キックオフの意味と方法 — JFA/IFAB 競技規則の要点
試合の開始や得点後の再開に用いる基本のリスタート。正しい位置・手順・反則時の扱いを整理する。
1. キックオフの意味
- 試合開始:前半・後半・延長前後半の開始。
- 得点後の再開:失点したチームが行う。
- コイントス:
- 主審のコイントスで勝ったチームはキックオフか攻める方向を選択。
- もう一方の選択権は相手に与えられる。
2. セットアップ(位置と準備)
- ボールはセンターマーク上で静止させる。
- 全選手は自チームの自陣にいること。
- 相手チームはボールから半径9.15m以上離れる(センターサークル外)。
- 主審の合図(笛)の後に蹴る。
3. 方法(ボールがインプレーになる瞬間)
- キッカーがボールを蹴って明確に動いた瞬間にインプレー。
- ボールはどの方向へ蹴ってもよい(前方限定ではない)。
- キッカーはボールが他の競技者に触れるまで2度目に触れてはならない(二度蹴り禁止)。
4. 得点に関する扱い
- キックオフから直接相手ゴールに得点できる(有効)。
- 自分のゴールへ直接蹴り込んだ場合は得点無効で、相手のコーナーキックで再開。
5. オフサイドとの関係
- オフサイド規定は通常どおり適用される。
- ただしキックオフ時は全員が自陣にいるため、判定の瞬間に攻撃側がオフサイドになる状況は実質的に起きない。
6. 反則と再開
- 二度蹴り:キッカーが他の選手に触れる前に再度触れた場合 → 相手の間接フリーキック。
- encroachment(距離不足):相手が9.15m以内に入っていた/合図前に侵入 → 原則やり直し。
- ボール静止不十分や主審の合図前に蹴った → やり直し。
- 不正がキックオフ側のチームによるもので利益があれば、主審は状況に応じて警告や再開方法を調整。
7. 現場でのコーチング要点
- ボールは必ず完全静止、合図後に実施。
- 配置はワンタッチで前進する形か、後方に戻して保持かを事前に決める。
- 相手の距離が不十分なら主審に確認し、必要ならリテイクを求める。
- キッカーは二度触れに注意(リターンパス役を決めておく)。
8. 典型的なプレー設計(例)
- 保持型:キッカー→後方のCBへ→逆サイドへ展開して圧縮回避。
- 速攻型:キッカー→サイドのインサイドFWへワンタッチ→縦の走り出しに裏抜け。
- セットプレー型:キッカー→すぐ横のMF→斜めのロングでサイドチェンジ。