鬼ごっこなどの遊びで身体を温めるサッカー用ウォーミングアップ

投稿日:2025年12月3日  カテゴリー:怪我予防・競技力向上に効果的なウォーミングアップ

鬼ごっこなどの遊びで身体を温めるウォーミングアップ

1. 遊びを使ったウォーミングアップの目的

試合やトレーニングの前に、鬼ごっこなどの「遊び」を使ったウォーミングアップを行うことで、次のような効果が期待できます。

  • 体温と心拍数を上げる:全身を動かすことで血流が良くなり、筋肉や関節が動きやすくなる。
  • ケガの予防:筋肉が温まることで肉離れや捻挫などのリスクを減らす。
  • 反応スピード・瞬発力の準備:追いかける・逃げる動きが多く、方向転換やダッシュの準備になる。
  • コミュニケーションの活性化:仲間と声を出し合うことで、チームの雰囲気が明るくなり集中力も高まる。

単に「走るだけのアップ」ではなく、ゲーム性のある遊びを取り入れることで、集中力や楽しさも同時に引き出すことができます。

2. 代表的なウォーミングアップ用の遊び

ここでは、サッカーの前に行いやすい代表的な遊びを紹介します。人数やスペースに応じて組み合わせて使ってください。

2-1. 基本の鬼ごっこ

目的:全身運動で体温を上げる/ダッシュ・ストップ・方向転換の準備。

やり方:

  1. コーンなどで長方形のエリア(例:20m × 20m)を作る。
  2. 「鬼」を1〜2人決め、それ以外は逃げる役にする。
  3. 鬼はエリアの中で逃げる選手を追いかけ、タッチしたら役割交代、またはゼッケンなどで鬼を増やしていく。
  4. 30〜60秒を1セットとして、間に休憩をはさみながら2〜4セット行う。

ポイント:

  • 最初のセットは強度を低めにし、徐々にスピードを上げていく。
  • 急な減速時は膝を曲げて重心を低くし、滑らないようにする。
  • 鬼役・逃げる役をローテーションして、全員がバランスよく走れるようにする。

注意点:接触が増えすぎないようにエリアを広めに取り、転倒や衝突が起きないよう選手同士の距離感を意識させる。

2-2. ライン鬼ごっこ

目的:方向転換の質を高める/俊敏性とフットワークの準備。

やり方:

  1. グラウンドのライン(タッチライン・ゴールライン・センターライン)やコーンで作ったラインの上だけを走るルールにする。
  2. 鬼は1〜2人。全員がラインの上を走り、ラインから外れずに逃げる。
  3. 鬼にタッチされたら鬼と交代、または一定時間鬼役を続けてもらう。
  4. 1セット30〜45秒、2〜3セットを目安に行う。

ポイント:

  • 細かいステップで向きを変えることを意識させる。
  • 顔はできるだけ上げて、周りの選手の動きを見るように声かけをする。

注意点:ライン上にボールやコーンが散らばっていないかを確認し、転倒の原因になるものを取り除いてから始める。

2-3. 色鬼(カラーマーカー鬼ごっこ)

目的:瞬時の判断力・リアクションスピードの向上。

やり方:

  1. エリア内に赤・青・黄など、色の違うマーカーやビブスを数カ所に置く。
  2. 鬼を1〜2人決め、それ以外はエリア内を自由に動き回る。
  3. コーチが「赤!」「青!」など色をコールしたら、全員その色のマーカーにタッチしに行く。
  4. マーカーに向かう途中で鬼にタッチされたらアウト、もしくは鬼に交代。
  5. 色のコール間隔は5〜10秒おき、1セット30〜60秒を2〜3セット行う。

ポイント:

  • 最初は歩き~軽いジョグ、慣れてきたらダッシュを増やす。
  • コーチはコールするタイミングや色をランダムにして、予測しづらくする。

注意点:マーカーの数が少なすぎると衝突が増えるため、人数に合わせて十分な数を用意する。

2-4. ボール鬼ごっこ

目的:ボールに慣れながら身体を温める/ドリブルの準備。

やり方:

  1. 選手全員にボールを1個ずつ持たせ、エリア内を自由にドリブルさせる。
  2. 鬼を1〜2人決め、鬼もボールをドリブルしながら追いかける。
  3. 鬼は、相手のボールを軽くタッチする、またはボールを奪えたら成功とする。
  4. タッチされた選手はその場で5回足踏みしてから再スタート、など簡単なペナルティを決めておく。
  5. 1セット30〜45秒を2〜3セット行う。

ポイント:

  • 顔を上げて周りを見ながらドリブルすることを意識させる。
  • 利き足だけでなく、両足を使ってボールをコントロールする。

注意点:強く蹴りすぎて他の選手に当てないように、「優しくコントロールする」ことを事前に共有する。

3. 種目別まとめ(目的・強度の目安)

種目 主な目的 人数・時間の目安 強度・ポイント
基本の鬼ごっこ 全身を使って体温と心拍数を上げる 8〜20人/30〜60秒×2〜4セット 最初は軽め→後半でダッシュを増やす
ライン鬼ごっこ 俊敏性・方向転換の準備 8〜16人/30〜45秒×2〜3セット 細かいステップと姿勢の低さを意識
色鬼(カラーマーカー) 判断スピード・リアクションの向上 8〜20人/30〜60秒×2〜3セット コールをランダムにして反応を引き出す
ボール鬼ごっこ ボールタッチと視野の確保 8〜18人/30〜45秒×2〜3セット 顔を上げてドリブル/強く蹴りすぎない

4. 全体を通しての注意点

  • 強度のコントロール:最初から全力で走らせず、徐々にスピードと切り返しの回数を増やしていく。
  • 時間の管理:遊びに夢中になるとオーバーワークになりやすいので、1種目あたり5〜8分程度を目安にする。
  • 安全面のチェック:地面の状態(ぬかるみ・石・穴)や周囲の障害物を事前に確認し、転倒・衝突を防ぐ。
  • 水分補給:暑い時期は短いインターバルでもこまめに水分補給の時間を入れる。
  • 次のメニューへのつなぎ:遊びの動きから、そのままラダーやステップワーク、ボールを使ったパス練習などにスムーズに移行できるように構成する。

鬼ごっこなどの遊びを上手に取り入れることで、選手の身体だけでなく、心も試合モードに切り替えることができます。チームの年齢やレベルに合わせてルールを調整し、楽しく効果的なウォーミングアップを作っていきましょう。

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