筋トレで筋肉量が増えると基礎代謝はどう変わる?「太りにくさ」を科学的に解説

投稿日:2025年12月20日  カテゴリー:筋力トレーニングを行うことで得られるメリット

筋トレで筋肉量が増えると基礎代謝はどう変わる?「太りにくさ」を科学的に解説

筋トレで筋肉量が増えると「基礎代謝が上がって太りにくくなる」とよく言われます。結論から言うと、 筋肉量の増加は基礎代謝(BMR)を押し上げる方向に働く一方で、“劇的に”上がるケースは多くありません。 ただし、太りにくさ(体脂肪が増えにくい状態)を作るうえでは、基礎代謝だけでなく 総消費カロリー(TDEE)全体が上がりやすくなることが本質です。

まず整理:基礎代謝(BMR)とは何か

基礎代謝(BMR)は、安静にしていても生命維持のために消費されるエネルギーです。 1日の消費エネルギー(TDEE)は、大きく次の要素で構成されます。

要素 概要 増えやすい要因 筋トレとの関係
基礎代謝(BMR) 呼吸・体温維持・臓器活動などの最低限の消費 除脂肪量(筋肉含む)、体格、年齢、性別 筋肉量増で上がる方向(ただし上昇幅は“中〜小”が多い)
活動代謝(運動+日常活動) 歩く・立つ・家事・トレーニングなど 歩数、立ち時間、運動習慣 筋力が上がると活動量を上げやすく、総消費が増えやすい
食事誘発性熱産生(TEF) 食べ物の消化吸収に必要な消費 摂取カロリー、特にタンパク質 筋トレ民は高タンパクになりやすく、TEFが増えやすい
運動後過剰酸素消費(EPOC) 運動後に回復のため増える消費 運動強度・量 筋トレ後に一定の上乗せが起きる(量は強度次第)

筋肉量が増えると基礎代謝が上がる「科学的な理由」

基礎代謝は、主に除脂肪量(Fat Free Mass)に強く影響されます。 除脂肪量には筋肉だけでなく、骨・臓器・体水分などが含まれますが、 筋トレで増やせる主要な要素が筋肉量です。

ポイント:筋肉は“動いていなくても”エネルギーを使う

骨格筋は安静時でも、細胞の維持(タンパク質の合成と分解、イオンバランス維持など)にエネルギーを使います。 そのため筋肉量が増えれば、安静時消費は増える方向に働きます。

ただし誤解しやすい点:「筋肉=超ハイ燃費」ではない

よくある誤解は「筋肉が1kg増えたら毎日すごく燃える」というイメージです。 実際には、安静時に最もエネルギーを使うのは脳・肝臓・心臓・腎臓などの臓器であり、 骨格筋の安静時消費は臓器ほど大きくありません。

したがって、筋肉量増加によるBMR上昇は現実的には“じわじわ”です。 しかし、ここが重要で、太りにくさはBMR単体よりも、次の複合効果で生まれます。

太りにくくなる本質:BMR上昇+「総消費(TDEE)」が上がりやすい体になる

  1. 活動量(NEAT含む)が増えやすい
    筋力が上がると、階段・移動・家事などの負担が軽くなり、結果として歩数や立位時間が増えやすくなります。 これが長期的に大きな差になりやすいポイントです。
  2. 筋トレ自体の消費+EPOCの上乗せ
    セッション中の消費に加え、運動後も回復過程で消費が上乗せされます(強度・量に依存)。
  3. 高タンパク食になりやすくTEFが増える
    タンパク質は消化吸収にエネルギーを使いやすく、同じカロリーでも“差”が出ます。
  4. 体組成が改善し、同体重でも見た目と代謝の質が変わる
    脂肪が減り筋肉が増えると、同じ体重でも「消費しやすい体」になりやすい。

イメージしやすい例:筋肉量増加が“毎日の余裕”を作る

筋肉量が増えるとBMRは上がりやすいものの、上昇幅は「小〜中」になりがちです。 それでも、筋力アップによって日常の活動量が上がり、食事の組み方が整うと、 体脂肪が増えにくい状態(エネルギー収支がプラスになりにくい状態)を作りやすくなります。

筋トレで「太りにくさ」を最大化する実践ポイント

狙い やること 理由(科学的に合理的な説明) 目安
筋肉量を増やす 全身の多関節種目(スクワット/ヒンジ/プレス/ロー) 大筋群を効率よく刺激し、除脂肪量増に寄与しやすい 週2〜4回
TDEEを底上げ 歩数・立位時間を増やす(NEAT) 日々の積み重ねが消費の差を作りやすい まずは平均+2,000歩
TEFを活かす タンパク質を十分に 筋合成の材料+食事誘発性熱産生の面で有利 体重×1.6g/日を目安に調整
リバウンド回避 極端な食事制限を避ける 活動量低下・筋量低下を招くと、長期で不利になりやすい 無理なく継続

まとめ

  • 筋肉量が増えると、除脂肪量が増えるため基礎代謝は上がる方向に働く。
  • ただし、筋肉の安静時消費は臓器ほど大きくないため、BMRの上昇は“じわじわ”になりやすい
  • 太りにくさの本質は、BMRだけでなく、活動量(NEAT)・筋トレの消費・TEF・EPOCなどを含むTDEE全体が上がりやすい体を作ること。
  • 筋トレ+日常の歩数+高タンパクの組み合わせが、科学的に見て最も再現性が高い。

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