何だと思う?」
5. 小学高学年〜中学生向け:自分で考え、言語化する力を育てる
5-1. 「評価」と「理由」をセットで聞く
高学年以降は、自分のプレーを点数で評価したり、理由を説明できるようになってきます。
試合後の会話では、「何点?」「なぜ?」という2つの問いが有効です。
質問の例
- 「今日の自分のプレーを10点満点でつけるとしたら何点?」
- 「その点数にした理由は?」
- 「チームとして上手くいったところと、うまくいかなかったところを1つずつ教えて」
5-2. 感情を受け止めたうえで、建設的な話に進める
負けた試合やミスが多かった試合のあと、子どもが不機嫌になったり、口数が少なくなることがあります。
そのときは、無理に話をさせようとせず、まず気持ちを受け止めることが大切です。
声かけの例
- 「今日は悔しい気持ちが大きいよね」
- 「落ち着いてからでいいから、話したくなったら教えて」
少し時間をおいて落ち着いたタイミングで、次のような質問につなげていきます。
- 「あの場面で、もう一つ別の選択肢があるとしたら、どんなプレーが考えられた?」
- 「今の自分に足りない部分を、練習でどう補っていけそう?」
6. 試合後の「一言」を決めておくと楽になる
忙しかったり、感情が揺れたりしているときでも、
毎回必ずかける「一言」を決めておくと、親やコーチ自身もぶれにくくなります。
おすすめの一言例
- 「最後までよく走ったね。おつかれさま」
- 「今日もチャレンジしていたところがあって良かったよ」
- 「うまくいかなかったところもあるけど、それも成長の材料だね」
7. まとめ:振り返りは「責める時間」ではなく「成長を確認する時間」
試合後の振り返りは、ミスを責める時間ではなく、
「できたこと」「チャレンジしたこと」「次に試してみたいこと」を一緒に見つけていく時間です。
- 年齢が低いほど「楽しかった?」「がんばったね」を大事にする
- 中学年では「良かった点」と「次への一歩」を一緒に整理する
- 高学年以降は「自分で考え、言葉にする力」を育てる質問を増やす
試合後の数分間の会話が、子どものサッカー人生を長く、楽しく続けるための大きな支えになります。
完璧な言葉でなくてかまいません。
「一緒に成長を喜ぶ時間」として、少しずつ会話のスタイルを育てていきましょう。