10歳サッカー少年の増量向けPFC設計:1日カロリー想定からPFC(g)を算出し、高カロリーの3食メニュー例を提案
ここでは「10歳でサッカーをしており、体重(体格)を増やしたい子ども」を想定します。 増量では、まずエネルギー不足を解消することが最優先です。 そのため本記事では、1日の総摂取カロリーを 2,100kcal(通常想定より+300kcal程度)と仮定し、 指定のPFCバランス(P=20%、F=30%、C=50%)に基づいて必要グラム数を計算します。 そのうえで、高カロリーでも食べやすく、練習のパフォーマンスを落としにくい「3食メニュー例」を提示します。
1. 想定カロリーとPFC(g)の計算
| 項目 | 配分 | kcal | 換算 | 必要量(g) |
|---|---|---|---|---|
| 総摂取カロリー(想定) | - | 2,100kcal | - | - |
| タンパク質(P) | 20% | 2,100 × 0.20 = 420kcal | 4kcal/g | 420 ÷ 4 = 105g |
| 脂質(F) | 30% | 2,100 × 0.30 = 630kcal | 9kcal/g | 630 ÷ 9 = 70g |
| 炭水化物(C) | 50% | 2,100 × 0.50 = 1,050kcal | 4kcal/g | 1,050 ÷ 4 = 262.5g(約263g) |
2. 増量(体重増加)を成功させる食事設計のコツ
体重を増やしたい場合、失敗パターンは「頑張っているつもりでも総摂取が足りない」ことです。 10歳は胃の容量が小さく、活動量も多いので、少ない量でカロリーを上げる工夫が重要になります。
| 増量の打ち手 | 具体例 |
|---|---|
| 主食を“少しだけ”増やす | ごはんを「茶碗1杯→1.3杯」、パンを「1枚→1.5枚」など微増を積み重ねる |
| 脂質を上手に使う | オリーブオイル、バター、チーズ、ナッツ、アボカドなどを“少量追加”して密度を上げる |
| 液体カロリーを活用 | 牛乳、飲むヨーグルト、スムージー(果物+牛乳+ヨーグルト)で摂取を底上げ |
| たんぱく質は分散 | 1食に偏らせず、朝・昼・夜で均等に(成長期の吸収効率と実行性の観点) |
3. 増量向け・高カロリーの3食メニュー例
朝食(エネルギー貯金を作る:主食+乳製品+卵)
- ツナマヨチーズトースト(食パン1〜1.5枚+ツナ+マヨ少量+チーズ)
- スクランブルエッグ(卵2個+バター少量)
- バナナ(1本)
- 牛乳(コップ1杯)または 飲むヨーグルト
ポイント:朝は「食べられる範囲でカロリー密度を上げる」時間帯です。 ツナ+マヨ+チーズ、卵+バターのように、少しの脂質追加で総カロリーを上げやすくなります。
昼食(練習に向けた燃料:主食を厚め+良質なたんぱく質)
- 鶏照り焼き丼(ごはん多め+鶏もも+卵 or チーズ)
- ポテトサラダ(じゃがいも+卵+マヨ少量)
- 味噌汁(豆腐+わかめ+野菜)
- みかん/りんごなど果物
ポイント:増量期は昼の主食量が不足しがちです。 「丼」にすると食べやすく、自然にごはん量(炭水化物)を確保できます。
夕食(回復と成長の仕上げ:主食+主菜+“追加カロリー”)
- ごはん(茶碗1〜1.5杯)
- 鮭のムニエル(バター使用)または サバの塩焼き
- 野菜の炒め物(オリーブオイル使用)
- 豆腐(冷奴)または 納豆
- デザート:ヨーグルト+はちみつ少量
ポイント:夜は「回復(たんぱく質)+翌日の燃料(炭水化物)」を揃えつつ、 バターやオイルなどの“少量追加”でカロリーを底上げします。
4. 追加の実務テク(増量が進まない時の微調整)
| 状況 | 追加施策(現実的な一手) |
|---|---|
| 体重が増えない | まずは主食を「毎食ひと口分」増やす。次に牛乳やヨーグルトを1回追加する。 |
| 食が細い/量が入らない | 液体(スムージー、飲むヨーグルト)で補う。噛む量を減らして摂取量を確保。 |
| 練習で疲れやすい | 炭水化物が不足している可能性が高い。昼と練習前後の主食(おにぎり等)を追加。 |
| お腹がゆるい/胃が重い | 脂質を一気に増やさず分散。揚げ物より、バター・オイル“少量”の方が調整しやすい。 |
※本ページは「2,100kcal想定」の計算例です。実際の最適値は、身長・体重・練習量・成長スピードで変動します。 週単位で体重推移と練習パフォーマンスを見ながら、まずは「主食の微増」→「液体カロリー追加」→「脂質の少量追加」の順で調整してください。