1. 更年期症状とは?|ホルモン変化と自律神経の乱れ
| 主な時期 |
一般的に45〜55歳頃(個人差あり)。閉経前後のホルモン変動が大きい時期。 |
| 主な要因 |
女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少により自律神経が不安定になりやすい。 |
| 症状の特徴 |
症状の種類が多く、強さや出方に個人差が大きい。日内・週内で波が出やすい。 |
| よくある症状 |
ほてり・発汗(ホットフラッシュ)、動悸、不眠、情緒不安定、イライラ、落ち込み、冷え、頭痛、肩こり、疲労感など。 |
更年期のセルフケアでは「自律神経を整える」「骨・筋肉を守る」「睡眠の質を上げる」「ストレス反応を下げる」を同時に狙うと、
症状の波を小さくしやすくなります。まずは“できる量”から始め、日々の変動に合わせて負荷を柔軟に調整することが重要です。
2. 運動習慣|自律神経と血流を整え、骨量・筋力低下を予防する
運動の基本方針(安全・継続優先)
| 狙い |
血流改善、ストレス耐性向上、睡眠の質改善、骨量維持、筋力低下予防、体重管理。 |
| 推奨強度 |
軽度〜中等度(会話ができる程度)。疲労が強い日は「短時間・低強度」に切り替える。 |
| 継続のコツ |
毎回100点を目指さず「週に合計で積み上げる」。10分×複数回でも効果は得られる。 |
有酸素運動(自律神経・血流の安定に有効)
| 種目 |
頻度 |
時間 |
強度の目安 |
ポイント |
| ウォーキング |
週3〜6回 |
15〜30分 |
会話ができる |
朝〜夕方の実施が継続しやすい。寝る直前の強い運動は避ける。 |
| 水中運動(プール歩行など) |
週1〜3回 |
20〜40分 |
呼吸が乱れない |
関節負担が少なく、のぼせや体温調整が苦手な人にも選択肢になりやすい。 |
| 軽いサイクリング(可能な人) |
週1〜3回 |
15〜30分 |
やや楽 |
脚の循環を促進。疲労が残る場合は頻度か時間を調整。 |
筋トレ(骨量維持・筋力低下予防:週2〜3回)
| 種目 |
狙い |
目安 |
注意点 |
| スクワット(椅子立ち座りでも可) |
下半身の筋力・熱産生、転倒予防 |
8〜12回 × 1〜3セット |
呼吸を止めない。膝が内側に入らない。めまい時は中止。 |
| ヒップリフト |
お尻・体幹の安定、腰部負担軽減 |
10〜15回 × 1〜3セット |
腰を反らし過ぎない。かかとで床を押す。 |
| カーフレイズ(かかと上げ) |
ふくらはぎのポンプ作用、循環改善 |
12〜20回 × 2〜3セット |
ゆっくり動かす。ふらつく場合は壁や椅子に手を添える。 |
| プッシュアップ(壁・台でも可) |
上半身の筋力維持 |
6〜12回 × 1〜3セット |
肩に痛みがある場合は角度を調整。 |
ヨガ・ピラティス(ストレス軽減・呼吸調整)
- 週1〜3回、10〜30分でも十分。呼吸と姿勢を整えることで自律神経が安定しやすい。
- 目的は「追い込む」ではなく「緊張を下げる」。不眠傾向がある人は夜に軽めの実施も有効。
- 首・肩の力み、胸郭の硬さ、股関節の可動性を整えるメニューを優先。
3. 食事アドバイス|ホルモン変化期の栄養基盤を整える
更年期の食事で意識したい軸
| 基本 |
たんぱく質・野菜・主食のバランスを維持し、血糖の乱高下を抑える(気分変動・疲労感対策)。 |
| 大豆製品 |
大豆イソフラボンを含む食品(納豆・豆腐・豆乳など)を日常的に取り入れる。 |
| ミネラル・ビタミン |
ビタミンE、B群、マグネシウムなどを意識し、神経・代謝・ストレス耐性を支える。 |
| 控えたいもの |
カフェイン・アルコールの過剰摂取(ほてり、動悸、不眠の悪化につながる場合がある)。 |
推奨食品と狙い
| 栄養素 |
期待できる方向性 |
食品例 |
| 大豆製品(イソフラボン) |
ホルモン変動期の食習慣として取り入れやすい |
納豆、豆腐、味噌、豆乳、おから |
| ビタミンE |
血流や抗酸化の観点から食事の質を底上げ |
ナッツ、アボカド、かぼちゃ、植物油(適量) |
| ビタミンB群 |
エネルギー代謝と神経機能を支える |
豚肉、魚、卵、豆類、玄米 |
| マグネシウム |
筋・神経の調整、睡眠の質に関与する可能性 |
海藻、ナッツ、豆類、全粒穀物、魚介 |
| たんぱく質 |
筋力維持・骨のサポート、疲労感対策 |
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品 |
カフェイン・アルコールの調整(症状に合わせた最適化)
- のぼせ・動悸・不眠が強い日は、カフェインを午前中に限定し、量を減らす。
- アルコールは睡眠の質を下げやすい。頻度・量・時間(就寝前を避ける)を見直す。
- 「完全にゼロ」がストレスになる場合は、まず“回数・時間帯”の調整から始める。
取り入れやすい食事例
| タイミング |
例 |
狙い |
| 朝 |
納豆+卵+ご飯+味噌汁 |
大豆+たんぱく質で土台づくり。体温と血糖を安定させる。 |
| 昼 |
魚定食(焼き魚+野菜+主食) |
たんぱく質とミネラル、脂質の質を整える。 |
| 夜 |
豆腐・野菜たっぷり鍋+肉/魚を適量 |
消化負担を抑えつつ栄養密度を確保。睡眠の質向上を狙う。 |
4. ストレスと睡眠|自律神経を整える「毎日の手順化」
呼吸法・瞑想(短時間でも有効)
| 方法 |
時間 |
実施タイミング |
ポイント |
| 鼻で吸って、口で長く吐く呼吸 |
1〜3分 |
朝・仕事の合間・就寝前 |
吐く時間を長めにし、肩の力を抜く。 |
| 簡易瞑想(呼吸に注意を向ける) |
3〜10分 |
就寝前、気分が乱れた時 |
雑念が出ても戻すだけで良い。うまくやろうとしない。 |
睡眠衛生(不眠・中途覚醒の対策)
| スマホ・強い光 |
就寝前30〜60分は使用を減らす(難しければ“画面を暗くする・通知を切る”から)。 |
| 入浴 |
ぬるめ(38〜40℃)で10〜15分を目安。就寝の1〜2時間前が目安。 |
| 寝室環境 |
室温・湿度、寝具、光、音を調整。ほてりがある人は寝具の通気性を優先。 |
| 運動の時間帯 |
強めの運動は就寝直前を避ける。夜はストレッチやヨガなど軽めが適する場合が多い。 |
更年期は「睡眠が崩れる→ストレスが増える→自律神経が乱れる→症状が強くなる」という悪循環が起こりやすい時期です。
まずは睡眠の土台(光・入浴・就寝前行動)を整え、運動は“回復を促す強度”を中心に設計してください。
5. 補足|医療との併用を前提に、早めに相談すべきケース
| 受診を推奨する状況 |
強い不調が続く、気分の落ち込みが長引く、日常生活や仕事に支障が出る、動悸や不眠が顕著など。 |
| 相談先の例 |
婦人科、更年期外来、心療内科(症状に応じて)。 |
| 医学的介入の例 |
HRT(ホルモン補充療法)など、症状や既往歴に応じた治療選択肢がある。 |
更年期症状は我慢し続けるほど生活の質が低下しやすく、適切な支援を受けることで改善が見込めるケースも多くあります。
セルフケアは有効ですが、症状が強い場合は医療機関に相談し、必要に応じて治療と生活改善を組み合わせて進めてください。
継続のコツ|「できる日」と「できない日」を前提に設計する
| 状況 |
推奨プラン |
狙い |
| 体調が良い日 |
ウォーキング20〜30分+下半身筋トレ(短め) |
体力・骨・筋肉の維持と気分の安定 |
| 普通の日 |
ウォーキング10〜20分+ストレッチ |
血流と自律神経の安定を継続 |
| 不調の日 |
呼吸法1〜3分+軽いストレッチ |
ゼロにしないことでリズムを守る |
無理のない範囲で少しずつ生活に取り入れ、継続可能な工夫を大切にしてください。
更年期は変化の時期であり、短期の結果よりも「安定した習慣」に価値があります。