ポケット(Pocket)とは?
サイドバック(SB)とセンターバック(CB)の間の背後、かつペナルティエリア横の深い位置にある小さな高価値ゾーン。多くの場合、ハーフスペースの最終局面(エンドライン手前)と重なります。
1. 定義(位置と大きさの目安)
一般的には下図の帯を指す(チーム基準で微調整)。
| 名称 | 位置・範囲 | 関連レーン | 主な利用局面 |
|---|---|---|---|
| 右ポケット | 右SBと右CBの間の背後/PA脇(エンドラインから5〜12m) | 右ハーフスペース深部 | 折返し(カットバック)/ニアゾーン攻略 |
| 左ポケット | 左SBと左CBの間の背後/PA脇(エンドラインから5〜12m) | 左ハーフスペース深部 | インスイングの折返し/逆足シュート角度の確保 |
※実測の広さは守備ブロック次第。目安は縦5〜10m×横8〜12m程度の「使える空白」。
2. ポケットの価値(なぜ効くのか)
- 担当の曖昧化:SBが外、CBが中央を見る中間に生まれるため、誰が出るかで遅延が起きやすい。
- 角度優位:ゴールに対し斜め前向きでプレーでき、折返し/ニア・ファー同時脅威を作りやすい。
- 決定率の高いラストアクション:深い位置からのグラウンダーのカットバックは失点リスクが低く高期待値。
3. 攻撃原則(ポケット活用)
- 第三者関与:出し手→受け手(HS)→第三者の背後ランでポケットへ進入(1-2/壁パス/フリック)。
- タイミング>スピード:SBが外へ出た瞬間・CBが絞る直前を突く。受け手は体の向き先行。
- ニアゾーン優先:ニアへCF、ファーへWG、中へIH/10番の三点詰めで折返しの受け皿を確保。
- やり直しの出口:詰まったら6番(DM)や逆サイドへ一度リセットし、再度ポケットを解放。
4. 守備原則(相手のポケット攻略を止める)
- 内切り優先:SBは内側をまず止めて外へ誘導。DMはHSのパスコース遮断。
- 受け渡しの明文化:CB・SB・DMの誰が出るか事前に固定(CBが出たらSBは絞る等)。
- ネガトラ対策:折返しに対しPA外弧(Dゾーン)の回収役を常設。即時圧で二次攻撃を遮断。
5. 代表的コンビネーション
| 名称 | 配置 | 狙い | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1-2ポケット侵入 | WG外幅/IHが受け点/CFがCBを引き出す | 受け渡し遅延を利用して背後へ | IHは前向きワンタッチ、CFはニア誘導 |
| インナーラップ→折返し | SBが内側から追い越し/IHが溜め | 最終列の視線分断 | グラウンダーのカットバックを第一選択に |
| 逆サイドスイッチ→ポケット差し | DM経由で逆へ展開 | 横揺さぶり後の中間ポジション突き | 受け手はオープンスタンスで一気に前進 |
6. ポジション別の要点
| ポジション | 攻撃の要点 | 守備の要点 |
|---|---|---|
| WG | 幅でSBを外へ引き出し、裏抜け or 受け手役を選択。 | 外誘導の起点/ロスト直後は即時圧。 |
| IH/10番 | HSで前向き受け→第三者をポケットへ通す。 | 内側の通路封鎖/DMとの住み分け。 |
| SB | インナー/オーバーで数的優位を追加。 | 内切りストップと受け渡しコールを主導。 |
| CF | CBを引き出す立ち位置とニア・ファーの駆け引き。 | 折返し後の即時圧を先導。 |
| DM | スイッチの起点/逆サイドの安全弁。 | Dゾーン回収とカウンター制御。 |
7. よくある失敗と対処
- 同レーン渋滞:人が被る→高さ(CF)・幅(WG)・内(IH)の住み分けを徹底。
- 折返しの受け手不足:PA内三点詰めが弱い→ニア/ペナスポット/ファーの再配置。
- 体の向き不良:背中で受ける→オープンスタンスと第一タッチで前を向く。
8. トレーニング設計(例)
- ポケット解放ロンド 6v3:HSのフリーマンへ通してポケット侵入→カットバックで得点を評価。
- 3点詰めフィニッシュ:ニア・ペナスポット・ファーの同時到達を反復(タイミング重視)。
- ネガトラ3秒+Dゾーン回収:シュートで終わる→即時圧→二次攻撃までを一連で管理。
9. コーチング合図(共通言語)
- 「外で釣る!」=SBを外へ、「内差し!」=ポケット差しの合図。
- 「ニア!」/「スポット!」/「ファー!」=PA内三点詰め。
- 「やり直す!」=DM/逆サイドへのリセット。
10. すぐ使えるチェックリスト
- SBとCBの受け渡しの瞬間を突けているか?
- ポケット進入後、グラウンダーの折返しを第一選択にできているか?
- PA内の三点詰め(ニア・スポット・ファー)は整っているか?
- ロスト直後の即時圧とDゾーン回収は機能しているか?