「本気でやってるの?」が子どもに与える影響と、努力を認める声かけへの切り替え方
「本気でやってるの?」が子どもに生む“疑念”
「本気でやってるの?」という言葉は、本人の行動に対する指摘に見えて、子ども側には 「自分は信じてもらえていない」「頑張りが足りないと決めつけられた」という“疑念”として届きやすい表現です。 すると、次のような反応が起こりやすくなります。
- 頑張っているつもりでも否定されたと感じ、意欲が下がる
- 失敗やミスを恐れて、挑戦やチャレンジが減る
- 「どうせ認められない」という気持ちから、反発・無気力につながる
- 努力の方向性より「評価されるかどうか」に意識が寄る
意欲を育てるには「疑う言葉」ではなく「観察+承認+質問」に切り替える
子どものやる気を育てたい場面では、疑う(ジャッジする)言葉よりも、 事実の観察→努力の承認→次の行動を引き出す質問 の流れが効果的です。
| やりがちな言い方(疑念) | 子どもが受け取りやすい意味 | 努力を認める言い換え(承認+質問) |
|---|---|---|
| 本気でやってるの? | 信じてもらえていない/やる気がないと決めつけられた | 「今のプレー、工夫しようとしてたね。次はどこを変えると良さそう?」 |
| 全然集中してないじゃん | ダメ出しだけで終わる | 「集中が切れた瞬間があったね。切れそうな時、どう立て直せそう?」 |
| やる気あるならもっと走れるでしょ | 体力や状態を無視された | 「今日はきつそうだけど、最後まで戻ろうとしてたね。配分をどうする?」 |
| 本当に勝ちたいの? | 気持ちを疑われる | 「勝ちたい気持ちは伝わるよ。勝つために次の1本、何を意識しようか?」 |
場面別:すぐ使える切り替えフレーズ
同じ内容でも、言い方を変えるだけで“責める”から“伸ばす”に切り替わります。
| 場面 | 避けたい言い方 | おすすめの声かけ(努力承認→具体→次へ) |
|---|---|---|
| ミスが続いた | 本気でやってるの? | 「ミスしても戻ろうとしてたのは良い。次は“最初の一歩”をどうする?」 |
| 消極的に見える | やる気ないなら出るな | 「迷ってる感じがあるね。今はどのプレーを一番狙いたい?」 |
| 練習の強度が低い | もっと本気出して | 「今の強度だと試合に近い?“試合の速さ”に近づける工夫は何ができる?」 |
| 声が出ない | 黙ってるけど本気? | 「静かでも周り見てたね。次は“誰に何を伝える”を一つ決めようか」 |
切り替えのコツ:子どもが前向きになる「3つのポイント」
- 人格ではなく行動を見る:「本気?」ではなく「今のプレーのどこを変える?」
- 努力の事実を先に認める:戻った、チャレンジした、準備した、などを言葉にする
- 次の一手を質問で引き出す:答えを押しつけず、本人の選択肢を増やす
まとめ
「本気でやってるの?」は、意図と違って“疑われた”と受け取られやすい言葉です。 意欲を育てたいなら、観察→承認→質問に切り替え、 子どもが「次はこうしよう」と前向きに行動できる状態を作るのが効果的です。