ビタミンC|コラーゲン生成と抗酸化作用を担う代表的ビタミン

投稿日:2025年11月24日  カテゴリー:5大栄養素

ビタミンC|コラーゲン生成と抗酸化作用を担う代表的ビタミン

ビタミンCは、水溶性ビタミンのひとつで、コラーゲン生成強力な抗酸化作用鉄の吸収促進など、多くの重要な働きを持つ栄養素です。
美容や免疫、疲労感とも関わるため、健康づくりの基本として意識しておきたいビタミンです。
ここでは、ビタミンCの働き・多く含む食品・不足や過剰摂取の影響を初心者向けに整理します。

1. ビタミンCの主な働き

  • コラーゲン生成に必須
    ビタミンCは、皮膚・血管・軟骨・骨などに含まれるコラーゲンをつくる際に必要なビタミンです。
    コラーゲンは組織の「土台」となるたんぱく質で、ハリのある皮膚や丈夫な血管・骨の維持に役立ちます。
  • 抗酸化作用
    体内で発生する活性酸素から細胞を守る抗酸化作用を持っています。
    これにより、酸化ストレスによる細胞ダメージを軽減し、健康維持や老化抑制に関わるとされています。
  • 鉄の吸収促進
    ビタミンCは、特に非ヘム鉄(植物性食品に含まれる鉄)の吸収を助ける働きがあります。
    貧血が気になる人にとっては、鉄を含む食品と一緒にビタミンCを摂ることがポイントになります。
  • 免疫機能のサポート
    直接的な「風邪予防薬」ではありませんが、免疫細胞の働きやストレスへの抵抗力をサポートすると考えられています。

まとめると、ビタミンCは「組織の土台づくり+細胞をサビから守る+鉄の吸収を助ける」多機能ビタミンです。

2. ビタミンCを多く含む食品

ビタミンCは、主に野菜(特にブロッコリー・ピーマンなど)果物(柑橘類など)に多く含まれます。
水に溶けやすく熱にも弱いため、調理法も意識できると理想的です。

分類 食品例 特徴
野菜類 ブロッコリー、ピーマン(赤・黄・緑)、キャベツ、じゃがいも など ビタミンCが豊富。ブロッコリーやピーマンは特に含有量が多い。加熱しすぎると損失が増えるため、短時間加熱がおすすめ。
果物類 みかん、オレンジ、グレープフルーツ、キウイフルーツ、いちご など 間食として取り入れやすく、ビタミンC補給源として優秀。生で食べるのでビタミンCの損失が少ない。
その他 トマト、芽キャベツ、パプリカ、青菜類 など サラダや付け合わせとして日常的に摂りやすい。

毎食、野菜を一皿+1日1〜2回果物」を意識すると、自然とビタミンCを摂りやすくなります。

3. ビタミンC不足で起こりうる影響(欠乏症)

かつて、長期間生鮮食品を食べられなかった船乗りなどに多かったのが、ビタミンC欠乏による壊血病です。
現代の日本で重度の壊血病はまれですが、偏った食事が続くと軽度の不足状態になることがあります。

  • 壊血病:コラーゲン生成が障害されることで、歯ぐきからの出血、皮下出血、関節の痛み、貧血、全身倦怠感などが現れる。
  • 皮膚のトラブル:肌荒れ、乾燥、傷の治りが遅いなど、皮膚の状態悪化として現れることがある。
  • 免疫低下:細胞の保護機能が不十分になり、感染症にかかりやすくなる可能性がある。
  • 疲労感:抗酸化力の低下やコラーゲン不足により、疲れやすさを感じる場合がある。

野菜不足・果物不足の食生活が続く人は、ビタミンC不足に注意が必要です。

4. ビタミンCを摂りすぎた場合の影響(過剰症)

ビタミンCは水溶性ビタミンで、余分に摂った分は尿から排泄されますが、サプリメントなどで高用量を摂り続けた場合には注意が必要です。

  • 下痢:一度に大量のビタミンCを摂ると、腸内の浸透圧変化によって下痢を起こすことがある。
  • 腹痛・胃の不快感:高用量のサプリメントで、腹痛や胃もたれを感じる人もいる。
  • 一部で報告されるリスク:腎機能に問題がある人では、シュウ酸結石などとの関連が議論されることもあるため、持病がある場合は医師に相談が望ましい。

通常の食事からのビタミンCでは、過剰摂取が問題になることはほとんどありませんが、
サプリメントで「大量摂取=より健康になる」と考えて極端な量を続けるのは避けた方が安全です。

5. まとめ:毎日の「野菜+果物」で自然にカバーしたいビタミン

ビタミンCは、

  • コラーゲン生成を助け、皮膚・血管・骨を丈夫に保つ
  • 抗酸化作用で細胞を守り、健康維持に役立つ
  • 鉄の吸収を高め、貧血対策のサポートにもなる
  • 不足すると壊血病や皮膚トラブル、疲労感などにつながる
  • サプリメントの摂りすぎは下痢・腹痛の原因になることがある

という特徴を持つビタミンです。
特別なことをしなくても、「野菜をしっかり食べる」「果物を毎日少しでも取り入れる」という習慣をつくることで、自然と必要量に近づいていきます。
食事で不足しやすい場合は、適量のサプリメントを補助的に活用するのもひとつの方法です。