3-5-2 — 特徴・長所・短所
3-5-2は、3CB+WB×2+中盤3+2トップで構成される陣形。中央の厚みと二人のCF、WBの幅を組み合わせて、守備の安定と縦への破壊力を両立する。
1. 基本配置と狙い
- 最終ライン:RCB–CB–LCBの3枚。ワイドCBはハーフスペースへ前進しやすい。
- 中盤3:アンカー(底)+IH×2(左右)。守備は中央封鎖、攻撃はライン間前進と三人目。
- WB×2:幅と深さを同時に供給。攻守の走力が鍵。
- 2トップ:ポスト&裏、チャンネル走で最終ラインを常時脅かす。
2. 守備の原則(5バック化&外誘導)
- 5-3-2化:WBが下がって5枚の最終ラインを形成。中央は3枚でスクリーン。
- 外誘導のトラップ:2トップ+IHで中央を閉じ、外へ誘導→WBとワイドCBで挟む。
- 背後とチャンネル管理:CB中央がコーチング、ワイドCBはSB的にスライドし縦を遅らせる。
- プレスの合図:相手SB/ウイングの背向きタッチ、ロングの回収局面で前向きに圧力。
3. 攻撃の原則(幅・三人目・二トップ)
- 幅はWB:タッチライン内側1〜2mで張り、外→内/内→外の二択を作る。
- 三人目の前進:CB→IH→WB(or CF)と落とし→差しでテンポアップ。
- 二トップの連携:CF①が降りて起点、CF②がチャンネルへ斜め裏抜け。
- ワイドCBの持ち出し:相手WGが内を閉じたら、CBが運んで数的優位を作る。
4. 代表的な崩しパターン
- サイド過載→クロス:IHが外へ流れWBと2対1→ニア(CF)/ファー(逆WB)/カットバック。
- CBの運搬→内差し:ワイドCB前進→IHへ縦→CF落とし→三人目が最終ラインへ。
- ロングターゲット:CFへのダイレクト→セカンドをIHとアンカーで回収し二次攻撃。
5. 役割(ライン別の要点)
- RCB/LCB:縦スライドと外圧。ボール保持では前進の第一歩を担う。
- CB中央:ライン統率(オフサイド・深さ)とカバーリング。
- アンカー:配球軸と背中カバー。カウンターの防波堤。
- IH:ライン間受け・運搬・三人目。守備は外ズレでWBを支援。
- WB:幅・深さ・クロス供給。守備では早めの撤退で5バック化。
- CF×2:ポスト&裏の二択、チャンネル走、プレスのスイッチ。
6. 長所 / 短所(早見表)
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| 中央が厚く、カウンター耐性とペナルティエリア守備が安定 | WBの背後や逆サイドの大外をスイッチで突かれやすい |
| 二人のCFで背後脅威と起点を同時に提示できる | WGがいないため、幅がWB頼みで走力・質に依存 |
| 可変で5-3-2/3-4-1-2/3-4-3へ移行しやすく柔軟 | IHの走力不足でサイド守備が数的不利になりやすい |
| ワイドCB前進でハーフスペース起点を作りやすい | CBが釣り出されると中央が空き、背後一発の危険 |
7. うまくハマる相手 / 苦手な相手
- ハマる:2トップを嫌がる4バックや、中央を使ってくる4-2-3-1/4-4-2。
- 苦手:4-3-3や3-2-5の五レーン占有+スイッチを多用する相手。
8. 可変と微調整(実戦の解法)
- 守備強度アップ:低い位置は5-3-2へ完全移行(WB下げ)。
- 幅不足の補填:片WBだけ高く、逆IHが外へ流れて3-4-3気味に。
- アンカー脇保護:IHの一人を下げて2ボランチ化(3-2ビルド)。
- 前進停滞:ワイドCBの運搬基準を明確化(相手WGが内に絞ったら運ぶ)。
9. トレーニング(段階的)
- 5-3-2ブロック横スライド:WBの撤退→幅スライド(60〜90秒×4)。
- サイド過載→三人目:IH外流れ+WBで2対1→CFへの差し込みを反復。
- CB運搬ドリル:ワイドCB前進→IH落とし→WB or CFへ最短展開。
- 即時撤退:WB高位置ロスト→5秒帰陣で5バック再形成。
10. KPI / 観察指標
- サイドの1対2許容回数(WB孤立場面)。
- ワイドCBの前進回数(ライン越えに直結)。
- クロス三レーン充足率(ニアCF/ファーWB/カットIH)。
- 即時撤退成功率(ロスト→8秒以内の5-3-2形成)。
11. よくある課題と修正
- 逆サイドの大外露出:スイッチ対応が遅い → 逆IHの内絞り+CBの横スライドを一段早く。
- WBの消耗:上下動過多 → 片側非対称(強側高/弱側低)で負担分散。
- 中央空洞化:CB釣り出し → アンカーのカバー角度固定、IHは肘掛け位置で遅らせる。
- 前進単調:クロス一辺倒 → ワイドCB運搬とIHの内差しを増やす。
12. コーチングの合言葉(チェックリスト)
- 幅:WBが幅、逆は早めに絞る。
- 運:ワイドCBは運ぶ(内が締まったら前進)。
- 三:落とし→差しの三人目。
- 二:2トップはポスト⇄裏の二択。
- 撤:ロスト時は即5バックで背後を守る。