ビタミンB12|赤血球と神経を守るビタミン

投稿日:2025年11月22日  カテゴリー:5大栄養素

ビタミンB12|赤血球と神経を守るビタミン

ビタミンB12は、赤血球の生成神経の正常な働きに欠かせないビタミンです。
貧血やしびれなどの神経症状と関わりが深く、健康維持のうえでとても重要な栄養素のひとつです。
ここでは、ビタミンB12の働き・多く含まれる食品・不足や過剰摂取の影響を初心者向けに整理します。

1. ビタミンB12の主な働き

  • 赤血球の生成を助ける:骨髄で赤血球がつくられるときに必要なビタミン。葉酸と一緒に働き、正常な赤血球の形成をサポートする。
  • 神経の維持:神経をおおう「髄鞘(ずいしょう)」という部分の維持に関わり、神経伝達がスムーズに行われるよう支える。
  • DNA合成への関与:細胞の分裂や増殖に必要なDNA合成にも関わり、体の更新や修復を支える。
  • ホモシステイン代謝:血管リスクと関係するアミノ酸(ホモシステイン)の代謝にも関与するとされている。

特に、赤血球と神経に深く関わるため、不足すると「貧血+しびれ」のような形で影響が出やすくなります。

2. ビタミンB12を多く含む食品

ビタミンB12は、主に動物性食品に多く含まれます。植物性食品にはほとんど含まれないため、ベジタリアンやビーガンの人は特に意識が必要です。

分類 食品例 特徴
レバー類 鶏レバー、豚レバー、牛レバー ビタミンB12が非常に豊富。少量でも効率よく摂取できる。
魚介類 あさり、しじみ、かき、さんま、さば、まぐろ など 貝類や青魚に多い。日常の食事に取り入れやすい重要な供給源。
卵・乳製品 卵、牛乳、ヨーグルト、チーズ など 量はレバー・貝類ほどではないが、継続して食べることで補いやすい。
強化食品 一部のシリアル、植物性ミルク(B12添加品)など ビーガン向けにビタミンB12が添加されている商品もある。

動物性食品をあまり食べない人は、サプリメントやB12強化食品を活用することも検討されます。

3. ビタミンB12不足で起こりうる影響(欠乏症)

ビタミンB12の欠乏は、悪性貧血神経症状として現れることがあります。
吸収には胃・小腸の働きが関わるため、消化器の病気や加齢なども影響します。

  • 悪性貧血:赤血球がうまくつくられず、だるさ・息切れ・動悸・顔色不良などの症状が出る。
  • 手足のしびれ:末梢神経の障害により、手や足がピリピリしびれる、感覚が鈍くなるなどの症状。
  • 歩きにくさ・ふらつき:神経の障害が進むと、歩行がふらつく、バランスが取りづらいなどの症状が出ることがある。
  • 記憶力・集中力の低下:重度の欠乏では、思考力や記憶力に影響する場合もある。
  • 舌の異常:舌が赤くなり、ヒリヒリしたり、舌炎が起こることがある。

動物性食品をほとんど摂らない人、高齢者、胃の手術歴がある人などは、特にビタミンB12不足に注意が必要です。

4. ビタミンB12を摂りすぎた場合の影響(過剰症)

ビタミンB12は水溶性ビタミンであり、通常の食事や一般的なサプリメント量では過剰症はほとんど問題にならないとされています。

  • 通常の食事での過剰摂取:余った分は尿などから排泄されるため、健康障害はほとんど報告されていない。
  • サプリメントの使用:高用量サプリメントでも一般的には安全性が高いとされるが、特別な持病がある場合は医師に相談するのが安心。

基本的には、不足に注意すべきビタミンであり、過剰を過度に心配する必要は少ない栄養素です。

5. まとめ:血と神経を守る「要チェック」ビタミン

ビタミンB12は、

  • 赤血球の生成をサポートし、貧血予防に関わる
  • 神経を保護し、しびれや神経障害と深く関係する
  • 動物性食品(レバー・魚介類・卵)に多く含まれる
  • 不足すると悪性貧血やしびれ、ふらつきなどの症状が出ることがある

といった特徴を持つビタミンです。
普段からレバー・魚・卵・乳製品などをバランスよく食べること、動物性食品が少ない場合はサプリメントや強化食品も選択肢に入れることが、血液と神経の健康維持に役立ちます。