たんぱく質の役割と上手なとり方ガイド(スポーツをする人向け)

投稿日:2025年12月13日  カテゴリー:栄養素が身体に及ぼす役割

たんぱく質の役割と上手なとり方ガイド(スポーツをする人向け)

1. たんぱく質とは?

たんぱく質は、筋肉・骨・内臓・皮ふ・髪・つめ・ホルモン・酵素など、 体のほとんどすべてをつくる「材料」となる栄養素です。
また、運動で傷ついた筋肉を修復し、強く太くしていくためにも欠かせません。

2. 体の中での主な役割

役割 具体的な働き
筋肉・骨・内臓の材料 筋肉や骨、心臓・肺などの内臓、血管、皮ふなど体の「部品」をつくる。
酵素・ホルモンの材料 消化を助ける酵素や、成長ホルモン・インスリンなど体の調整役の材料になる。
免疫(めんえき)を支える ウイルスや細菌と戦う「抗体(こうたい)」もたんぱく質からつくられ、病気から体を守る。
エネルギー源 足りないときには、1gあたり約4kcalのエネルギーとしても使われる。
疲労回復をサポート 運動で傷ついた筋肉を修復し、コンディションを整える役割がある。

3. たんぱく質を多くふくむ食べ物

いろいろな食品からバランスよくとることが大切です。

食品グループ 具体例 ポイント
肉類 鶏むね肉、ささみ、豚ヒレ、牛もも など 高たんぱくで筋肉づくりに役立つ。脂身の少ない部分を選ぶとカロリーを抑えやすい。
魚介類 さけ、さば、まぐろ、いわし、えび など 良質なたんぱく質にくわえ、DHA・EPAなどの脂質もとれる。
鶏卵(ゆで卵、目玉焼き、オムレツなど) アミノ酸バランスがとても良い「優秀なたんぱく源」。1日1〜2個なら問題なくとりやすい。
大豆製品 豆腐、納豆、厚揚げ、きなこ、豆乳 など 植物性たんぱく質。肉類が少ない食事の日に意識してとりたい。
乳製品 牛乳、ヨーグルト、チーズ、プロテインヨーグルト など たんぱく質といっしょにカルシウムもとれる。間食に使いやすい。
その他 プロテインパウダー、ナッツ類(アーモンド等) など 食事だけで足りないときに補助として利用するイメージ。

4. 1日にどれくらい必要?(目安)

必要量は体重や運動量によって変わりますが、おおよその目安は次の通りです。

  • ふつうに生活している人:体重1kgあたり 約0.9〜1.0g/日
  • 運動量が多い人・スポーツ選手:体重1kgあたり 約1.2〜2.0g/日

例)体重60kgで部活やクラブでしっかり練習している人なら、だいたい 70〜100g前後/日 が目安になります。
1回で大量にとるよりも、朝・昼・夕・間食などに分けてこまめにとると、筋肉づくりに役立ちます。

5. 不足したときの注意点

  • 筋肉量が増えにくく、筋力アップに時間がかかる。
  • 運動後の疲れがぬけにくく、けがのリスクが上がることがある。
  • 髪やつめが弱くなったり、肌あれが起こりやすくなる。
  • 免疫力が下がり、風邪などの感染症にかかりやすくなるおそれがある。

「炭水化物中心でおかずが少ない」「朝食を抜くことが多い」「肉や魚をあまり食べない」 といった食生活だと、不足しやすくなります。

6. とりすぎたときの注意点

  • 必要以上にとった分は、エネルギーとして使われたり、脂肪として体にたまる。
  • 肉の食べすぎで脂質やカロリーが増え、体重増加や生活習慣病のリスクが高まる。
  • 極端な高たんぱく・低糖質食は、エネルギー不足や体調不良につながることがある。
  • 腎臓に負担をかける可能性があるため、もともと腎臓の病気がある人は医師に相談が必要。

「たんぱく質さえとればいい」というわけではなく、炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルと バランスよくとることが大切です。

7. 上手にとるためのポイント

  • 毎食、主菜(肉・魚・卵・大豆製品など)を1品は入れる。
  • 朝食にもたんぱく質を入れる(例:卵+ヨーグルト、納豆+牛乳など)。
  • 運動後30〜60分以内に、主食(ごはん・パン等)+たんぱく質をとると、筋肉の回復に役立つ。
  • 食事だけで足りないときや食欲がないときは、牛乳・ヨーグルト・プロテインなどを補助的に使う。
  • 油の多い肉ばかりでなく、魚や大豆製品も組み合わせて、脂質のとりすぎを防ぐ。

たんぱく質は、強い体づくりやパフォーマンスアップのための「土台」になる栄養素です。
量だけでなく、どの食品から・どのタイミングでとるかも意識して、日ごろの食事を整えていきましょう。

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