「その練習、意味ない」は逆効果|挑戦意欲と自己効力感を守る“改善を一緒に考える”声かけ例

投稿日:2025年12月13日  カテゴリー:子供のモチベーションを下げる親が言ってはいけない言葉

「その練習、意味ない」は逆効果|挑戦意欲と自己効力感を守る“改善を一緒に考える”声かけ例

サッカーの現場では、選手の成長を願うほど指導が強くなりがちです。しかし「その練習のやり方はダメ」「意味ない」 といった否定型の言い方は、短期的には従わせられても、長期的には挑戦意欲自己効力感(やればできる感覚)を下げ、 自主性・継続・成長速度を鈍らせることがあります。ここでは、その理由と、改善点を“選手と一緒に考える”ための声かけ例を具体的に紹介します。

否定する言い方が逆効果になりやすい理由

起こること 心理的メカニズム 現場での結果
自己効力感が下がる 「やり方がダメ」→「自分がダメ」と解釈しやすい。成功の見通しが立たなくなる 挑戦を避ける、無難なプレーが増える、練習の質が落ちる
内発的動機づけが落ちる 否定が続くと「怒られないためにやる」になり、楽しさ・探究心が減る 言われたことだけやる、工夫が消える、伸びしろが縮む
学習が“防衛モード”になる 脳は脅威を感じると失敗回避を優先し、注意が狭くなる(ミスの再発) 判断が遅れる、視野が狭くなる、試合で縮こまる
フィードバックの受容が落ちる 人格否定に近い形だと、内容より感情が先に立つ(反発・萎縮) 聞いているようで入らない、改善が進まない
挑戦の“損得”が悪化する 挑戦→失敗→否定、の経験が増えると「挑戦=損」になる 新しいプレーに手を出さない、成長が止まる

否定が強い指導がもたらす「選手の行動変化」

表に出る行動 内側で起きていること コーチが見落としやすい点
積極性が消える ミスを恐れて“安全策”を選ぶ やる気がないのではなく、リスク評価が変わっている
質問しなくなる 「聞くと否定される」学習 理解不足が放置される
練習の工夫がなくなる 自分で考えるほど損だと感じる 伸びる選手ほど“試行錯誤”が武器なのに奪ってしまう
表情が硬くなる 評価され続けて緊張が慢性化 スキル不足ではなく“メンタル負荷”の可能性

改善点を一緒に考える声かけの基本フレーム

目的は「間違い探し」ではなく、次の一歩を具体化して成功確率を上げることです。 否定の代わりに、次の流れを使うとコミュニケーションが安定します。

ステップ 狙い 声かけ例
① 事実の確認 感情で断定せず、観察ベースに戻す 「今の場面、最初のタッチが少し大きくなったね」
② 意図を聞く 選手の狙いを尊重し、対話の土台を作る 「今のプレー、何を狙ってた?」
③ 良かった点を固定 自己効力感を守り、再現性を高める 「判断は速かった。そこはすごく良い」
④ 改善を1点に絞る 情報過多を防ぎ、成功体験を作る 「次は“足首を固めて”タッチを小さくしよう」
⑤ 次のトライ条件を決める 成功の定義を明確化する 「次の3本は“ボールを足元から30cm以内”で」
⑥ 一緒に振り返る 学習を定着させる 「今の3本、どれが一番良かった?理由は?」

否定型 → 改善協働型:言い換え例(そのまま使える)

NG(否定型) OK(協働型) 狙い
「その練習、意味ない」 「目的をはっきりさせよう。今の練習で伸ばしたいのは何?」 練習の意図を言語化し、主体性を引き出す
「やり方が違う」 「狙いはいい。精度を上げるなら、ここを少し変えよう」 価値を認めつつ修正点を提示
「だからダメなんだ」 「ここを整えると成功率が上がる。次はこの条件で試そう」 人格否定を避け、手段にフォーカス
「もっとちゃんとやれ」 「“ちゃんと”を具体化しよう。今は何を1つ改善する?」 曖昧さをなくし、行動に落とす
「同じミスばっかり」 「ミスの型が見えてきた。次は“最初の準備”を変えてみよう」 ミスを学習材料に変える
「センスない」 「センスより手順。判断の前に“見る場所”を決めよう」 能力固定ではなくスキル習得へ誘導

場面別:改善点を一緒に考える声かけ例

1)技術練習(トラップ・パス)の場合

場面 声かけ 次の一手(具体化)
トラップが大きい 「判断は速い。次は“足首を固める”だけ意識してみよう」 「3回連続で足元30cm以内に止める」
パスがずれる 「狙いは合ってる。軸足の向きを合わせたら精度が上がる」 「軸足のつま先をターゲットへ。次の5本で確認」

2)判断(プレー選択)の場合

場面 声かけ 次の一手(具体化)
ドリブルに偏る 「仕掛ける姿勢は強み。次は“1回見る→判断”を挟もう」 「受ける前に1回首を振る。成功した回数を数える」
縦パスが出ない 「失わない判断も大事。縦の条件が揃ったら1回だけ挑戦しよう」 「前向き+相手の間が空いたら1回トライ」

3)努力・姿勢(練習態度)の場合

場面 NGになりやすい言い方 協働型の声かけ
集中が切れている 「集中しろ」 「今の集中度は10点中いくつ?1点上げるなら何を変える?」
反復が雑 「適当にやるな」 「丁寧さの基準を決めよう。今日は“ここだけ”守る」

コーチ側の“言い方のコツ”3つ

コツ ポイント
人格ではなく手段を扱う 「性格・才能」ではなく「動作・判断・準備」に落とす ×「向いてない」→ ○「見る場所を1つ決めよう」
改善は1点に絞る 一度に直すと自己効力感が下がる 「今日はファーストタッチだけ」
成功の定義を作る 何ができたらOKかを明確化 「3本連続で成功したら次へ」

まとめ

  • 否定型の言い方は「挑戦=損」という学習を生み、挑戦意欲と自己効力感を下げやすい。
  • 対話の基本は「事実→意図→良かった点→改善1点→次の条件→振り返り」。
  • 言い換えは“目的と次の一歩”にフォーカスすると、選手の主体性と成長速度が上がる。

football school

サッカースクール KING OF FOOTBALL 少人数×実践的な練習×映像指導で強力な個の力を育成

ゲーム形式の実戦的な練習を少人数で反復し、映像指導で強力な個の力を育成する福岡市のサッカースクールです。詳細はこちら

Affiliate

Affiliate Disclosure

当サイトは、Amazonアソシエイト・プログラムおよび各種アフィリエイトプログラムに参加しています。 当サイト内のリンクにはアフィリエイトリンクが含まれており、適格販売により収入を得る場合があります。