骨盤底筋群とは?位置・働き(姿勢/腹圧/排尿排便)と鍛え方(初級〜上級)+ストレッチ/ケア完全ガイド
骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)は、骨盤の「底」でハンモックのように内臓を支える筋肉の総称です。 いわゆる見た目の筋肥大を狙う筋ではなく、排尿・排便のコントロール、姿勢の安定、腹圧(お腹の内側の圧)の調整など、 生活機能とパフォーマンスの土台に直結します。
1. 骨盤底筋群の基本情報(位置、主な働き、関連する日常動作)
| 位置 | 骨盤の最下部(底)にあり、恥骨(ちこつ:骨盤の前側)〜尾骨(びこつ:骨盤の後ろ側)付近にかけて広がります。 膀胱(ぼうこう)・直腸(ちょくちょう)・(女性では)子宮などの骨盤内臓器を下から支える位置関係です。 |
|---|---|
| 構成(どんな筋の集まり?) |
代表的には肛門挙筋群(こうもんきょきんぐん)と尾骨筋(びこつきん)を中心に構成されます。 ※「肛門挙筋群」=骨盤底の中心的な支持筋の集まり(恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋、恥骨直腸筋など)。 個々の筋名は難しく感じる場合、まずは「骨盤底の支持筋の集合体」として捉えれば十分です。 |
| 主な働き |
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| 関連する日常動作 |
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初心者が押さえるべきポイント
- 骨盤底筋群は「強く締め続ける筋」ではなく、締める(収縮)+ゆるめる(弛緩)+必要時に下げるまで含めて機能します。
- 誤りやすいのは、腹筋を強く固めて息を止めること。まずは呼吸を止めずに、骨盤底の軽い収縮と弛緩を作ることが優先です。
2. 代表的な筋力トレーニング種目(初級〜上級)
骨盤底筋群は「フォームの精度」が成果を左右します。
目安は“軽く引き上げる感覚”で、過度な力み(腹圧の暴走)を避けます。
※感覚の目安:会陰部が「内側・上方向にやや引き上がる」イメージ。
痛みや違和感がある場合は中止し、無理に強く締めないでください。
| レベル | 種目 | やり方の要点(狙い/フォーム) | 目安 |
|---|---|---|---|
| 初級 | 骨盤底筋の基本収縮(いわゆるKegel) |
仰向けまたは椅子座位で、息を吐きながら会陰部を“軽く引き上げる”。
吸う息でゆるめる(完全に脱力する意識)。 注意:お尻をギュッと締めすぎない。太もも内側に力が入りすぎない。 |
5秒収縮→5秒弛緩 ×8〜12回 |
| 初級 | 呼吸連動(吐く=引き上げ/吸う=ゆるめ) |
口から長めに吐くタイミングで骨盤底を軽く引き上げ、吸うときにゆるめる。
“呼吸と一体化”させるのが目的。 狙い:日常動作(咳・踏ん張り)で骨盤底が反応しやすくなる。 |
6〜10呼吸 ×1〜3 |
| 中級 | ブリッジ+骨盤底(ヒップリフト) |
仰向けでお尻を持ち上げる前に、吐きながら骨盤底を軽く引き上げる。
挙上中も息を止めない。下ろすときにゆるめる。 狙い:骨盤底の「反応」を全身運動に統合する。 |
8〜12回 ×2〜4 |
| 中級 | デッドバグ(体幹安定+呼吸) |
体幹を安定させながら、呼吸に合わせて骨盤底を微調整。
腰が反るなら可動域を小さく。 狙い:腹圧を“上げすぎない”コントロール。 |
左右 各6〜10回 ×2〜4 |
| 上級 | スクワット(呼吸・腹圧・骨盤底の統合) |
しゃがむ前に軽く吸って準備し、立ち上がり局面で吐きながら骨盤底を軽く引き上げる。
高負荷で息止めが増える人は重量を調整。 狙い:日常の「立つ・持つ」に直結する連動。 |
6〜12回 ×2〜5 |
| 上級 | キャリー種目(ファーマーズ/スーツケース) |
歩行中も呼吸を止めず、体幹を安定させる。
骨盤底は“強く締め続ける”のではなく、必要な張力で保つ。 狙い:動作中の自動調整(反射的な支持)を高める。 |
20〜40m ×2〜5 |
よくあるミスと修正
- 腹筋を力ませて息が止まる:負荷を下げ、「吐きながら軽く引き上げる」に戻す。
- お尻・内ももばかり疲れる:収縮の強さを半分以下にして、会陰部の“内側に引き込む”感覚を探す。
- 締めっぱなしでリラックスできない:弛緩(ゆるめ)を同じ時間かそれ以上に確保する。
3. ストレッチやケアの方法(静的/動的の両方)
骨盤底筋群は「弱い」だけでなく「硬い(緊張が抜けない)」ケースも多くあります。 そのため、強化と同じくらい弛緩(ゆるめる力)の獲得が重要です。
動的ケア(ウォームアップ向け)
| メニュー | やり方 | 目安 |
|---|---|---|
| 骨盤回し(ペルビックサークル) | 立位または四つ這いで骨盤を小さく円を描くように動かす。 呼吸は止めず、会陰部が硬くならない範囲で。 | 左右 各20〜30秒 |
| 股関節オープナー(軽い左右スウェイ) |
四つ這いでお尻を左右に小さく振り、骨盤周辺の緊張を下げる。
内転筋(太もも内側)や臀部が固い人に有効。 ※内転筋:太ももを内側へ寄せる筋群。骨盤底の緊張パターンと関連しやすい。 |
20〜40秒 |
| 深い呼気(吐く→ゆるむ)練習 | 口から細く長く吐き、吐き切り付近で会陰部が自然に“下がる・ゆるむ”感覚を作る。 無理に押し下げない。 | 5〜8呼吸 |
静的ケア(クールダウン・就寝前向け)
| メニュー | やり方 | 目安 |
|---|---|---|
| 深いスクワットホールド(可能な範囲) |
かかとを床につけられる範囲でしゃがみ、背すじは無理に伸ばしすぎない。
呼気を長くして、骨盤底の緊張を抜く。 注意:膝や股関節に痛みがある場合は行わない/高さを上げる。 |
20〜60秒 ×1〜3 |
| バタフライストレッチ(内転筋) | 座って足裏を合わせ、膝を外へ。背中を丸めすぎず、呼吸でゆるめる。 内転筋の硬さが強い人は無理に押さない。 | 30〜60秒 ×1〜3 |
| チャイルドポーズ+呼気 | お腹と胸を落ち着かせ、長く吐く。 吐くほどに会陰部が“ゆるむ”感覚を優先。 | 30〜60秒 ×1〜3 |
セルフケアの安全ガイド
- 痛み・しびれ・強い違和感がある場合は中止し、専門家(医療・理学療法など)へ相談。
- 「締めるほど良い」ではなく、締める+ゆるめるの両方ができることが重要。
- 便秘傾向の人は、骨盤底を締める練習だけでなく、呼気でゆるむ練習(弛緩)も必ず入れる。