肩・腕まわりのダイナミックストレッチ|目的・やり方・ポイント・注意点

投稿日:2025年12月4日  カテゴリー:怪我予防・競技力向上に効果的なウォーミングアップ

肩・腕まわりのダイナミックストレッチ|目的・やり方・ポイント・注意点

ダイナミックストレッチは、体を動かしながら筋肉と関節を温めるストレッチです。
サッカーでは、肩・腕まわりの動きがスムーズだと、スプリント時の腕振り、競り合い、転倒したあとのリカバリーなどが安定します。
ここでは「肩関節」と「腕(上腕・前腕)」にフォーカスし、代表的なダイナミックストレッチをまとめます。

1. 肩まわりのダイナミックストレッチ

① アームサークル(前回し・後ろ回し)

目的

  • 肩関節の可動域を広げ、スムーズな腕振りをつくる。
  • 肩まわりの筋肉(三角筋・僧帽筋など)を温め、スローインやヘディング時の負担を減らす。
  • 首や肩のこわばりをほぐし、姿勢を整える。

やり方

  1. 足を肩幅に開いて立ち、背すじを伸ばす。
  2. 片腕を真横から上に大きく回し、前方向にぐるりと円を描く。
  3. 前回しを10〜15回行ったら、同じ腕で後ろ回しを10〜15回行う。
  4. 反対側の腕も同じように行う。
  5. 慣れてきたら、両腕同時に前回し・後ろ回しも行う。

ポイント

  • 肩だけでなく、肩甲骨がしっかり動くように意識する。
  • 肘を伸ばしすぎず、軽くゆとりを持たせて円を描く。
  • 呼吸を止めず、リズミカルに一定のスピードで回す。

注意点

  • 勢い任せに速く回しすぎない(肩を痛める原因になる)。
  • 首や肩に鋭い痛みを感じたら、すぐに回数・振り幅を減らすか中止する。
  • 周りの選手とぶつからないように、スペースを確保して行う。
項目 内容
目的 肩関節と肩甲骨の動きを高め、腕振り・スローイン・ヘディングをスムーズにする。
やり方 立位で片腕ずつ大きな円を描くように前回し・後ろ回しを各10〜15回。慣れたら両腕同時も行う。
ポイント 肩甲骨から動かす意識を持つ。肘を軽くゆるめ、リズムよく呼吸を止めずに回す。
注意点 勢い任せに振り回さない。痛みが出たら振り幅を小さくする。周囲との接触に注意する。

② クロスアームスイング(胸前クロス+開く動き)

目的

  • 肩前面〜胸、肩後面〜背中をリズムよく動かしてほぐす。
  • 走るときの腕振りの振り幅をチェック・調整する。
  • 猫背姿勢を改善し、上体を起こしたフォームをつくる。

やり方

  1. 足を肩幅に開いて立ち、両腕を肩の高さで左右に伸ばす。
  2. 両腕を前で交差させるように振り、手の甲どうしを軽く合わせる。
  3. 次に、胸を張りながら両腕を左右へ大きく開く
  4. 「前でクロス → 横に開く」をリズミカルに20〜30回繰り返す。

ポイント

  • 腕だけでなく、胸と肩甲骨の動きを意識する。
  • クロスする位置は胸の前あたりで、力を入れて叩きつけない。
  • 肩がすくまないように、首を長く保つイメージで行う。

注意点

  • 速くやりすぎると筋肉をぶつけて痛めるので、最初は中くらいのスピードから始める。
  • 肩に違和感がある場合は、振り幅を小さくして調整する。
  • 前後左右の選手との距離を確認してから行う。
項目 内容
目的 肩・胸・背中を同時に動かし、腕振りの可動域を広げて姿勢を整える。
やり方 腕を肩の高さで伸ばし、「胸前でクロス→左右に開く」を20〜30回リズミカルに繰り返す。
ポイント 胸を張り、肩甲骨を寄せる意識で行う。肩がすくまないよう首を長く保つ。
注意点 勢いをつけすぎて腕を強くぶつけない。痛みがある側は振り幅を小さくする。

2. 腕(上腕・前腕)のダイナミックストレッチ

① エルボーサークル(肘回し)

目的

  • 肘関節と前腕の動きをスムーズにし、転倒時の手つきや競り合いでの力の伝達を良くする。
  • 前腕の張りを軽くし、ボールコントロール時の腕の力みを減らす。
  • スローイン動作の準備を整える。

やり方

  1. 両腕を前に出し、肘を90度程度に曲げる(拳は軽く握る)。
  2. 肘を中心に、前腕で円を描くように外回しを10〜15回行う。
  3. 続けて、同じ要領で内回しを10〜15回行う。
  4. 動きに慣れてきたら、両腕同時に行い、リズムよく回す。

ポイント

  • 肩は力を抜き、前腕だけが回る感覚をつかむ。
  • 手首も一緒に柔らかく動かし、固めない。
  • 拳は軽く握る程度にし、必要以上に力を入れない。

注意点

  • 肘や手首に痛みがある場合は、回数と振り幅を減らす。
  • 速く回しすぎると関節に負担がかかるため、コントロールできるスピードで行う。
  • 隣の選手の腕とぶつからないように、間隔をあけて行う。
項目 内容
目的 肘・前腕の可動域を高め、転倒時の手つきやスローインの準備を行う。
やり方 肘を90度に曲げ、前腕で円を描くように外回し・内回しを各10〜15回行う。
ポイント 肩の力を抜き、前腕と手首を柔らかく動かす。拳は軽く握る。
注意点 痛みがある場合は回数と振り幅を減らす。速く回しすぎて関節に負担をかけない。

② アームドライブ(その場腕振り)

目的

  • スプリント時の腕振りを再現し、肩〜腕〜体幹の連動を高める。
  • 試合前にリズム感とテンポを整え、スタートの反応を良くする。
  • 上半身の力みを取って、自然なフォームに近づける。

やり方

  1. 片足を半歩前に出し、軽く前傾姿勢をとる(短距離走のスタート前のような姿勢)。
  2. 肘を90度程度に曲げ、片腕を前、反対の腕を後ろに構える。
  3. そこから素早く腕を前後に振る。肩からではなく、肘を後ろに引く意識で行う。
  4. 20〜30回(または5〜10秒)を1セットとして、2〜3セット行う。

ポイント

  • 肘は体の真横より少し内側を通すイメージで、前後にまっすぐ振る。
  • 肩に力を入れすぎず、リラックスして振る。
  • 腕振りに合わせて、軽く足踏みを入れてもよい。

注意点

  • 上半身だけでバタバタ振らず、体幹を安定させて行う。
  • 首や肩に力が入りすぎていると感じたら、いったん力を抜いてから再開する。
  • 周りに人がいないスペースで行い、接触を避ける。
項目 内容
目的 スプリント用の腕振りを整え、肩・腕・体幹の連動とリズム感を高める。
やり方 前傾姿勢で肘を90度に曲げ、腕を前後に素早く振る。20〜30回(5〜10秒)を2〜3セット。
ポイント 肘を後ろに引く意識で、肩の力を抜いて振る。必要に応じて軽い足踏みを加える。
注意点 体幹を安定させ、上半身だけでバタつかない。首・肩に力が入りすぎないよう注意する。

まとめ

肩・腕まわりのダイナミックストレッチは、スプリント、スローイン、ヘディング、競り合いなど、サッカーのあらゆる動きを支える土台になります。
ウォームアップに取り入れることで、上半身の可動域とリズムが整い、プレー全体のパフォーマンスアップとケガ予防につながります。

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