試合でボールに触れない原因と改善策|動き出し・立ち位置・受け方の完全ガイド
試合で「ボールに全く触れない」状態は、技術不足というより 立ち位置(ポジショニング)と動き出し(オフザボール)が チームのボール循環や相手の守備構造と噛み合っていないケースが多いです。 触れない時間が長いほど焦って同じ場所に立ち続けたり、逆に無意味に走って疲れる悪循環になります。 重要なのは、「味方が出せるパスコースに自分から入る」ことを設計することです。
まず確認:ボールに触れない主な原因
| 原因 | 典型的な状態 | 改善の方向性 |
|---|---|---|
| パスコース上に立てていない | 相手の影(シャドー)に隠れている/ライン間に入れていない | 相手の視界外ではなく「味方の視界内」に立つ |
| 距離が遠い or 近すぎる | 味方から遠すぎて届かない/近すぎて相手にまとめて捕まる | 常に“次のパス”の距離に調整する(目安:10〜15m) |
| 動きが単調で読まれている | ずっと足元要求/ずっと裏抜けだけ | 足元→裏→足元のように「2手先」を作る |
| 受ける前の準備が遅い | 首を振らず受けに行く/身体の向きが悪い | 受ける前にスキャンして“半身”で待つ |
| 味方の都合(出し手が困っている) | 出し手が前向きになれない/相手のプレスが強い | 出し手の背中側に“逃げ道”を作る(サポート角度) |
ボールを引き出す「基本の立ち位置」5原則
触る回数を増やすには、良い場所に“いる”ことが最優先です。以下の5原則で 自分の立ち位置を毎回チェックしてください。
| 原則 | 狙い | 具体例 |
|---|---|---|
| ① 相手の背中(視界外)ではなく「味方の視界内」に入る | 出し手が見つけられる状態を作る | ボール保持者の視野(身体の向き)と同じ側に立ち、パスコースを見せる |
| ② 相手の“間”(ライン間・選手間)に立つ | マークを曖昧にして受けやすくする | CBとSBの間、CHの脇、最終ラインと中盤の間に入る |
| ③ 受ける前に“半身”で立つ | 前を向ける確率を上げる | ボール側の肩を少し前にし、次のプレー方向が見える角度を作る |
| ④ 出し手に対して斜めのサポート角度を作る | プレス回避の逃げ道を作る | 真横・真後ろではなく斜め後ろ(または斜め前)に立ち、ワンツー可能な角度にする |
| ⑤ 近すぎず遠すぎず「次のパスの距離」にいる | テンポを落とさず繋げる | 常に10〜15m前後の距離を保ち、受けたら次の味方へ繋げられる配置にする |
触れる選手が必ずやっている「3種類の動き出し」
受ける動きは“走れば良い”ではなく、相手の守備基準(誰が見るか・どこを守るか)を崩す動きが必要です。 特に効果的なのは以下の3種類です。
| 動きの種類 | やり方 | 効果 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| ① 立ち位置の微調整(1〜2mのズレ) | 相手の影から外れるように小さく動く | マークの基準をズラし、パスコースを一瞬開ける | 相手がゾーン気味/中盤で受けたい時 |
| ② ダブルムーブ(足元→裏/裏→足元) | 一度相手を引きつけて逆方向へ | 相手の重心をずらし、フリーで受ける | マンマークが強い/相手がついてくる時 |
| ③ 第三者(3人目)を使う動き | 自分が直接受けず、味方に落として受け直す | 相手のプレスを外し、前進できる | 前を向けない時/相手の圧が強い時 |
ポジション別:触れない時に“最初に直す”ポイント
同じ「触れない」でも、ポジションで改善ポイントは変わります。自分の役割に合わせて優先順位を決めましょう。
| ポジション | よくある原因 | 最優先の改善 |
|---|---|---|
| FW | CBに消され続ける/裏ばかり狙って孤立 | 一度“降りて受ける”→裏へ走るの連続で基準を崩す |
| WG/SH | タッチラインに貼りすぎ/中に入りすぎて詰まる | 幅とハーフスペースを行き来し、SB・IHの間で受ける |
| IH/OMF | 相手CHの影に隠れる/前を向けない位置で受ける | ライン間で“半身”を作り、受ける前に首を振る回数を増やす |
| CH/ボランチ | CBの近くで同じ列に並ぶ/相手の10番に消される | CBの脇に降りて角度を作る、または一列上げて相手の背中を取る |
| SB | 高い位置に固定で孤立/内側のサポートがない | 外→内(インバート)でパスコースを増やし、出し手の逃げ道になる |
“受けられる選手”になるためのチェックリスト
- 受ける前に首を振って(スキャンして)相手と味方の位置を把握したか
- 味方の身体の向きに対して、見える場所に立てていたか
- 相手の影(パスコース遮断)から外れる1〜2mの動きができたか
- 足元要求と裏抜けを混ぜて、相手の基準を崩せたか
- 受けた後の次のプレー(落とす・運ぶ・逆サイド)を準備できたか
実戦で効果が出る「最短の改善プラン」
いきなり全部を変えると迷いが増えます。次の試合は以下の3つだけを徹底してください。
| 優先 | やること | 目標 |
|---|---|---|
| ① | 受ける前に必ず2回スキャン(首を振る) | 前を向ける受け方を増やす |
| ② | 相手の影から外れる1〜2mの微調整を繰り返す | “見つかる位置”を作ってパスコースを増やす |
| ③ | 足元→裏(または裏→足元)のダブルムーブを1試合で5回 | マークの基準を壊して受ける回数を増やす |
ボールに触れない問題は、走力やメンタルではなく 「出し手から見える位置」「相手の影から外れる動き」「次のプレーが可能な身体の向き」の3点で 大きく改善できます。次の試合はまず“受ける前の準備”を増やし、意図的にパスコースへ入り直す回数を増やしましょう。