守備ラインがバラバラになる原因と改善策|声かけ・ポジショニング・ラインコントロールの実践ガイド
投稿日:2026年2月16日
カテゴリー:
試合の状況別の問題解決法
守備ラインがバラバラになる原因と改善策|声かけ・ポジショニング・ラインコントロールの実践ガイド
守備ラインが崩れる最大の要因は「基準(ラインの高さ・横幅・マークの受け渡し)」が共有されていないことと、
それを即時に修正する共通言語(コーチングワード)が不足していることです。
ここでは、ラインを保つための声かけと、各ポジションが取るべき立ち位置・身体の向き・距離感を、実戦向けに整理します。
まず押さえる:ラインを保つための3つの基準
| 基準 |
目安 |
崩れる典型例 |
修正のキーワード |
| 縦(ラインの高さ) |
ボール位置に対して最終ラインが同時に上下する |
1人だけ下がる/裏を怖がり過ぎて全体が後退 |
「上げる」「押し上げ」「止める」 |
| 横(ユニット幅) |
ボールサイドへスライドし、逆サイドは絞る |
逆サイドが開き過ぎて中央にギャップができる |
「スライド」「絞れ」「寄せる」 |
| 間(ライン間・人間距離) |
最終ライン内の横距離を一定に保つ |
CBとSBの間が空く/CB同士が離れて中央が空く |
「詰めろ」「近い」「ギャップ消せ」 |
ラインを揃える声かけ:短く・同じ言葉で・誰が出すかを固定
声かけは長文よりも、短い共通ワードを繰り返す方がユニットが揃います。
さらに「誰が号令を出すか」を固定すると、判断のブレが減ります(例:CBが基準、GKが最終確認)。
| 状況 |
最優先の目的 |
推奨コーチングワード(例) |
主に号令を出す人 |
| 相手が前向きでボール保持(中盤で前進可能) |
まず遅らせてブロック維持 |
「遅らせろ」「前向かせるな」「時間作れ」 |
ボールサイドCB/アンカー |
| 相手が背中向き・受け手が止まっている |
ラインを上げて圧縮 |
「上げる!」「押し上げ!」「ライン出す!」 |
CB(+GKが確認) |
| サイドで相手が縦突破を狙う |
SB孤立を防ぎ、内側のギャップ消し |
「カバー内!」「中締め!」「挟む!」 |
ボールサイドCB/SB |
| 裏抜けやロングボールの気配 |
背後管理と落ちる判断の統一 |
「裏ケア」「落ちる(だけ)」「揃えて下がる」 |
GK(最終)+CB |
| クロスが上がる直前 |
ライン崩壊の防止(ニア・中央・ファーの担当整理) |
「ニア取る」「中央締め」「ファー絞れ」 |
CB(中央) |
| セカンドボール局面(跳ね返し後) |
即時の押し上げで再圧縮 |
「出る!」「上げる!」「ライン揃え!」 |
CB/アンカー |
ポジショニングの原則:4バックを例に「立ち位置・身体の向き・距離」を統一
1) 最終ラインの横距離:ギャップを作らない
| ペア |
目安 |
崩れる原因 |
修正ポイント |
| CB–CB |
中央を空けない距離(相手1人が入れない幅) |
ボールに釣られて片方が出過ぎる |
片方が出たらもう片方は「中央優先」でスライド |
| SB–CB(ボールサイド) |
縦突破と内側侵入の両方を消せる距離 |
SBが高く出て、背後と内側が同時に空く |
SBが出るならCBが「内側カバー」+WGが戻る |
| SB–CB(逆サイド) |
逆サイドSBは絞って中央寄り |
逆SBが開いたままで中央のギャップが拡大 |
「逆は絞る」を合言葉に、常に中央の人数確保 |
2) ラインの高さ:上げる/下げるを「ユニット」で実行
ラインが乱れるのは、1人だけが落ちる/出ることで発生します。
「落ちるなら全員で」「上げるなら全員で」を徹底し、判断基準を固定します。
| トリガー(合図) |
ラインの動き |
理由 |
コーチング例 |
| 相手が背中向き/ボールが止まった |
押し上げて圧縮 |
前進できない瞬間にライン間を消す |
「上げる!」「押し上げ!」 |
| 相手が前向きで運べる/ロングキックの準備 |
揃えて下がる(or 深さを確保) |
背後のスペース管理を優先 |
「裏ケア」「揃えて落ちる」 |
| サイドで詰まり、パスコースが限定 |
スライドしつつ押し上げ |
外で閉じ込め、中央の侵入を防ぐ |
「スライド!」「寄せ切れ!」 |
3) 身体の向き:ボールと背後を同時に見る
| ポジション |
基本の身体の向き |
意識する視野 |
よくあるミス |
| CB |
半身(ボールと裏の両方に対応) |
ボール+裏抜けのスタート |
正対し過ぎて裏対応が遅れる |
| SB |
タッチラインを味方にしつつ半身 |
縦突破+内側侵入 |
縦だけを切って内側レーンが空く |
| GK |
最終ラインの背後を常に確認 |
ロングボール/抜け出し/ライン調整 |
指示が遅れ、CBが各自判断になる |
ラインが崩れやすい場面別:具体的な修正手順
| 崩れた状況 |
起きている問題 |
その場でやる修正(優先順位) |
声かけ例 |
| 最終ラインの1人だけが落ちて、オフサイドが揃わない |
縦の基準が共有されていない |
①落ちた選手を基準にしない ②CBが高さ決定 ③全員同時に動く |
「止める!」「ラインここ!」「揃えて!」 |
| SBが出てCB–SB間が割れる |
カバーの連動不足 |
①ボールサイドCBが内側カバー ②WGが戻る ③逆SBは絞る |
「カバー内!」「戻れ!」「逆絞れ!」 |
| ボールサイドに寄り切れず中央の縦パスが入る |
横スライド不足でライン間が残る |
①全体をボールへ寄せる ②逆サイドは絞る ③アンカーがライン前を埋める |
「スライド!」「中央締め!」「前埋めろ!」 |
| クロス前にラインが崩れてニア/ファーが空く |
担当の整理不足 |
①ニア優先 ②中央人数確保 ③ファーは絞り切る |
「ニア!」「中央!」「ファー絞れ!」 |
まとめ:ラインを揃えるための最小セット
- 基準:縦(高さ)・横(スライド)・間(ギャップ)を共通化する
- 共通言語:短いワード(上げる/絞れ/詰めろ/裏ケア)を固定する
- 号令の担当:CBが基準、GKが最終確認(誰が言うかを決める)