トランス脂肪酸が心血管系に与える影響:LDL上昇・炎症・動脈硬化を加速する理由と控え方(栄養士解説)

投稿日:2026年2月17日  カテゴリー:健康に悪影響を与える科学的根拠が証明された食べ物

トランス脂肪酸が心血管系に与える影響:LDL上昇・炎症・動脈硬化を加速する理由と控え方(栄養士解説)

トランス脂肪酸(trans fatty acids)は、脂質の中でも心血管疾患リスクを上げる方向に働くことが、疫学研究・介入研究・機序研究の積み重ねで示されています。 ここでは「なぜ控えるべきか」を、心血管系(血管・心臓)の観点から科学的に整理します。

※本記事は一般的な栄養情報です。持病がある方、脂質異常症・糖尿病・高血圧の治療中の方は、主治医や管理栄養士の指示を優先してください。

トランス脂肪酸とは

  • 不飽和脂肪酸の一種で、分子構造の「二重結合」がトランス型になった脂肪酸。
  • 代表例は、植物油を加工して固形化・安定化する過程(部分水素添加など)で生じるもの(加工由来)。
  • 反芻動物由来(乳・肉)にも少量含まれますが、一般に問題になりやすいのは加工食品由来の摂取量です。

結論:心血管リスクを上げる理由は「脂質プロファイル悪化+炎症・内皮障害」

トランス脂肪酸の問題点は、単に「カロリーが高い」ではありません。 心血管疾患の主要因である動脈硬化のプロセスに複数経路で不利に働く点が重要です。

心血管系への主な影響(科学的に分かっていること)

影響 体の中で起こること 心血管リスクへのつながり
LDLコレステロール上昇 血中のLDL(いわゆる悪玉)が増えやすい LDLが血管壁に入り込みやすくなり、動脈硬化が進みやすい
HDLコレステロール低下 HDL(いわゆる善玉)が下がりやすい 余分なコレステロールを回収する力が弱まり、動脈硬化を抑えにくい
炎症反応の増加 慢性炎症のマーカーが上がりやすいとされる プラーク(動脈硬化巣)が不安定化しやすく、心筋梗塞などのイベントに結びつきやすい
血管内皮機能の低下 血管のしなやかさや拡張反応が落ちやすい 血圧・血流の調整が乱れ、動脈硬化の進展・血栓リスクに不利
中性脂肪・リポ蛋白バランスへの悪影響 脂質代謝が崩れやすい(個人差あり) 脂質異常が重なるほど、リスクは相加的に上がる

なぜ「控えるべき」と言えるのか

心血管疾患リスクに関して、トランス脂肪酸は「摂ると良い方向に働く」根拠がほぼなく、むしろ少量でも不利な方向に働きやすいと考えられています。 栄養戦略としては、筋肉づくり・減量・健康維持のどれを目的にしても、優先順位高く削減して損がありません。

よくある誤解:マーガリン=全部NG?

近年は製法改善や規制・自主基準の影響で、トランス脂肪酸が大幅に低減された製品もあります。 重要なのは食品名で一括りにすることではなく、成分表示・栄養成分表示・原材料で判断することです。

摂取を控えるための実践ポイント

場面 避けたいパターン 代替(おすすめ) 判断のコツ
加工菓子・スナック 常温で長持ち・サクサク食感が強い菓子の習慣化 果物、ヨーグルト、ナッツ(適量)、和菓子寄りの選択 「毎日食べる枠」から外し、頻度を下げる
パン・焼き菓子 菓子パン・デニッシュ・クッキーなどの常食 食パン+オリーブオイル、全粒粉系、米飯への置き換え 原材料に「ショートニング」「加工油脂」が多いものは頻度に注意
外食・ファストフード 揚げ物中心+甘い飲料のセット 焼く・蒸す系、主食量調整、飲料は無糖 頻度と組み合わせで総量を下げる(毎週→隔週など)
家庭の油脂 固形油脂を大量に使う調理 オリーブオイル、菜種油、ナッツ・魚由来脂質を活用 脂質は「質×量」。良質でも使い過ぎは別問題

トレーニング実践者にとっての要点

  • 体づくりでは「カロリー管理」が注目されがちですが、心血管系の観点では脂質の種類が重要です。
  • トランス脂肪酸を減らすことは、減量の成功率だけでなく、長期的な健康投資として合理的です。
  • 置き換えの基本は、加工度を下げる(シンプルな食材・調理)+不飽和脂肪酸中心の設計です。

まとめ

トランス脂肪酸は、LDL上昇・HDL低下に加え、炎症や血管内皮機能の観点でも心血管リスクを高める方向に働きます。 そのため「積極的に摂る理由」が乏しく、頻度と総量を減らすのが合理的です。 食品名で決めつけるのではなく、表示と食習慣(頻度)を軸に、無理なく削減していきましょう。

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