前提:1日の総摂取カロリー(想定)
今回は「練習や試合がある日」を想定し、2000kcal/日をモデルケースとして計算します。
実際の必要量は、身長・体重・練習量・成長スピード・体格差で変動するため、体調・体重推移・練習強度を見ながら調整してください。
PFCバランス(指定)
- タンパク質(P):20%(1gあたり4kcal)
- 脂質(F):30%(1gあたり9kcal)
- 炭水化物(C):50%(1gあたり4kcal)
【計算】2000kcalをPFC配分したときの必要グラム数
計算式:各栄養素のkcal=総摂取kcal×配分(%)、各栄養素のg=各栄養素のkcal÷(1gあたりkcal)
| 栄養素 |
配分(%) |
配分kcal |
換算(kcal/g) |
必要量(g) |
| タンパク質(P) |
20% |
2000×0.20=400kcal |
4kcal/g |
400÷4=100g |
| 脂質(F) |
30% |
2000×0.30=600kcal |
9kcal/g |
600÷9=66.7g(約67g) |
| 炭水化物(C) |
50% |
2000×0.50=1000kcal |
4kcal/g |
1000÷4=250g |
まとめ(2000kcal想定):
P:100g / F:約67g / C:250g
偏食(好き嫌い)が多い子でも栄養を確保する「設計の考え方」
偏食対応は「正論で食べさせる」より、食べられる形に“翻訳”して栄養を入れるほうが成功率が上がります。
以下の4原則で設計すると、PFCを満たしやすくなります。
| 原則 |
狙い |
具体策 |
| ①「形」を変える |
食感・見た目の抵抗を減らす |
刻む/すりおろす/つぶす/ミンチ化/とろみ/焼く→煮る 等 |
| ②「味」を寄せる |
好きな味で入口を作る |
カレー味、照り焼き、甘辛、トマトソース、マヨ少量、チーズのコク 等 |
| ③「混ぜる」を徹底 |
一口のハードルを下げる |
卵焼き・ハンバーグ・チャーハン・ドライカレー・スープで具材を分散 |
| ④「代替」で栄養を確保 |
苦手食材を無理に固定しない |
野菜が苦手→スムージー/スープ、魚が苦手→ツナ/さけフレーク/しらす 等 |
偏食タイプ別:栄養確保の“落とし込み”
| よくある苦手 |
起きやすい不足 |
現実的な代替(例) |
おすすめメニュー化 |
| 野菜全般が苦手 |
ビタミン・ミネラル・食物繊維 |
野菜スープ(ペースト)/トマトソース/果物+ヨーグルト |
ミートソース・カレー・ポタージュ・スムージー |
| 魚が苦手 |
たんぱく質・脂質(魚由来) |
ツナ(油を軽く切る)/しらす/鮭フレーク/魚のすり身 |
ツナマヨおにぎり(量調整)・しらすチャーハン・鮭おにぎり |
| 肉の脂が苦手 |
総カロリー不足・P不足 |
鶏むね/ささみ/豚ヒレ/卵/豆腐 |
照り焼きチキン・親子丼・豆腐ハンバーグ |
| 乳製品が苦手 |
たんぱく質・エネルギー補給の手段が減る |
豆乳/卵/きな粉/豆腐 |
豆乳スープ・きな粉バナナ・卵料理を増やす |
偏食でもPFCを満たしやすい「工夫メニュー」提案
以下は、好き嫌いがあっても取り入れやすい「形・味・混ぜる・代替」を前提にしたメニュー例です。
ここでは特に、サッカーの練習日で不足しやすい炭水化物(C)とタンパク質(P)を確保しつつ、
1日トータルで脂質(F)も不足しないように設計します。
メニュー例1:ドライカレー(野菜が苦手でも入る)
| 構成 |
食材例 |
工夫ポイント |
| 主食(C) |
ご飯 |
練習日は主食量を確保してエネルギー不足を防ぐ |
| 主菜(P) |
合いびき or 鶏ひき肉 |
ミンチで食感のハードルを下げる |
| 野菜(微量栄養素) |
玉ねぎ・にんじん・ピーマン等をみじん切り |
カレー味で「味を寄せる」+細かく刻む |
| 脂質(F) |
調理油・チーズ少量 |
不足しがちな脂質を“少量追加”で調整 |
メニュー例2:親子丼(食べやすくPを稼げる)
| 構成 |
食材例 |
工夫ポイント |
| 主食(C) |
ご飯 |
試合・練習後は特にCを確保しやすい |
| 主菜(P) |
鶏肉+卵 |
卵で食感がまとまり、肉が苦手でも食べやすい |
| 野菜 |
玉ねぎ(柔らかく煮る) |
加熱して甘みを出し、食感をやわらかくする |
メニュー例3:ミートソースパスタ(野菜を“ソース化”)
| 構成 |
食材例 |
工夫ポイント |
| 主食(C) |
パスタ |
食欲がある子は量を増やしやすい |
| 主菜(P) |
ひき肉・大豆ミート併用も可 |
肉が苦手なら鶏ひき肉に寄せる |
| 野菜 |
トマト缶+すりおろし野菜(にんじん等) |
「見えない化」で抵抗を下げる |
| 脂質(F) |
オリーブ油少量/粉チーズ |
脂質は“少量足し”で調整しやすい |
メニュー例4:しらすチャーハン(魚が苦手でも入りやすい)
| 構成 |
食材例 |
工夫ポイント |
| 主食(C) |
ご飯 |
練習日のエネルギー確保に直結 |
| 主菜(P) |
卵+しらす(またはツナ) |
魚感が弱く、卵でまとまって食べやすい |
| 野菜 |
ねぎ(苦手なら省略し、のりやごまで風味付け) |
無理に入れず、風味で満足度を上げる |
| 脂質(F) |
調理油 |
脂質は炒め油で自然に入る |
メニュー例5:回復補食(食欲が落ちる日でも入れやすい)
| 目的 |
組み合わせ例 |
狙い(PFC) |
| 練習・試合後の回復 |
おにぎり+ヨーグルト(または牛乳) |
Cを優先して回復の初動+Pを乳製品で補う |
| 食欲がない時 |
バナナ+きな粉(+豆乳でも可) |
C+Pを「飲む/食べやすい形」で確保 |
| 甘いものなら入る |
カステラ+牛乳 |
糖質(C)を確保し、乳でPを補う(頻度は調整) |
偏食対応の実務ルール(継続のための運用)
- 主食(C)と主菜(P)を“確実枠”にし、野菜はスープ・ソース・刻みで「入れ込む」設計にする。
- 新しい食材は一気に増やさない(1回に1つ、量は少量、調理法は好きな味に寄せる)。
- 食べられないものは代替でOK(魚NGならツナ・しらす、乳NGなら豆乳・卵・豆腐など)。
- 1日単位でPFCを合わせる(1食で完璧にせず、補食+夕食で調整すると成功しやすい)。