レッドカードとは何か？イエローカードとの違いを分かりやすく解説

1. レッドカードとは？基本的な意味

レッドカードは「退場」を意味するカードです。審判がレッドカードを掲げた選手は、その試合から即座に退場となり、次のような扱いになります。

• その試合にもう二度と出場できない
• ベンチにもいられず、競技エリアから完全に離れなければならない
• 代わりの選手を入れることはできず、チームは残り時間を1人少ない人数で戦う

つまり、レッドカードはその試合における最も重い処分です。チームにとっては戦力ダウンだけでなく、戦術の組み直しが必要になる大きなダメージになります。

2. イエローカードとの違い

イエローカードは「警告」であり、レッドカードは「退場」という大きな違いがあります。

2-1. イエローカードの特徴

• 反則や好ましくない行為に対して、「これ以上続けると重い処分になる」という注意・警告として出される
• イエローカードを出されても、基本的にはそのまま試合に出場し続けることができる
• 同じ試合で2枚目のイエローカードを受けると、自動的にレッドカード（退場）になる

2-2. レッドカードの特徴

• 一発で出される場合（直接レッドカード）と、2枚目のイエローが累積して出される場合（イエロー2枚→レッド）がある
• どちらの場合でも、その選手は退場となり、人数が1人減った状態で試合を続ける
• 多くの大会では、その後の試合についても出場停止（サスペンション）が科される（何試合停止かは大会規定による）

3. どんな行為でレッドカードになるのか

IFABの競技規則（Law 12：ファウルと不正行為）では、レッドカード（退場）となる行為が明確に定められています。代表的なものを整理すると、次のようになります。

3-1. 一発退場（直接レッドカード）となる主な行為

• 決定的な得点機会の妨害（DOGSO）
  相手の明らかな得点チャンスを、反則や意図的なハンドなどで止めた場合。
• 深刻な反則行為（シリアス・ファウルプレー）
  過度な力や危険なタックルで、相手の安全を著しく脅かすプレー。
• 乱暴な行為（バイオレントコンダクト）
  ボールと関係が薄い場面での殴る・蹴る・突き飛ばすなど、暴力的な行為。
• かみつき・つば吐き
  相手や審判、誰かに対して噛みついたり、つばを吐きかける行為。
• 著しく攻撃的・侮辱的・下品な言葉やジェスチャー
  相手や審判を強く侮辱するような暴言・ジェスチャー。

3-2. 2枚目のイエロー → レッドカード

次のような行為は通常イエローカード対象ですが、同じ試合で2回繰り返すと、2枚目のイエローが出た時点でレッドカード（退場）となります。

• 繰り返しの反則（何度も不必要なファウルをする）
• プレー再開の遅延（リスタートをわざと遅らせる）
• 審判への執拗な抗議（ジェスチャーや言葉で不満を表し続ける）
• 必要な距離を取らない（FK時の壁で規定距離を守らないなど）
• その他、スポーツマンらしくない行為（ユニフォームを引っ張る、わざと転ぶシミュレーション等）

4. イエローカードが出る主な行為（比較のため）

レッドカードと比較するために、代表的なイエローカードの対象行為も整理しておきます。

• 反則を繰り返す（相手を何度も不用意に倒す・押すなど）
• プレー再開を遅らせる（ボールを遠くへ蹴る、時間稼ぎが明らかなど）
• 審判への不満・抗議を繰り返す
• 規定距離を守らない（FKやCK、スローインで近づきすぎる）
• スポーツマンらしくない行為（危険なプレー、わざと倒れてファウルをもらいに行くなど）

これらは「一度の行為では退場まではいかないが、放置すると試合が乱れる」ような行為です。そのため、イエローカードで「ここから先は許されない」というラインを示す役割があります。

5. レッドカードとイエローカードの違いを整理した一覧

6. 実際の試合で気をつけたいポイント

• 感情をコントロールする
  イライラしたときほど、乱暴なチャージや暴言が出やすく、レッドカードにつながりやすくなります。深呼吸やセルフトークで落ち着く工夫が大切です。
• 相手の安全を第一に考える
  ボールに行くつもりでも、過度な力や危険なタックルになれば「深刻な反則行為」と見なされます。相手の足や頭を狙うようなプレーは避けましょう。
• 審判への態度を意識する
  判定に不満があっても、執拗な抗議や侮辱的な言葉は、イエローやレッドの対象になります。キャプテン以外が群がって抗議しないことも重要です。
• カードの意味をチームで共有する
  トレーニングの場で、カードのルールをチーム全体で確認しておくことで、不必要な退場や警告を減らすことができます。