3-6-1 — 特徴・長所・短所
3-6-1は、3CB+中盤6+CF1で構成される陣形。実際の運用はWB×2が幅、内側は2ボランチ+IH×2(またはトップ下×2)でライン間を埋め、保持時は3-2-4-1、守備時は5-4-1に可変する。中央密度と二列目の厚みで主導権を握り、孤立しがちな1トップを二列目の連結で支えるのが鍵。
1. 基本配置と狙い
- 最終ライン:RCB—CB—LCB。ワイドCBはハーフスペース前進の選択肢を持つ。
- 中盤6:WB×2が幅と深さ、内側は2ボランチ+IH×2で配球・ライン間・三人目を担当。
- 1トップ(CF):ポスト&裏。二列目との距離を8〜12mで維持して分断を防ぐ。
- 狙い:中央制圧×幅の同時提示で相手を横にも縦にも伸ばし、ラストサードで数的優位を作る。
2. 守備の原則(5-4-1化&中央封鎖)
- 5-4-1ブロック:WBが下がり最終ライン5枚、IHはサイドへ外ズレして幅を守る。
- 中央封鎖:2ボランチ+CB前で縦パスの入口を遮断、10番の前向きを抑止。
- 外誘導→二次回収:CFの片切りで外へ出させ、WB+ワイドCBで縦を遅らせIHが回収。
- カウンター管理:ボランチの一枚は常にセーフティポジション、逆IHは肘掛け位置でセカンド対応。
3. 攻撃の原則(3-2-4-1可変&三人目)
- 3-2-4-1化:保持時は2ボラをCB前に残し、IH×2+WB×2で四枚の二列目を形成。
- 幅と内側の同時提示:WBが最大幅、IHはライン間で前向き受け。外→内/内→外を連続で提示。
- 三人目連動:CF落とし→IH差し→WB or 逆IHへ差し込みでテンポを上げる。
- ワイドCBの運搬:相手WGが内を締めたらCBが持ち出し、数的優位でライン間へ刺す。
4. 代表的な崩しパターン
- 外過載→逆アイソレーション:片側にCF+IH+WB+ボランチを集め、逆WB or 逆IHの1対1を創出。
- ライン間→裏:IH前向き→CFリターン→三人目(WB/逆IH)の背後侵入。
- CB運搬→内差し:ワイドCB前進→IHへ縦刺し→カットバックでフィニッシュ。
5. 役割(ライン別の要点)
- RCB/LCB:外の1対1対応+前進の第一歩(運ぶ/斜め)。
- CB中央:ライン統率・空中戦・カバーリング。深さ管理の指揮塔。
- ボランチ×2:配球とスクリーン。片方前進・片方カバーの交代制。
- IH×2:ライン間受け・運搬・三人目。守備は外ズレでWBを支援。
- WB×2:幅・深さ・クロス供給。即時撤退で5枚化。
- CF:ポスト&裏、チャンネル走、プレスのスイッチ。
6. 長所 / 短所(早見表)
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| 中盤6枚で中央とハーフスペースを制御、セカンド回収が安定 | CFが孤立しやすく、前進が単発化しやすい |
| 保持時は3-2-4-1化で二列目が厚く、崩しのバリエーションが増える | WBとIHの走力依存が高く、消耗で攻守が鈍化 |
| 守備時は5-4-1で背後・大外の管理が安定 | 中央渋滞でテンポが落ち、アンカー脇を素早く突かれると後手 |
| 可変で3-4-2-1/5-4-1などへ移行しやすく柔軟 | 距離設計を誤ると二列目とCFが分断し、セカンド回収率が低下 |
7. うまくハマる相手 / 苦手な相手
- ハマる:中央2枚の相手(4-4-2系)、ロング主体でセカンド回収が甘い相手。
- 苦手:五レーン占有+高速スイッチ(4-3-3/3-2-5)、10番を活かす4-2-3-1。
8. 可変と微調整(実戦の解法)
- CF孤立対策:片IHを高めにして3-4-2-1化、CFの降り基準を共有(8〜12m)。
- 幅不足対策:WBの張りを徹底、逆WBの早絞りで外→内の二択を連続提示。
- アンカー脇保護:2ボラの横ズレ基準を明確化、必要時は一時的3-5-2化で中央強化。
- トランジション管理:WB高位置時はボランチの一人を5m深く、即時撤退で5-4-1へ。
9. トレーニング(段階的)
- 5-4-1横スライド:WB撤退→幅と距離(5〜8m)を保った連動(60〜90秒×4)。
- 二列目連動ロンド:IH—ボランチ—WBの三角で落とし→差し(左右各10本)。
- CB運搬ドリル:ワイドCB前進→IH縦受け→三人目侵入で最終局面へ。
- 即時撤退:WB高位置ロスト→5秒帰陣で5-4-1再形成。
10. KPI / 観察指標
- ライン間前向き受け回数(IH/トップ下ゾーン)。
- 逆サイド1対1創出回数(スイッチ成功)。
- セカンド回収率(ロング後8秒以内の回収割合)。
- 即時撤退成功率(ロスト→8秒以内の5-4-1形成)。
11. よくある課題と修正
- CF孤立:距離過多 → CFの降りとIHの押し上げ頻度を増やし、三人目を固定。
- 中央渋滞:テンポ低下 → 外→内の速いスイッチ、ワイドCB運搬で出口を作る。
- WBの背後露出:戻り遅れ → 逆IHの早絞り+CB横スライドを一段早く。
- セカンド回収低下:ボランチの距離が広い → 縦横5〜8mの連結を基準化。
12. コーチングの合言葉(チェックリスト)
- 幅:WBが最大幅、外→内の二択を連続提示。
- 間:IHはライン間で半身&前タッチ。
- 盾:2ボラのスクリーンでアンカー脇を保護。
- 運:ワイドCBは運ぶ(内が締まれば前進)。
- 撤:ロスト時は即5-4-1で背後を守る。