足根管症候群の症状とセルフケア|足裏のしびれ・痛みを軽減する対処法と再発予防(ストレッチ・靴・負荷調整)
足根管症候群(そくこんかんしょうこうぐん)は、足首の内側にある足根管(靭帯や骨で作られるトンネル)で、 後脛骨神経(こうけいこつしんけい)が圧迫・刺激されることで、 足裏のしびれ、灼熱感(やけるような痛み)、ピリピリする感覚が出やすい状態です。 早期に負担の原因(圧迫・過回内・靴の問題など)を見直すことで、症状の悪化を防ぎやすくなります。 ただし、神経症状は放置すると長引くことがあるため、強い症状や進行が疑われる場合は医療機関での評価が重要です。
1. 足根管症候群とは?(原因と症状の特徴)
足根管は、足首の内側(内果:ないか)付近にあり、神経・血管・腱が通るスペースです。 ここで後脛骨神経が圧迫されると、神経支配領域である足裏(かかと〜土踏まず〜指先)に しびれや痛みが出ることがあります。
主な原因
| 原因カテゴリ | 具体例 | 起こりやすいこと |
|---|---|---|
| 圧迫・摩擦 | きつい靴、硬い履物、長時間立位 | 足首内側〜足根管で神経が刺激される |
| 足部アライメント | 偏平足・過回内 | 足根管周辺の組織に張力がかかりやすい |
| 過負荷 | ランニング・ジャンプの反復、急な運動増加 | 腱・周囲組織の腫れが神経圧迫に関与 |
| 外傷・腫れ | 足首捻挫後の腫れ、内出血 | 足根管内の圧が高まりやすい |
| スペースを占拠する要因 | ガングリオン、骨棘など(疑い) | 神経の通り道が狭くなる |
代表的な症状
- 足裏のしびれ(ピリピリ、ジンジン)
- 灼熱感(熱い、焼けるような痛み)
- 長く歩く・立つと悪化し、休むと軽くなることがある
- 夜間や入浴後に症状が強まるケースもある
受診を優先すべきサイン
- しびれが強く、範囲が広がっている
- 足指の力が入りづらい、筋力低下を感じる
- 安静にしても改善しない、夜間痛が強い
- 足首の内側に明らかな腫れ・しこりがある
- 糖尿病など神経症状が出やすい基礎疾患がある
2. 観察ポイント(セルフチェックの目安)
足根管症候群は「痛み」よりも「神経症状(しびれ・灼熱感)」が中心になりやすいのが特徴です。 次のポイントを確認し、悪化傾向がある場合は早めに専門家へ相談してください。
| 観察ポイント | チェック内容 | 意味する可能性 |
|---|---|---|
| 症状の出るタイミング | 歩行・立位で増悪し、休むと軽減するか | 足根管での圧迫・負荷関連の疑い |
| しびれの範囲 | 足裏(踵・土踏まず・指)に広がるか | 後脛骨神経領域の症状の可能性 |
| 靴との関連 | 靴を替えると軽くなる/きつい靴で悪化 | 圧迫・摩擦要因が強いサイン |
| 足の形・アーチ | 偏平足・過回内が目立つ | 足根管周辺の張力増加に関与 |
| 筋力低下 | 足指がうまく動かない、踏ん張れない | 神経症状の進行の可能性(要受診) |
3. 急性期〜症状が強い時の基本対応(負荷・圧迫を下げる)
神経症状が強い時期は、原因になりやすい圧迫と過負荷を減らすことが優先です。 痛みを我慢して運動を継続すると、しびれが長引くことがあります。
| 対応 | 目的 | 具体例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 負荷調整 | 神経への刺激低下 | 長時間歩行・ラン・ジャンプを一時的に減らす。症状が出る活動を短縮。 | 完全停止が長引く場合は代替運動(痛みの出ない範囲)を検討。 |
| アイシング | 周囲組織の炎症管理 | 10〜15分を目安に冷却(症状の反応を見ながら)。 | しびれが強い場合は冷やしすぎに注意。 |
| 圧迫要因の除去 | 足根管への圧低下 | きつい靴を避け、靴紐の締め方を調整。硬いカウンターの靴は変更検討。 | 「当たり」があるだけで悪化することがある。 |
| 挙上・休息 | 腫れの軽減 | 可能な範囲で足を上げて休む。 | 腫れが強い場合は早期に受診も検討。 |
4. ストレッチとモビリティ(神経に“強い伸張”をかけない)
足根管症候群では、強いストレッチで神経症状が増えるケースがあります。 目的は「足首周囲の緊張を落として、圧迫・摩擦を減らす」ことであり、 痛みやしびれが増えない範囲で実施します。
| 対象 | 内容 | 目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 腓腹筋・ヒラメ筋 | 壁ストレッチ(膝伸ばし/膝曲げ)を軽度で実施 | 20秒 × 2回 | しびれが増える角度は避ける |
| 足趾・足底 | 足趾を軽く反らして足底の緊張を落とす | 15秒 × 1〜2回 | 強い痛みや灼熱感が出るなら中止 |
| 足首の可動域 | 背屈・底屈を小さく反復(痛みのない範囲) | 10回 × 1〜2セット | 反動を使わない |
5. トレーニング(アーチ安定と過回内の抑制)
足根管へのストレスを減らすうえで、足部の過回内が関与している場合は アーチの安定性を高めることが有効です。 ただし、神経症状が強い時期は無理をせず、症状が落ち着いてから段階的に行います。
| 種目 | 狙い | やり方(概要) | 回数・セット |
|---|---|---|---|
| ショートフット | 内側アーチの安定 | 足趾を握り込まず、土踏まずを軽く持ち上げて保持。 | 10秒 × 5回 × 2セット |
| タオルギャザー | 足底内在筋の活性 | 床のタオルを足趾でたぐり寄せる。 | 30〜60秒 × 2セット |
| 片足立ち(安全確保) | 支持・固有感覚 | 壁や椅子の近くで片足立ち。 | 20秒 × 2〜3回 |
6. インソール・靴の見直し(圧迫の除去+アーチサポート)
足根管症候群の改善では、靴が原因の「当たり」や、過回内によるストレスを減らすことが重要です。 日常生活の時間が長いほど、靴の影響は大きくなります。
| 項目 | 見直しポイント | 避けたい例 |
|---|---|---|
| 靴のフィット | 足首内側が圧迫されない、踵が安定する | きつい靴、硬いカウンターで擦れる靴 |
| アーチサポート | 内側アーチを支え、過回内を抑える | 柔らかすぎて沈み込むだけの中敷き |
| 衝撃吸収 | 歩行・走行の反復衝撃を軽減 | ソールが薄く硬い靴、摩耗した靴 |
| 靴紐の調整 | 甲と足首内側の圧迫を減らす | 強く締めて固定しすぎる |
7. 運動再開の目安(しびれ優先で判断する)
足根管症候群は、痛みよりもしびれが指標になりやすい点が特徴です。 以下を満たしたら、軽い有酸素(平地のウォーキング等)から段階的に戻します。
- 歩行・立位でしびれの増悪がない
- 足裏の灼熱感やピリピリが日ごとに改善傾向
- 靴やインソール調整で症状が安定している
- 運動後〜翌日に症状が悪化しない
参考(検索キーワード)
- 「足根管症候群 足裏 しびれ」
- 「後脛骨神経 圧迫 症状」
- 「偏平足 インソール アーチサポート」
- 「足首 内側 しびれ」
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。強いしびれ、筋力低下、範囲の拡大、腫れ・しこりがある場合は、 整形外科での診断を推奨します。