1. どんな状況で使われる?(適用シーン)
- 自陣ではなく相手陣や中盤での保持が多く、失っても周囲に味方が密集しているとき。
- 相手が背中向きでの奪取、もしくはコントロールに時間がかかる状況で回収しやすいとき。
- チームとして前進の勢いを継続したい、テンポを上げて主導権を握りたい時間帯。
2. 目的(何のために?)
- カウンター封じ:相手の最も危険な反撃の起点を、発生直後に無効化。
- 高品質の攻撃機会を即創出:奪い返した地点がゴールに近く、xGの高いチャンスに直結。
- 試合の流れと心理を掌握:奪って攻め続ける「波」を保ち、相手の自信を削ぐ。
3. 特徴(プレー原則)
- 5秒ルール目安:奪われた瞬間から数秒で囲い込み、回収か遅らせを完了。
- 役割の即分担:ボール保持者へ圧力/近くの受け先の遮断/背後の保険を瞬時に決める。
- 角度で封鎖:体の向きと寄せる角度で内外を切り、タッチラインや密集へ誘導。
- 距離感の維持:ライン間を詰めてセカンド回収を優位に。
- 終わり方の設計:回収後は即フィニッシュ/逆サイド展開/落ち着かせるのいずれかを事前共有。
4. 仕組み(発動から回収・再攻撃まで)
- ロスト:パスカット・トラップミス・ドリブルロストなど。
- 即スイッチ:最寄り3~5人が半径10~15mを圧縮し、受け手を影で消す。
- 囲い込み:前後左右の三角・菱形で出口を限定。
- 回収:奪い切る/相手の前進を遅らせて増援を待つ。
- 二次攻撃:ショートカウンター、または外→逆サイドへのスイッチでフィニッシュ。
5. ポジション別の主な役割
| ポジション |
主な役割 |
キーポイント |
| CF/WG |
最短でボール保持者へ圧力・内外の切り取り |
身体の向きで内を切り、外へ誘導してサンド |
| IH/OMF |
受け先の遮断・セカンド回収・第三の走者 |
半身でコースに影/奪えたら前向きに運ぶ |
| DMF |
背後の保険(レストディフェンス)・回収後の第一配球 |
縦ズレのバランスと危険エリアの封鎖 |
| SB |
外レーンの圧縮・内側のカバー |
背走と前詰めのスタート姿勢を常に準備 |
| CB |
ライン統率・背後ケア・ロング一発の抑止 |
前進を遅らせる位置取りとカバーリング |
| GK |
スイーパー的に背後スペース管理・即リスタート |
ロング処理後に素早く攻撃再開 |
6. 代表的トリガー(出る合図)
- 相手の背中向きコントロール/弱い足へのトラップ。
- 浮き球の処理やバウンドで一拍待たせられる瞬間。
- ロスト地点がタッチライン際・密集など逃げ道が少ないとき。
- 受け手とサポートの距離が離れ、孤立していると判断できるとき。
7. メリット/デメリット
| メリット |
デメリット(リスク) |
主な対策 |
| 高い位置で即時に回収→ショートカウンター直結 |
一発で外されると広大な背後を走られる |
DMF+CBで3枚以上のレストディフェンスを確保 |
| 相手のカウンターを未然に無力化 |
体力消耗・ファウル増加のリスク |
時間帯限定運用/交代活用/ファウルの質を管理 |
| 試合の勢いを継続し心理的優位を確保 |
密集での軽率な足出し→はがされる |
角度で封鎖・二人目三人目の連動で刈り取る |
8. 成功指標(KPIの例)
| 指標 |
見るポイント |
| ロストから回収までの平均時間 |
5~8秒以内での再奪取ができているか |
| 即時奪回後10秒以内のシュート数/xG |
二次攻撃の質が得点機に繋がっているか |
| 相手の前進距離(ロスト後10秒) |
遅らせ・封鎖が機能し距離を稼がれていないか |
| 被ロング一発の抜け出し回数 |
背後ケアとライン統率の精度 |
9. トレーニング例(ドリル)
| ドリル |
目的 |
ポイント |
| ポゼッション+即時奪回条件(6v6、ロスト後5秒で回収) |
切替スピードと役割分担の自動化 |
最初の2歩を速く/角度で内外を切る |
| 外誘導→サンドの囲い込み(サイド限定エリア) |
出口限定からの回収精度向上 |
二人目三人目の到達タイミングを固定化 |
| レストディフェンス回収→二次攻撃(8v7) |
背後保険と回収後の最短フィニッシュ |
奪ったらシュート/逆サイドの優先順位 |
| セットプレーこぼれ球→ゲーゲンプレス |
CK/FK後の再回収と波状攻撃 |
こぼれゾーンの配置と合図の統一 |
10. よくあるミスと修正
- 一人だけ突っ込む → 合図を統一し最寄り3~5人で同時発進。出られないなら出ない。
- ボールに一直線で足を出す → 角度で出口を消し、二人目三人目で刈る。
- 回収後に迷う → 事前に「シュート/カットバック/逆サイド」の優先順位を共有。