1. 睡眠障害とは?(症状と主な原因)
| 代表的な症状 |
内容 |
よくある背景 |
| 入眠困難 |
寝つくまでに時間がかかる |
交感神経の高ぶり、就寝前の強い刺激(スマホ・仕事)、カフェイン |
| 中途覚醒 |
夜中に何度も目が覚める |
ストレス、飲酒、寝室環境(温度・音・光)、頻尿 |
| 早朝覚醒 |
予定より早く目が覚め、その後眠れない |
生活リズムの乱れ、過度な疲労、心理的要因 |
| 熟眠感の低下 |
睡眠時間はあるのに疲れが取れない |
睡眠の質低下(深い睡眠が少ない)、運動不足、ストレス蓄積 |
睡眠改善で重要なのは、原因を1つに決めつけず、「交感神経を下げる」「体内時計を整える」「睡眠圧(眠気の蓄積)を作る」の3軸で介入することです。
※睡眠圧:起きている時間が長くなるほど高まる眠気の“圧”。昼寝や夜更かしで崩れやすい。
2. 推奨される運動(タイミング設計が最重要)
運動は睡眠の質を高めやすい一方、強度と時間帯を間違えると逆効果になります。
目的は「日中に適度な活動で睡眠圧を作り、夕方〜夜にかけて副交感神経が優位になりやすい流れを作る」ことです。
運動の基本方針(安全で継続しやすい設計)
| 運動タイプ |
おすすめ時間帯 |
内容 |
狙い |
| 軽い有酸素 |
夕方〜夜(就寝2〜4時間前) |
ウォーキング、軽い自転車 |
緊張を下げ、体温リズムを整える |
| ストレッチ・ヨガ |
夜(就寝30〜90分前) |
呼吸を止めない軽い動き |
副交感神経を優位にしやすい |
| 筋トレ |
日中〜夕方早め |
全身の基本種目を中強度で |
日中の活動量を上げ、夜の眠気を作る |
推奨メニュー例(週の型)
| 頻度 |
内容 |
目安 |
注意点 |
| 週4〜7 |
ウォーキング |
20〜40分(分割可) |
息が上がりすぎない強度(会話ができる範囲) |
| 週2〜3 |
筋トレ(下半身+背中+体幹) |
30〜45分 |
就寝直前は避ける(交感神経が上がりやすい) |
| 毎日 |
夜のストレッチ/ヨガ |
5〜10分 |
痛みが出る伸ばし方はしない(リラックス優先) |
就寝前に避けたい運動
- 高強度インターバル、全力ダッシュ、重い高重量の筋トレ
- 心拍が上がり続ける長時間の激しい運動(就寝直前)
- 勝ち負けや緊張を伴う競技(就寝前)
※夜に運動する場合は「息が整う」「体が温まり、終わった後に落ち着く」強度が基準です。
3. リラックス法(寝る前の自律神経を整える)
睡眠不調の多くは、就寝時に交感神経が下がり切っていないことが関与します。
寝る前は「頑張る」より「下げる」を徹底します。
寝る前ルーティン(10分でできる)
| 手順 |
内容 |
ポイント |
| 1:深呼吸 |
4秒吸う→6秒吐く×5セット |
吐く息を長めにして副交感神経を優位にする |
| 2:軽いストレッチ |
首・胸・股関節・背中を軽く伸ばす |
痛みが出ない強度で、呼吸を止めない |
| 3:短い瞑想 |
呼吸に意識を向ける(1〜3分) |
考えが浮かんでも戻すだけ(追わない) |
ブルーライトと刺激の管理
- スマホ・PCは就寝1時間前までを目安にオフ
- 寝室では通知を切る、画面の強い光を避ける
- 就寝直前のSNS・ニュースなど「感情が動く情報」を避ける
4. 睡眠環境と生活習慣(寝室・体内時計・起床ルール)
睡眠環境(寝室の条件)
| 要素 |
推奨 |
実務ポイント |
| 温度 |
16〜20℃が目安 |
寒すぎ・暑すぎは中途覚醒の原因になりやすい |
| 光 |
暗くする |
遮光カーテン、常夜灯は最小限 |
| 音 |
静かにする |
難しい場合は耳栓・ホワイトノイズを検討 |
| 寝具 |
首・腰が楽な枕とマット |
寝返りが打てる硬さを目安に調整 |
生活習慣(体内時計の調整)
| 行動 |
推奨 |
狙い |
| 起床・就寝時間 |
毎日ほぼ同じ(週末も±60分以内) |
体内時計の安定 → 入眠・中途覚醒が改善しやすい |
| 朝日を浴びる |
起床後30分以内に5〜15分 |
体内時計のリセット、夜の眠気を作る |
| 昼寝 |
するなら15〜20分以内、夕方以降は避ける |
睡眠圧を落としすぎない |
5. 食事の注意(就寝前の刺激を減らす)
基本ルール
- 寝る2時間前以降の食事は避ける(難しい場合は軽くする)
- カフェインは午後遅い時間に入れない(個人差が大きいが夕方以降は避けるのが安全)
- アルコールは中途覚醒の原因になりやすい(寝つきが良くなったように見えて質が落ちる)
睡眠ホルモンの材料を意識(トリプトファン)
トリプトファンは体内でセロトニンやメラトニン(睡眠に関わるホルモン)合成に関与します。
食品としては、乳製品・大豆・バナナなどが取り入れやすい選択肢です。
※トリプトファン:必須アミノ酸の一種。体内で作れないため食事から摂取する。
| 就寝前に向く軽食(必要時) |
例 |
ポイント |
| 軽めのたんぱく質 |
ホットミルク、ヨーグルト、豆乳 |
量を少なくして胃腸負担を避ける |
| 炭水化物少量 |
バナナ半分、少量のオートミール |
空腹が強いときの補助(食べ過ぎない) |
強い症状がある場合の注意(安全管理)
- 日中の強い眠気、集中困難、抑うつ、過呼吸、強い不安がある場合は、医療機関への相談を優先してください。
- いびき・呼吸停止が疑われる場合(睡眠時無呼吸の可能性)は、睡眠評価(検査)を検討してください。
- 運動で動悸・胸痛・めまいが出る場合は中止し、医療機関へ相談してください。