オフサイドの基本整理(判断の軸を固定する)
オフサイドは「ボールが蹴られた瞬間」に、攻撃側の選手が
ボールと相手の後ろから2人目(通常は最終ライン)より前にいると成立します。
つまり重要なのは、走る速さよりも“蹴られる瞬間の位置”です。
| よくある誤解 |
実際に見るべきポイント |
修正の方向性 |
| 「とにかく裏へ走れば良い」 |
走る前に最終ラインと出し手の準備 |
“走り出しの前”の立ち位置を最適化 |
| 「自分が速すぎるのが原因」 |
蹴る瞬間の同期がズレている |
合図・視線・タッチ数で同期を作る |
| 「ラインだけ見ればいい」 |
ライン+出し手(ボール保持者)も見る |
“ライン8:出し手2”の視野配分を習慣化 |
オフサイドが増える原因(典型パターン)
| 原因 |
試合中の症状 |
なりやすい場面 |
対策の要点 |
| 最終ラインを“見ていない” |
相手DFの背中しか見えず、位置が分からない |
カウンター、縦パス狙い |
首振りで「ラインの位置」を先に把握 |
| 出し手の準備を“見ていない” |
走り出しが先行し、蹴るまでに時間がかかる |
トラップ後にパスを出す場面 |
「蹴れる状態」になった瞬間に加速 |
| 立ち位置が前過ぎる(余裕がない) |
半歩でアウトになる |
相手が高いラインのとき |
最終ラインの“肩より半歩後ろ”に置く |
| 動き直しが少なく“一発勝負” |
同じタイミングで何度も飛び出す |
相手がオフサイドトラップを使う |
止まる→ズラす→再加速のリズムを作る |
| 相手DFの“押し上げ”に引っかかる |
出し手が迷う間にラインが上がる |
相手が整っている守備ブロック |
背後狙いだけでなく足元受けも混ぜる |
ラインの見方:視野配分と確認ルーティン(これが最重要)
1) 視野配分は「ライン8:出し手2」
裏抜けは「ラインを見ないと始まらない」一方で、
パスは「出し手が蹴れる状態」にならないと来ません。
そこで、基本は最終ラインを主に見つつ、出し手の準備をチラ見します。
2) “蹴れる状態”のサインを覚える
| 出し手の状態 |
受け手(あなた)の判断 |
走り出し |
狙い |
| トラップ中・ボールが足元に収まっていない |
まだ蹴れない |
加速しない(微調整のみ) |
先行しすぎてオフサイドを防ぐ |
| ボールが足元に収まり、顔が上がる |
蹴れる可能性が高い |
初速を入れる(1〜2歩) |
タイミングを合わせる |
| 軸足がセットされ、蹴り足の振りが入る |
ほぼ蹴る |
フル加速 |
“蹴られる瞬間”にラインを越えない |
3) スキャンのルール化(首振りでラインを固定)
- ボール保持者が前を向いたら、すぐに最終ラインを1回確認
- その後は「ライン→出し手→ライン」の順で小刻みに確認
- 走り出す直前に最後の1回ライン確認(“半歩後ろ”の余裕)
オフサイドになりにくい立ち位置:基本は「肩をそろえる」
立ち位置が前過ぎると、タイミングが合っても半歩でアウトになります。
基本は相手最終ラインの“肩(同じ高さ)”を目安にし、
相手が押し上げをしてくるチームならさらに半歩後ろに置くのが安全です。
| 相手の守り方 |
おすすめの初期位置 |
狙い方 |
注意点 |
| ラインが低い(裏が深い) |
最終ラインと肩をそろえる |
背後へのスプリント |
オフサイドよりも“走る距離”が長い |
| 高いラインで押し上げる |
肩より半歩後ろ |
一度止まってから加速(動き直し) |
走り出しの先行に注意 |
| 最終ラインがバラバラ |
2人目の位置を基準に肩をそろえる |
ラインのズレを突く |
“最も前のDF”だけを見ると誤る |
抜け出しのタイミング:オフサイドを減らす「3つの型」
型①:止まる→ズラす→走る(最も安全)
一度止まってラインと同じ高さを作り、相手が油断した瞬間にズラして加速します。
走り続けるより、“止まる”がある方がタイミングが合いやすいのが特徴です。
型②:斜めの動きでラインを切る(直線ダッシュを減らす)
オフサイドになりやすいのは、縦に一直線で走る動きです。
斜めのラン(外→中/中→外)を混ぜると、相手DFの視線と体の向きがズレ、
“半歩前”の事故が減ります。
型③:足元受け→裏(2段階で崩す)
相手が押し上げてくる時ほど、裏一本に頼ると引っかかります。
一度足元で受けて相手を下げさせてから裏を狙うと、ラインが整いにくくなりオフサイドも減ります。
| 型 |
使う場面 |
メリット |
キーワード |
| 止まる→ズラす→走る |
高いライン、オフサイドトラップ |
タイミングが合わせやすい |
「一回止まる」 |
| 斜めラン |
相手DFがあなたを見ている |
マークを外しやすい |
「角度」 |
| 足元→裏 |
相手が押し上げる/縦パスが遅い |
ラインが乱れ、背後が生まれる |
「2段階」 |
出し手との同期:オフサイドを減らす合図と約束
オフサイドの多くは、受け手だけでなく出し手とのズレで起きます。
チーム内で以下の“約束”を作ると改善が速いです。
| 約束(ルール) |
内容 |
狙い |
| 「蹴れる状態」になったら走る |
出し手がトラップ完了→顔が上がったら初速、振りで全速 |
走り出し先行を防ぐ |
| アイコンタクト(1回でOK) |
走る前に一瞬だけ視線を合わせる |
出す意思の確認 |
| パスの種類を事前に共有 |
「裏は浮き球」「足元は速い」など |
受け手の準備が早くなる |
| 遅れたら“足元要求”に切り替える |
出し手が迷ったら「足元!」で事故を防ぐ |
押し上げでオフサイドになるのを回避 |
練習メニュー:オフサイドを減らすための実戦ドリル
1) 2人でのタイミングドリル(基本)
| ドリル |
方法 |
評価基準 |
ポイント |
| トラップ→顔上げ→スルーパス |
出し手は1タッチで整えてからパス。受け手は“顔が上がる”で初速 |
オフサイドゼロ/走り出しの同調 |
受け手は最終ラインを事前に確認 |
| 合図付きスプリント |
出し手が「今!」の声 or 手の合図で蹴る |
合図と同時に加速できるか |
最初は合図を明確にして成功体験を作る |
2) ライン設定ドリル(最終ラインを作って練習)
- コーンで最終ラインを作り、受け手は“肩をそろえる”位置を反復
- 出し手はパスのタイミングを変え、受け手は「止まる→ズラす→走る」で対応
- 最後に、合図なしで実施し“試合同様”に近づける
3) ゲーム形式(制約付き)
| ルール |
内容 |
狙い |
| 裏抜けは「止まってから」だけ有効 |
走り続ける動きを禁止 |
タイミングと動き直しを習慣化 |
| 裏が遅れたら足元で受ける |
遅れた場合は無理に裏を狙わない |
オフサイド事故を減らす判断を作る |
試合中のセルフチェック(簡単・即効)
| チェック |
YESのとき |
NOのとき(修正) |
| 最終ラインの位置を直近3秒で見たか? |
走り出しの準備OK |
一度止まり、ライン→出し手→ラインを確認 |
| 出し手は“蹴れる状態”か? |
初速を入れる |
加速せず微調整(半歩後ろで待つ) |
| 自分は肩をそろえているか? |
タイミング勝負へ |
半歩下がって余裕を作る |
| 相手DFが押し上げているか? |
動き直し・斜めランを使う |
裏一本でなく足元受けを混ぜる |