たんぱく質の役割と上手なとり方ガイド(スポーツをする人向け)
1. たんぱく質とは?
たんぱく質は、筋肉・骨・内臓・皮ふ・髪・つめ・ホルモン・酵素など、
体のほとんどすべてをつくる「材料」となる栄養素です。
また、運動で傷ついた筋肉を修復し、強く太くしていくためにも欠かせません。
2. 体の中での主な役割
| 役割 | 具体的な働き |
|---|---|
| 筋肉・骨・内臓の材料 | 筋肉や骨、心臓・肺などの内臓、血管、皮ふなど体の「部品」をつくる。 |
| 酵素・ホルモンの材料 | 消化を助ける酵素や、成長ホルモン・インスリンなど体の調整役の材料になる。 |
| 免疫(めんえき)を支える | ウイルスや細菌と戦う「抗体(こうたい)」もたんぱく質からつくられ、病気から体を守る。 |
| エネルギー源 | 足りないときには、1gあたり約4kcalのエネルギーとしても使われる。 |
| 疲労回復をサポート | 運動で傷ついた筋肉を修復し、コンディションを整える役割がある。 |
3. たんぱく質を多くふくむ食べ物
いろいろな食品からバランスよくとることが大切です。
| 食品グループ | 具体例 | ポイント |
|---|---|---|
| 肉類 | 鶏むね肉、ささみ、豚ヒレ、牛もも など | 高たんぱくで筋肉づくりに役立つ。脂身の少ない部分を選ぶとカロリーを抑えやすい。 |
| 魚介類 | さけ、さば、まぐろ、いわし、えび など | 良質なたんぱく質にくわえ、DHA・EPAなどの脂質もとれる。 |
| 卵 | 鶏卵(ゆで卵、目玉焼き、オムレツなど) | アミノ酸バランスがとても良い「優秀なたんぱく源」。1日1〜2個なら問題なくとりやすい。 |
| 大豆製品 | 豆腐、納豆、厚揚げ、きなこ、豆乳 など | 植物性たんぱく質。肉類が少ない食事の日に意識してとりたい。 |
| 乳製品 | 牛乳、ヨーグルト、チーズ、プロテインヨーグルト など | たんぱく質といっしょにカルシウムもとれる。間食に使いやすい。 |
| その他 | プロテインパウダー、ナッツ類(アーモンド等) など | 食事だけで足りないときに補助として利用するイメージ。 |
4. 1日にどれくらい必要?(目安)
必要量は体重や運動量によって変わりますが、おおよその目安は次の通りです。
- ふつうに生活している人:体重1kgあたり 約0.9〜1.0g/日
- 運動量が多い人・スポーツ選手:体重1kgあたり 約1.2〜2.0g/日
例)体重60kgで部活やクラブでしっかり練習している人なら、だいたい
70〜100g前後/日 が目安になります。
1回で大量にとるよりも、朝・昼・夕・間食などに分けてこまめにとると、筋肉づくりに役立ちます。
5. 不足したときの注意点
- 筋肉量が増えにくく、筋力アップに時間がかかる。
- 運動後の疲れがぬけにくく、けがのリスクが上がることがある。
- 髪やつめが弱くなったり、肌あれが起こりやすくなる。
- 免疫力が下がり、風邪などの感染症にかかりやすくなるおそれがある。
「炭水化物中心でおかずが少ない」「朝食を抜くことが多い」「肉や魚をあまり食べない」 といった食生活だと、不足しやすくなります。
6. とりすぎたときの注意点
- 必要以上にとった分は、エネルギーとして使われたり、脂肪として体にたまる。
- 肉の食べすぎで脂質やカロリーが増え、体重増加や生活習慣病のリスクが高まる。
- 極端な高たんぱく・低糖質食は、エネルギー不足や体調不良につながることがある。
- 腎臓に負担をかける可能性があるため、もともと腎臓の病気がある人は医師に相談が必要。
「たんぱく質さえとればいい」というわけではなく、炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルと バランスよくとることが大切です。
7. 上手にとるためのポイント
- 毎食、主菜(肉・魚・卵・大豆製品など)を1品は入れる。
- 朝食にもたんぱく質を入れる(例:卵+ヨーグルト、納豆+牛乳など)。
- 運動後30〜60分以内に、主食(ごはん・パン等)+たんぱく質をとると、筋肉の回復に役立つ。
- 食事だけで足りないときや食欲がないときは、牛乳・ヨーグルト・プロテインなどを補助的に使う。
- 油の多い肉ばかりでなく、魚や大豆製品も組み合わせて、脂質のとりすぎを防ぐ。
たんぱく質は、強い体づくりやパフォーマンスアップのための「土台」になる栄養素です。
量だけでなく、どの食品から・どのタイミングでとるかも意識して、日ごろの食事を整えていきましょう。