腓骨筋腱炎の原因と治し方|足首外側の痛みを改善するセルフケア・ストレッチ・チューブ筋トレ・再発予防
腓骨筋腱炎(ひこつきんけんえん)は、足首の外側を走る腓骨筋腱(長腓骨筋腱・短腓骨筋腱)に 反復負荷がかかることで、腱に炎症や微細損傷が起こり、足首外側〜足部外側の痛みが出る障害です。 足関節捻挫後の不安定性、過回内・過回外、坂道や不整地での反復、シューズの相性などが背景にあることが多く、 「負荷調整」+「可動域」+「腓骨筋の機能回復」+「再発予防」をセットで進めることが重要です。
1. 腓骨筋腱炎とは?(原因・症状の特徴)
腓骨筋(ひこつきん)は、足首の外側で足部を安定させ、歩行・ランニング・着地・切り返しの際に 足が内外に崩れないようコントロールします。腓骨筋腱炎では、この腱に負荷が集中しやすい状況が続き、 外くるぶし周辺(外果:がいか)〜足部外側に痛みが出やすくなります。
よくある症状
- 外くるぶし周辺の圧痛(押すと痛い)
- 歩行・ランニング後半で外側が痛む
- 不整地・坂道・方向転換で悪化しやすい
- 足首を外側に倒す(内反方向)動作で痛みが出ることがある
原因になりやすい要因
| 要因 | 具体例 | 負担が増える理由 |
|---|---|---|
| 足関節捻挫後の不安定性 | 外側靭帯損傷後、ふらつきが残る | 安定化のため腓骨筋が過活動になりやすい |
| 不整地・坂道の反復 | 芝・砂利・山道、傾斜路での走行 | 足部の横ぶれを抑える負担が増える |
| 過回内・過回外 | 偏平足、外側荷重の癖 | 腓骨筋腱に偏ったストレスがかかる |
| シューズの問題 | ソール摩耗、横ぶれしやすい靴 | 着地のブレを抑える負担が増える |
| 運動量の急増 | 距離・頻度・強度を急に増やす | 腱の適応が追いつかず炎症が起きやすい |
受診を検討すべきサイン
- 外くるぶし周辺が強く腫れる/熱感が強い
- 歩行困難、または痛みが日ごとに悪化する
- 捻挫後に「外側で引っかかる」「パキッと動く」ような感覚がある(腱の不安定性の疑い)
- 数日〜1週間の負荷調整でも改善傾向が乏しい
2. 急性期対応(痛みが強い時期の基本)
痛みが強い時期は、腓骨筋腱への反復ストレスを減らし、炎症を落ち着かせます。 とくに不整地・坂道・切り返しは腓骨筋の負担が増えやすいため、短期間でも優先的に回避します。
| 対応 | 目的 | 具体例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 負荷調整 | 追加損傷の予防 | ラン・ジャンプ・不整地・方向転換を一時的に減らす。必要なら自転車へ置換。 | 痛みが出る活動を「我慢して続けない」。 |
| アイシング | 痛み・炎症管理 | 10〜15分を目安に冷却(皮膚状態を見ながら)。 | 凍傷防止。直接当て続けない。 |
| 圧迫・サポート | 腫れ・不快感の軽減 | 軽いサポーター、テーピングで外側の不安感を軽減。 | 締めすぎは循環障害。しびれ・色変化に注意。 |
| シューズ調整 | 横ぶれの抑制 | ソール摩耗の強い靴は交換。踵が安定する靴を選ぶ。 | 柔らかすぎて横ぶれする靴は悪化要因。 |
3. ストレッチと可動域(足関節の動きを整える)
腓骨筋腱炎では、足首の動き(背屈・底屈)やふくらはぎの硬さが影響し、外側にストレスが集中することがあります。 ただし、強い痛みがある場合は無理に伸ばさず、痛みが増えない範囲で行います。
| 対象 | 方法(概要) | 目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 腓腹筋(膝伸ばし) | 壁ストレッチで踵を床へ(軽く)。 | 20〜30秒 × 2回 | 外側痛が増える角度は避ける。 |
| ヒラメ筋(膝曲げ) | 膝を曲げた状態で踵を床へ(軽く)。 | 20〜30秒 × 2回 | アキレス腱付近に痛みが出るなら中止。 |
| 足関節ROM | 背屈・底屈を小さく反復(痛みのない範囲)。 | 10回 × 1〜2セット | 反動を使わない。 |
4. トレーニング(腓骨筋の機能回復+バランス)
腓骨筋腱炎は、腱の回復だけでなく、足関節を安定させる仕組みを再構築することが再発予防につながります。 チューブを使った外返し(外反)の筋トレと、片足支持のバランストレーニングを段階的に行います。
チューブ筋トレ(痛みが出ない範囲)
| 種目 | 狙い | やり方(概要) | 回数・セット |
|---|---|---|---|
| 外反(エバージョン) | 腓骨筋(とくに短腓骨筋)の強化 | チューブを足にかけ、足を外側へ開くように動かす(ゆっくり)。 | 10〜15回 × 2セット |
| 背屈・底屈(補助) | 足関節周囲筋のバランス | チューブで背屈・底屈を痛みのない範囲で実施。 | 10〜15回 × 1〜2セット |
バランストレーニング
| 種目 | 目的 | 方法(概要) | 目安 |
|---|---|---|---|
| 片足立ち(安全確保) | 固有感覚・安定性 | 壁や椅子の近くで片足立ち。 | 20秒 × 2〜3回 |
| 片足立ち+軽いリーチ | 動的安定性 | 片足のまま前後左右へ軽く手を伸ばす。 | 各方向5回 × 2セット |
5. 再発予防(捻挫対策・着地・シューズ)
腓骨筋腱炎は、捻挫の既往や足関節の不安定性があると再発しやすくなります。 運動量・環境・動作の3点をセットで管理してください。
| 観点 | 見直しポイント | 実践例 |
|---|---|---|
| テーピング/サポーター | 不安定性の補助 | 復帰初期や不整地では外側捻挫を予防する目的で活用。 |
| 着地・切り返し | 足首の内反を抑える | 膝とつま先の向きを揃え、急な内反を避ける。 |
| 下腿筋力 | 腓骨筋群と下腿三頭筋のバランス | 外反チューブ+カーフレイズを段階的に継続。 |
| 靴・路面 | 横ぶれと摩耗 | 摩耗した靴は早めに交換。復帰初期は平坦路を優先。 |
| 運動量管理 | 急増が最大リスク | 距離・強度・頻度は段階的に増やし、痛みが出たら一段階戻す。 |
参考(検索キーワード)
- 「腓骨筋腱炎 足首 外側 痛み」
- 「腓骨筋 チューブ 外反 トレーニング」
- 「足関節 捻挫 予防 バランス」
- 「外くるぶし 痛い ランニング」
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。腫れが強い、外側で引っかかる感覚がある、痛みが長引く場合は、 整形外科での評価を推奨します。