【女性の筋トレ】月経周期に合わせた強度調整の科学|卵胞期・排卵期・黄体期・月経期の最適メニュー
月経周期に合わせたトレーニング調整は、「サボるため」ではなく、ホルモン変動に伴う 体温・回復・疲労感・関節の安定性・糖質利用などの変化を踏まえて、 できるだけ安定して成果を積み上げるための戦略です。 ただし反応は個人差が大きく、周期が乱れている場合や強い月経痛・貧血などがある場合は、まず体調管理(医療相談含む)を優先してください。
結論:周期調整は「絶対ルール」ではなく「RPE/RIRで微調整」
科学的に見ると、周期によって筋力・パワー・主観的疲労や回復のしやすさが変動しうる一方で、 その影響は人によって大きく異なります。したがって実用面では、 同じメニューでもRPE(きつさ)やRIR(残り回数)で負荷を調整する方法が最も失敗しにくいです。
月経周期4フェーズと、強度調整の考え方(実用版)
| フェーズ | 体内変化の要点 | 狙い(結論) | 強度調整の具体策(例) |
|---|---|---|---|
| 月経期(出血期) |
痛み・だるさ・睡眠低下が出やすい。 出血量が多い人は鉄不足の影響も出やすい。 |
コンディション優先 「継続」を切らさない設計 |
・体調が重い日はボリュームを20〜40%減(セット数を減らす) ・強度はRPE6〜7(RIR3〜4)を目安に ・高重量よりフォーム・可動域・呼吸重視 ・痛みが強い日は下半身高負荷を避け、上半身/体幹/低強度有酸素へ置き換え |
| 卵胞期(出血後〜排卵前) |
エストロゲンが上がりやすく、 主観的に動きやすい人が多い。 |
伸ばす時期 漸進性過負荷を入れやすい |
・メイン種目で重量 or 回数を伸ばす(週1〜2回の更新) ・強度はRPE7〜9(RIR1〜3)も組み込みやすい ・高強度日は週に1〜2回まで(回復を見て) ・スプリント/ジャンプなどパワー系も相性が良いことが多い |
| 排卵期(排卵前後) |
ホルモン変動が大きいタイミング。 体調が良い人もいれば、張り・眠気が出る人も。 |
高出力 or 慎重 体調で二極化しやすい |
・調子が良ければ卵胞期同様に高強度OK ・不安定なら強度は維持しつつボリュームを減(例:トップセット1つ+軽めバックオフ) ・フォームが崩れやすい日はRPEを1段下げる ・膝/足首に不安がある人は、切り返し動作・着地系の量を控えめに |
| 黄体期(排卵後〜月経前) |
プロゲステロン優位になりやすく、 体温上昇・むくみ・疲労感・睡眠質低下が出やすい。 |
維持+疲労管理 崩さず積み上げる |
・強度は維持しやすいが、疲労が溜まりやすい人はボリュームを10〜30%減 ・高回数で追い込みすぎるより、中回数(6〜10回)中心が安定しやすい ・暑さに弱くなる人は、換気・水分・休憩を増やす ・月経前のPMSが強い週はデロード(軽め週)を固定してしまうのも有効 |
なぜ変わる?科学的に押さえるべき3ポイント
| ポイント | 起きやすい生理学的変化 | トレーニング調整の意味 |
|---|---|---|
| 回復・疲労感 |
睡眠の質、痛み、気分、むくみなどが変動し、 主観的疲労(RPE)が同じ負荷でも上がることがある。 |
体調が落ちる週は、強度を落とすよりセット数を減らす方が筋力維持に有利なことが多い。 |
| 体温・循環 |
黄体期は体温が上がりやすく、 暑さ・息切れ・心拍の上がりやすさが出ることがある。 |
同じトレでも「きつく感じる」要因になるため、休憩延長・環境調整が効果的。 |
| 関節・安定性 |
一部の人は特定時期に関節の緩さや違和感を感じやすい。 (個人差が大きい) |
体感的に不安定な週は、無理に爆発系を増やさず、テンポ・コントロールで安全に強度を確保する。 |
実務で使える「調整ルール」:周期が読めなくても機能する
| 状況 | やること | 具体例 |
|---|---|---|
| 今日は重い(だるい/痛い/眠い) | ボリュームを落とす |
いつもの「4種目×3セット」→「3種目×2セット」へ。 強度は維持して短く終える。 |
| 集中できない/フォームが崩れる | RPEを1段下げる |
RPE8予定 → RPE7へ。 追い込みより反復の質を優先。 |
| むくみ・息切れ・暑さが強い | 休憩と環境を調整 |
休憩+30〜60秒、換気、水分+電解質。 有酸素は低〜中強度中心に。 |
| 調子が良い(軽い/前向き/動ける) | 伸ばす(更新) |
主要種目で重量+2.5kg、または回数+1。 ただし高強度の連発は避け、週の総疲労で管理。 |
注意点:周期調整が必要なケース・不要なケース
- 個人差が非常に大きいため、「黄体期は必ず弱い」「卵胞期は必ず強い」と決めつけない
- 低エネルギー状態(食事不足)、急激な減量、睡眠不足があると、周期よりそちらの影響が大きくなる
- ピルなどのホルモン避妊を使用している場合は、一般的な自然周期のフェーズ分けが当てはまりにくいことがある
- 強い月経痛、貧血症状、周期異常(無月経・頻発月経など)がある場合は、トレーニング調整以前に医療的評価を優先
まとめ
月経周期に合わせた筋トレ強度の調整は、ホルモン変動に伴う体温・疲労感・回復・安定性の変化を踏まえ、 成果を落とさず継続するための“運用ルール”として有効です。 実践では、フェーズに合わせて固定的に変えるよりも、RPE/RIRで当日の体調に最適化するのが最も現実的です。 「伸ばせる週は伸ばす」「重い週は削る(特にボリューム)」を徹底すると、長期で安定した体づくりにつながります。