スポーツ選手にとって「栄養バランス」が大切な理由と、具体的な食べ方のポイント

投稿日:2025年12月12日  カテゴリー:栄養素が身体に及ぼす役割

スポーツ選手にとって「栄養バランス」が大切な理由と、具体的な食べ方のポイント

サッカーをはじめとしたスポーツで力を発揮するためには、「たくさん食べること」だけでなく、栄養バランスが非常に重要です。エネルギー源になる栄養、筋肉や血液をつくる栄養、体の調子を整える栄養など、それぞれの役割が違うため、特定のものだけを多くとってもパフォーマンスは安定しません。

ここでは、スポーツをする子どもの体を支える「栄養バランス」の考え方について、体にとっての役割・含まれる食べ物・取りすぎや不足の注意点を整理して解説します。

1. スポーツに必要な栄養素は大きく分けて5つ

スポーツ選手の食事で意識したい栄養素を大きく分けると、次の5つになります。

  • 炭水化物(エネルギー源)
  • たんぱく質(筋肉・血液・ホルモンの材料)
  • 脂質(エネルギー源・ホルモン・細胞膜の材料)
  • ビタミン・ミネラル(体の調子を整える)
  • 水分(体温調節・血液循環・代謝のベース)

どれか一つだけを増やしたり極端に減らしたりすると、パフォーマンス低下やケガのリスクが高まるため、「偏らないこと」=バランスが大切になります。

2. 主要な栄養素ごとの役割・食品例・注意点

栄養素 体での主な役割 多く含まれる食品例 不足・取りすぎの注意点
炭水化物 ・試合や練習で使うエネルギー源
・筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられ、ダッシュや走り続ける力を支える
・ごはん、パン、麺類(うどん・パスタなど)
・いも類(じゃがいも・さつまいも)
・果物(バナナなど)
<不足すると>
・すぐにバテる、後半で動けなくなる
・集中力の低下、判断スピードの低下
<取りすぎると>
・運動量に対して多すぎると体重増加につながる
・甘いジュース・菓子類からの過剰摂取は血糖値の乱高下を招きやすい
たんぱく質 ・筋肉、骨、血液、ホルモン、酵素の材料
・トレーニング後の回復と筋肉の修復・強化に欠かせない
・肉(鶏肉・牛肉・豚肉)
・魚(鮭・サバ・ツナなど)
・卵、牛乳・ヨーグルト・チーズ
・大豆製品(豆腐、納豆、豆乳)
<不足すると>
・筋肉がつきにくい、筋力が伸びない
・ケガからの回復が遅くなる
<取りすぎると>
・極端な高たんぱく+脂質過多で体重増加の原因
・サプリメントだけに頼ると、ビタミン・ミネラルや食物繊維が不足しやすい
脂質 ・長時間運動でのエネルギー源
・ホルモンや細胞膜の材料
・脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収を助ける
・良質な油(オリーブオイル、菜種油など)
・魚の脂(サバ、サンマ、イワシなど)
・ナッツ類、アボカド
・肉の脂身やバター、揚げ物(取り方に注意)
<不足すると>
・エネルギー不足でスタミナが落ちる
・ホルモンバランスの乱れにつながる可能性
<取りすぎると>
・揚げ物やスナック中心だと体脂肪増加の原因
・胃もたれや消化不良で試合前のパフォーマンス低下
ビタミン・ミネラル ・エネルギー産生のサポート
・筋肉の収縮・神経伝達の調整
・疲労回復・免疫力維持
・野菜全般(緑黄色野菜、根菜、きのこ類)
・果物(みかん、キウイ、バナナなど)
・海藻類、小魚、乳製品(カルシウム源)
・赤身肉、レバー(鉄分)
<不足すると>
・疲れやすい、足がつりやすい
・貧血気味で走ると息が上がる
<取りすぎると>
・通常の食事からの過剰はほとんど問題になりにくい
・サプリメントの高用量摂取はバランスを崩すことがある
水分 ・体温調節(汗として熱を逃がす)
・血液循環をスムーズにする
・栄養や老廃物の運搬を助ける
・水、お茶(糖分の少ないもの)
・スポーツドリンク(状況に応じて)
・味噌汁、スープ、果物など
<不足すると>
・脱水によるパフォーマンス低下、集中力低下
・熱中症のリスク増加
<取りすぎると>
・一度に大量に飲むと胃が重くなり動きにくい
・極端な水だけの大量摂取は電解質バランスを崩すことがある

3. 「バランスが良い食事」の基本イメージ

スポーツをする子どもの日常の食事で意識したいのは、一食の中にできるだけ多くの栄養素をそろえることです。シンプルに言えば、

  • 主食:ごはん・パン・麺など(炭水化物)
  • 主菜:肉・魚・卵・大豆製品など(たんぱく質と脂質)
  • 副菜:野菜・きのこ・海藻など(ビタミン・ミネラル・食物繊維)
  • プラスα:乳製品や果物などで不足しやすい栄養を補う

という構成を意識すると、自然とバランスが整いやすくなります。

4. よくある「偏り」と、そのリスク

① 炭水化物不足で「根性はあるのに後半バテる」

体づくりを意識するあまり、ごはんやパンを減らしすぎると、プレー中のエネルギーが足りず、

  • 前半は動けても、後半になると極端に走れなくなる
  • 判断が遅くなる、集中力が切れる

といった状態になりやすくなります。体重コントロールが必要な時期でも、練習量に見合った炭水化物をしっかり確保することが重要です。

② たんぱく質不足で「筋トレしているのに変化が出ない」

走り込みや筋トレをがんばっているのに、筋肉量やパワーが思うように伸びない場合、たんぱく質摂取量やタイミングが不足していることがあります。特に、

  • 朝食にたんぱく質が少ない
  • 練習後に何も食べない時間が長い

といったパターンは要注意です。

③ 脂質・甘いもののとりすぎで「キレが落ちる」

揚げ物やお菓子、ジュースが多くなると、エネルギーは余っていても体が重く感じたり、コンディションが安定しにくくなります。完全にゼロにする必要はありませんが、「頻度」と「量」をコントロールすること」がポイントです。

5. バランスを整えるための実践的な工夫

① 「何を足すか」で考える

「これはダメ」「あれは食べない」ではなく、

  • 主食+主菜だけの食事に「野菜の小鉢」を足す
  • パンだけの朝食に「ヨーグルト+果物」を足す

といったように、足りない栄養を一品足す感覚で整えていくと、ストレスなくバランスを改善できます。

② 試合や練習の前後で「優先する栄養」を変える

  • 試合・練習前:消化の良い炭水化物中心(おにぎり・バナナ・うどんなど)
  • 練習後:炭水化物+たんぱく質(ごはん+肉・魚・卵・大豆製品)

といったように、タイミングごとに何を優先するかを意識すると、回復とパフォーマンス向上につながります。

③ サプリメントは「足りない部分の補助」として考える

プロテインや各種サプリメントは便利ですが、基本はあくまで日常の食事です。土台の食事バランスが崩れているままサプリだけに頼ると、かえって栄養バランスが偏ることもあります。

6. まとめ:栄養バランスは「毎日の積み重ね」で決まる

栄養は、「これだけ飲めば・これだけ食べれば一気に強くなる」といったものではなく、毎日の食事の積み重ねが体とプレーをつくります。

  • 炭水化物でエネルギーを確保する
  • たんぱく質で筋肉や体の材料を補う
  • 脂質・ビタミン・ミネラル・水分で体の調子を整える

このすべてがそろって、初めてサッカーでのパフォーマンスが安定します。特定の食品や栄養素に偏るのではなく、「主食・主菜・副菜+乳製品や果物」を意識したバランスを日々の食事で整えていくことが、長くプレーを楽しみ、ケガを防ぎながら成長していくための土台になります。

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