クールダウンを続けることで体が変わっていくという意識づけの大切さ

投稿日:2025年12月9日  カテゴリー:疲労を回復し、筋肉のバランスを整えるクールダウン

クールダウンを続けることで体が変わっていくという意識づけの大切さ

トレーニングや試合のあとに行うクールダウンは、「その日の疲れをとるための作業」にとどまりません。毎回欠かさず続けることで、少しずつ体の状態が変化し、シーズンを通して大きな差となって表れます。ここでは、クールダウンを継続することへの意識づけをテーマに、その目的、具体的なやり方、ポイント、注意点を整理します。

1. クールダウン継続の目的

目的 内容
疲労の蓄積を防ぐ 毎回しっかりとクールダウンを行うことで、筋肉内に残る疲労物質や張りを減らし、翌日以降に疲労を持ち越さない習慣を作る。
柔軟性・可動域の維持向上 トレーニング後の筋肉は硬くなりやすい。継続的なストレッチにより、関節可動域を少しずつ広げ、動きの質を高める。
ケガの予防 筋肉の張りやアンバランスを毎回リセットすることで、肉離れや関節障害などのリスクを減らす。
コンディションの安定 「トレーニング 〜 クールダウン」の一連の流れをルーティン化することで、体調やパフォーマンスの波を小さくし、安定した状態を保ちやすくする。
セルフマネジメント能力の向上 自分の体を自分で整える意識が高まり、プロ選手に必要な自己管理能力の土台になる。

2. 意識づけのためのクールダウンのやり方

「何となくやる」ではなく、「体を変える時間」としてクールダウンを位置づけることが重要です。

  • トレーニングメニューの中に、あらかじめクールダウンの時間(10〜15分)を固定で組み込む
  • ジョグやウォーキングで心拍数を落ち着かせたあと、下半身・上半身・体幹の順にストレッチを行う。
  • 同じ流れを毎回繰り返し、ルーティンとして体に覚えさせる。
  • 週に数回、自分の体の変化(可動域、筋肉の張り、翌日の疲労感など)をメモしておく。
  • チーム全体で「クールダウンまでが練習」という共通認識を持ち、誰も途中で抜けないルールにする。

2-1. 意識を定着させるための工夫

工夫 具体例
言葉によるスイッチ クールダウン開始時に「ここから体を整える時間」「ここから回復モード」と声をかけ、意識を切り替える。
簡単な記録 「今日はハムストリングが硬い」「股関節が軽い」など、感じたことを一言メモして体の変化を見える化する。
ペアストレッチ ペアでストレッチを行い、声をかけ合いながら実施することで、サボりにくく継続しやすい環境を作る。
成功体験の共有 「クールダウンを続けたら翌日のだるさが減った」「肉離れが減った」などの実感をチームで共有し、意欲を高める。

3. クールダウン継続のポイント

  • 短くてもいいので必ず行うことを優先する。時間がない日は5分だけでも実施し、「ゼロの日」を作らない。
  • その日のトレーニング内容に合わせて、特に負荷がかかった部位(スプリントが多ければハムストリング、ジャンプが多ければふくらはぎなど)を重点的に伸ばす。
  • 呼吸を止めず、伸ばしている筋肉に意識を向けながら、リラックスした状態で行う。
  • 痛みが強く出る手前の「気持ちよく伸びている範囲」で止め、反動を使わない。
  • 「今日のクールダウンが、数週間後・数か月後のコンディションを作る」というイメージを持つ。

3-1. メンタル面でのポイント

ポイント 内容
結果よりプロセスを重視する 柔軟性や疲労感の変化はすぐには現れなくても、「続けていること自体」に価値があると認識する。
習慣化を最優先する 完璧さを求めるよりも、「毎回やる」ことを最優先にし、多少の質のばらつきは許容する。
小さな変化を見逃さない 「太ももの張りが軽い」「寝つきがよくなった」など、わずかな変化に気づくことで継続のモチベーションが上がる。
自分の体を信じる 「続ければ必ず体は応えてくれる」という前向きなイメージを持ち、クールダウンをポジティブな時間として捉える。

4. クールダウン継続の注意点

項目 注意点
痛みがある部位 鋭い痛みや違和感が強い部位は、無理に伸ばさない。アイシングやトレーナーへの相談を優先する。
疲労が極端に強いとき 体調が明らかに悪い場合は、軽めのストレッチや呼吸法にとどめ、医療スタッフや指導者の判断を仰ぐ。
フォームの乱れ 適当な姿勢でストレッチを続けると、狙った筋肉が伸びず、時間だけかかって効果が薄くなる。姿勢を確認しながら行う。
ルーティンのマンネリ化 同じメニューだけでは意識が薄れやすい。月に1回程度、種目の順番や内容を一部入れ替え、集中力をリセットする。

5. 「体が変わっていく」感覚をつかむために

  • 週ごと・月ごとに、前屈・開脚・スクワットの深さなど、簡単なチェックを行い、写真や動画で記録して比較する。
  • 試合前後の疲労感や、連戦時のコンディションをメモし、クールダウンの有無との関係を振り返る。
  • トレーナーやコーチと定期的にコンディションについて話し合い、客観的な評価も取り入れる。
  • シーズンの終わりに「クールダウン継続の成果」として、自分なりに振り返りを行い、次のシーズンへの課題とセットで整理する。

クールダウンは、その日のトレーニングを「やりっぱなし」にしないための重要な時間です。毎回丁寧に続けることで、体は少しずつ整い、ケガの少ない安定したコンディションへと変化していきます。「クールダウンを続けることで体が変わる」という意識を持ち、一つ一つの動きを大切に積み重ねていきましょう。

クールダウンに役立つツール

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