骨盤底筋群とは?位置・働き(姿勢/腹圧/排尿排便)と鍛え方(初級〜上級)+ストレッチ/ケア完全ガイド

投稿日:2026年1月7日  カテゴリー:インナーマッスル

骨盤底筋群とは?位置・働き(姿勢/腹圧/排尿排便)と鍛え方(初級〜上級)+ストレッチ/ケア完全ガイド

骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)は、骨盤の「底」でハンモックのように内臓を支える筋肉の総称です。 いわゆる見た目の筋肥大を狙う筋ではなく、排尿・排便のコントロール、姿勢の安定、腹圧(お腹の内側の圧)の調整など、 生活機能とパフォーマンスの土台に直結します。

1. 骨盤底筋群の基本情報(位置、主な働き、関連する日常動作)

位置 骨盤の最下部(底)にあり、恥骨(ちこつ:骨盤の前側)〜尾骨(びこつ:骨盤の後ろ側)付近にかけて広がります。 膀胱(ぼうこう)・直腸(ちょくちょう)・(女性では)子宮などの骨盤内臓器を下から支える位置関係です。
構成(どんな筋の集まり?) 代表的には肛門挙筋群(こうもんきょきんぐん)と尾骨筋(びこつきん)を中心に構成されます。
※「肛門挙筋群」=骨盤底の中心的な支持筋の集まり(恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋、恥骨直腸筋など)。 個々の筋名は難しく感じる場合、まずは「骨盤底の支持筋の集合体」として捉えれば十分です。
主な働き
  • 骨盤内臓器の支持: 膀胱・直腸・(女性では)子宮などを適切な位置に保ちます。
  • 排尿・排便のコントロール: 尿道や肛門の開閉に関わり、「我慢する/出す」を調整します。
  • 腹圧の調整(体幹の安定): 横隔膜・腹横筋・多裂筋などの深層筋と連携し、お腹の内圧をコントロールして胴体を安定させます。
    ※腹圧=お腹の内側の圧。適切に使えると、腰が反りすぎたり丸まりすぎたりするのを抑えやすくなります。
  • 性機能への関与: 会陰部(えいんぶ:股の下の部位)周囲の筋の緊張・弛緩に関係します。
関連する日常動作
  • くしゃみ・咳・笑う(腹圧が急に上がる場面)
  • 重い物を持つ/立ち上がる(踏ん張りが必要な場面)
  • 長時間の座位・立位(姿勢保持)
  • トイレ動作(出す/止めるの調整)

初心者が押さえるべきポイント

  • 骨盤底筋群は「強く締め続ける筋」ではなく、締める(収縮)+ゆるめる(弛緩)+必要時に下げるまで含めて機能します。
  • 誤りやすいのは、腹筋を強く固めて息を止めること。まずは呼吸を止めずに、骨盤底の軽い収縮と弛緩を作ることが優先です。

2. 代表的な筋力トレーニング種目(初級〜上級)

骨盤底筋群は「フォームの精度」が成果を左右します。 目安は“軽く引き上げる感覚”で、過度な力み(腹圧の暴走)を避けます。
※感覚の目安:会陰部が「内側・上方向にやや引き上がる」イメージ。 痛みや違和感がある場合は中止し、無理に強く締めないでください。

レベル 種目 やり方の要点(狙い/フォーム) 目安
初級 骨盤底筋の基本収縮(いわゆるKegel) 仰向けまたは椅子座位で、息を吐きながら会陰部を“軽く引き上げる”。 吸う息でゆるめる(完全に脱力する意識)。
注意:お尻をギュッと締めすぎない。太もも内側に力が入りすぎない。
5秒収縮→5秒弛緩 ×8〜12回
初級 呼吸連動(吐く=引き上げ/吸う=ゆるめ) 口から長めに吐くタイミングで骨盤底を軽く引き上げ、吸うときにゆるめる。 “呼吸と一体化”させるのが目的。
狙い:日常動作(咳・踏ん張り)で骨盤底が反応しやすくなる。
6〜10呼吸 ×1〜3
中級 ブリッジ+骨盤底(ヒップリフト) 仰向けでお尻を持ち上げる前に、吐きながら骨盤底を軽く引き上げる。 挙上中も息を止めない。下ろすときにゆるめる。
狙い:骨盤底の「反応」を全身運動に統合する。
8〜12回 ×2〜4
中級 デッドバグ(体幹安定+呼吸) 体幹を安定させながら、呼吸に合わせて骨盤底を微調整。 腰が反るなら可動域を小さく。
狙い:腹圧を“上げすぎない”コントロール。
左右 各6〜10回 ×2〜4
上級 スクワット(呼吸・腹圧・骨盤底の統合) しゃがむ前に軽く吸って準備し、立ち上がり局面で吐きながら骨盤底を軽く引き上げる。 高負荷で息止めが増える人は重量を調整。
狙い:日常の「立つ・持つ」に直結する連動。
6〜12回 ×2〜5
上級 キャリー種目(ファーマーズ/スーツケース) 歩行中も呼吸を止めず、体幹を安定させる。 骨盤底は“強く締め続ける”のではなく、必要な張力で保つ。
狙い:動作中の自動調整(反射的な支持)を高める。
20〜40m ×2〜5

よくあるミスと修正

  • 腹筋を力ませて息が止まる:負荷を下げ、「吐きながら軽く引き上げる」に戻す。
  • お尻・内ももばかり疲れる:収縮の強さを半分以下にして、会陰部の“内側に引き込む”感覚を探す。
  • 締めっぱなしでリラックスできない:弛緩(ゆるめ)を同じ時間かそれ以上に確保する。

3. ストレッチやケアの方法(静的/動的の両方)

骨盤底筋群は「弱い」だけでなく「硬い(緊張が抜けない)」ケースも多くあります。 そのため、強化と同じくらい弛緩(ゆるめる力)の獲得が重要です。

動的ケア(ウォームアップ向け)

メニュー やり方 目安
骨盤回し(ペルビックサークル) 立位または四つ這いで骨盤を小さく円を描くように動かす。 呼吸は止めず、会陰部が硬くならない範囲で。 左右 各20〜30秒
股関節オープナー(軽い左右スウェイ) 四つ這いでお尻を左右に小さく振り、骨盤周辺の緊張を下げる。 内転筋(太もも内側)や臀部が固い人に有効。
※内転筋:太ももを内側へ寄せる筋群。骨盤底の緊張パターンと関連しやすい。
20〜40秒
深い呼気(吐く→ゆるむ)練習 口から細く長く吐き、吐き切り付近で会陰部が自然に“下がる・ゆるむ”感覚を作る。 無理に押し下げない。 5〜8呼吸

静的ケア(クールダウン・就寝前向け)

メニュー やり方 目安
深いスクワットホールド(可能な範囲) かかとを床につけられる範囲でしゃがみ、背すじは無理に伸ばしすぎない。 呼気を長くして、骨盤底の緊張を抜く。
注意:膝や股関節に痛みがある場合は行わない/高さを上げる。
20〜60秒 ×1〜3
バタフライストレッチ(内転筋) 座って足裏を合わせ、膝を外へ。背中を丸めすぎず、呼吸でゆるめる。 内転筋の硬さが強い人は無理に押さない。 30〜60秒 ×1〜3
チャイルドポーズ+呼気 お腹と胸を落ち着かせ、長く吐く。 吐くほどに会陰部が“ゆるむ”感覚を優先。 30〜60秒 ×1〜3

セルフケアの安全ガイド

  • 痛み・しびれ・強い違和感がある場合は中止し、専門家(医療・理学療法など)へ相談。
  • 「締めるほど良い」ではなく、締める+ゆるめるの両方ができることが重要。
  • 便秘傾向の人は、骨盤底を締める練習だけでなく、呼気でゆるむ練習(弛緩)も必ず入れる。

まとめ

  • 骨盤底筋群は骨盤の底で内臓を支え、排尿・排便の調整と体幹安定に関与する。
  • トレーニングは「強い収縮」より、正しい収縮と十分な弛緩、呼吸との連動が成果を左右する。
  • ケアでは股関節周囲の柔軟性と、長い呼気による弛緩を組み合わせると効果的。

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