ビタミンB1(チアミン)|エネルギーづくりと神経を支えるビタミン
ビタミンB1(チアミン)は、糖質をエネルギーに変えるときに必須となるビタミンです。
また、神経の働きをサポートする役割もあり、日常生活の疲れにくさや、集中力にも関わります。
ここでは、ビタミンB1の働き・多く含む食品・不足や過剰摂取の影響について、初心者向けに整理します。
1. ビタミンB1の主な働き
- 糖質代謝をサポート:ご飯やパン、麺類などに含まれる糖質をエネルギーとして使うときに必要なビタミン。ビタミンB1が足りないと、糖質がうまくエネルギーに変わらず、疲れやすくなる。
- 神経機能の維持:脳や全身の神経の働きを助ける役割があり、イライラ・しびれ・集中力の低下などとも関係する。
- 疲労感の軽減に関与:エネルギーが効率よくつくられることで、日常生活や運動後の疲労感を軽減する助けになる。
特にご飯・パン・麺が好きな人や、運動量が多い人にとって、ビタミンB1は重要な栄養素です。
2. ビタミンB1を多く含む食品
ビタミンB1は、豚肉・玄米・豆類などに多く含まれています。加工や精製によって減りやすいので、食品の選び方も大切です。
| 分類 | 食品例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 肉類 | 豚肉(ロース、ヒレ、もも など) | ビタミンB1が特に豊富。日常的に取り入れやすい代表的な食材。 |
| 穀類 | 玄米、胚芽米、全粒粉パン、そば など | 精製していない穀物に多い。白米より玄米・胚芽米の方がB1が多い。 |
| 豆類・大豆製品 | 大豆、納豆、豆腐、味噌、厚揚げ など | たんぱく質とあわせてビタミンB1も補給できる。 |
| その他 | ごま、ピーナッツ、枝豆、のり など | 間食や副菜として取り入れると、少しずつビタミンB1をプラスできる。 |
炭水化物の多い食事が多い場合は、「主食+豚肉+大豆製品」のような組み合わせを意識すると、ビタミンB1不足を防ぎやすくなります。
3. ビタミンB1不足で起こりうる影響(欠乏症)
ビタミンB1が不足すると、糖質をエネルギーに変える力が落ちるため、全身のだるさや神経症状として現れやすくなります。
- 疲労感・だるさ:エネルギーがうまくつくられないため、少しの活動でも疲れやすくなる。
- 食欲不振:だるさや不調が続き、食欲が落ちることがある。
- 脚気(かっけ):重度の欠乏で起こる古典的な症状。手足のしびれ、むくみ、歩きにくさ、心臓への負担などが現れる。
- 集中力・思考力の低下:脳のエネルギー不足により、ぼんやりしやすくなる。
- イライラ・神経過敏:神経の働きが乱れ、不安感やイライラを感じやすくなる場合がある。
主食中心でおかずが少ない・偏ったダイエット・アルコールの飲みすぎなどは、ビタミンB1不足につながりやすいとされています。
4. ビタミンB1を摂りすぎた場合の影響(過剰症)
ビタミンB1は水溶性ビタミンのため、余分に摂った分は尿として排泄されやすく、通常の食事や一般的なサプリメント量では過剰症はほとんど問題になりません。
- 通常の食事での過剰症:ほぼ心配不要とされている。
- サプリメントでの高用量:非常に高い量を長期間摂取した場合、ごくまれに皮膚のかゆみや軽い不調が報告されることがあるが、一般的な使用範囲では大きな問題は起こりにくい。
特別な事情がない限り、基本は不足に注意しつつ、過剰をそれほど心配する必要は少ないビタミンと考えてよいです。
5. まとめ:炭水化物が多い現代食では特に意識したいビタミン
ビタミンB1(チアミン)は、
- 糖質を効率よくエネルギーに変える
- 神経の働きをサポートする
- 疲れにくい体づくりに関わる
という点で、日常生活・トレーニング・仕事や勉強のパフォーマンスにとって重要な栄養素です。
豚肉・玄米・大豆製品・ナッツ類などをうまく組み合わせて、主食中心の食事になりすぎないように工夫していきましょう。